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【インタビュー】PIVOT前編 “アベプラの猛獣使い”が伝授 仕切り方の極意


テレビ朝日アナウンサー平石直之さんのお仕事が刺さりすぎてるヲタ目線の記録です✍️🤗

前回は平石さんが朝の地上波以外にどんな仕事をしているのか、初めて知ることとなった動画を挙げています↓↓↓(日曜朝の人だと思ってたから衝撃)


今回はこちら。独断と偏見でベストオブインタビューに選出しています🥇?何回見たか分かりません↓↓↓


2024年10月4日公開


平石さんの話はどのインタビューでも明快で分かりやすく一度聞けば頭に入ってきますが、PIVOT前編は特に熱量と密度が凄まじいです。

インタビュアーの野嶋さんの質問や引き出し方も聞き上手なんて言葉では言い表せませんし、息ぴったりの相乗効果で超充実の聞き応え!!🥺👏✨️👏✨

エンドレスリピートしたこちらのインタビューの個人的ハイライト/他のインタビューより深堀られていると感じる箇所/解像度が高いと感じる箇所をピックアップします。
※本には書いてあったりします。比較対象はインタビュー。

ファシリテーションの真髄
「上手く行かないケースを避けることで結果的に上手くいったと言えるかどうかくらい」という表現はしばしばされていますが、こちらのインタビューでは更に「恥をかかせないことは超重要」とおっしゃっています。「言わなきゃ良かったとか、この会議出なきゃ良かったとか、この番組出なきゃ良かったとか、これが最も起こってはならないこと」これを聞いた時、平石さんの言ってることの解像度が一気に上がったし、何を守ろうとしているのか、少しだけ理解できた気がしたとても印象的な言葉です。「参加者に身を捧げる思い」という表現も別のインタビューでされています。色々テクニックはあるけどまずこの大前提があってのことなんだとハッとさせられます。

ファシリテーターの役割を演じる
本でもインタビューでもおっしゃってる言葉ですが、PIVOT前編では更に「演じる」という言葉の解像度が上がる表現をされています⬇️
「さぁ!始めますか!」と明るく元気に始めるとそういう雰囲気になるし自分も緊張しない。「ただいまより…」とかやりだすと固くなる。そういう人柄じゃありませんと言われるかもしれないけど、ファシリテーターの役割を演じている。逆にシリアスなニュースはそういう風にしていない。この場はこういうトーンで行きますというのを示している。求められるものを、振る舞いとして演じている。

準備する力と聞く力
具体的な議論の行方のシュミレーションには相当驚いた!!👀👀👀👀でもここは準備のほんの一部なのでそれは後ほど改めて。⬇️
5人いて3:2になるとかイメージする。3:2になるから私が2の方についた方がいいとか。あるいは2:4だけど2にものすごく意見の強い人がいて4に加勢しないとバランスが悪くなるとかをイメージする。でも実際3:3だったとか全然ある。だからすごく準備するけどいったん入ったら捨てて、すごく聞く。

要約
要約についてもよく話されていますが、要約した内容が少しズレてたりするとそれはそれでまた良いそうで、その理由の解像度が激ヤバです(語彙力)⬇️
AかBかでいうと6:4くらいでAって意味ですか?と聞いて7:3くらいでAですとなればよりピシッと焦点が当たってみんなにも伝わる。

目的に沿っているか
最も重要かつ好きなパートのひとつ!!私はこれを機に「目的に沿っているか」をとても意識するようになりました。ここまで目的について話されているインタビューは他にない気がします。なぜ平石さんはズレ検知が早いのかがこんなにも詳細に語られています。⬇️
誰に届けたいか、どのレベルの人にどう分かってほしいかで対応は変わる(これはテーマ設定やどこまで分かっているスタンスかなどの話から)。その誰にするかを決めるのは自分たち(制作サイド?)。会議や人が集まった場で何を基準に判断してますかと聞かれたら目的に沿っていますかということ。話が長くて止めるのも長いのがいけないのではない。いい話を長くしてる分にはみんな聞いていたい。でも「ここで話すべき話ですか」というのはある。「その目的に立ち返るとあなたの話は長いです」ということだからそうは言わないけど、そうですかなるほどありがとうございます!とか言いながら引き取る。いい議論かどうかは、目的以外にも聞いてる人の反応やコメント欄の盛り上がり具合や回転数も参考にするけど、私の判断としては目的に沿っているか、そこをすごく見ている

話を止める判断と心境
平石さんが介入する理由と判断基準、その時の心境が手に取るように語られています。かぶせて入ってくるなという意見もあるし好き嫌いは人によると思いますが、なぜそうしているのか、見る側の理解度が上がる内容です。⬇️
話してる人にとっては重要だと思ってるから話してる。その重要だと思ってる人にはファンがいる。ファンや同じ考えを持っている人にとっては長くない。聞き応えがある。でもトータルで考えたときにここは切るべきだと思ったら傷つけてしまうけど介入する。そして恨まれる。でも仕方ない、それは自分の仕事だという割り切り。

✅危機感やメディア業の宿命
平石さんが介入しておおー!(拍手)とやったことある人は多いと言われたとき。⬇️
反対もある。おー!と喝采してる裏でおい!と思ってる人もいる。6:4くらいのところを捌いてるという危機感は常にもっている。6:4で済めばいいけど10:0平石何やってんだっていうのもある。感覚や嗅覚がズレてきたら辞めるべき。


ここまでは技術的なこと。ここからは「この場」「この回」のすごいなぁ……😭と感じる個人的ハイライトです。

質問に対する回答のボリューム
野嶋さんの質問に対する平石さんの回答が1:9かそれ以上のボリュームであること。最初聞いたときの感想は「1聞いたら100返してくるʷʷʷʷʷʷʷʷʷ」でした。普段は進行に徹している平石さんが、こんなに話したいことがあったのか!こんなにコアな考えを持っていたのか!自分の仕事の話をどれだけ生き生きと話すんだ!と嬉しかったポイントでもあります。野嶋さんが上手すぎるのも大きなポイントです。ただこれまでの内容を踏まえて今思うのは、「インタビューされる側で今回の主体は自分」という明確な役割の最適解を「振る舞いとしてできる」上に、実際話しているうちにどんどんテンションが上がっていったということなのかなとも思っています。違うかもしれないけど。

質問に対する回答の精度
上記の通りかなりボリュームのある答えが返ってきますが、その内容ひとつひとつの密度が濃すぎます。無駄な言葉や思考が削ぎ落とされた、とてもシンプルなのに解像度の高い話が続きます。
もう一つ重要な点は、どれだけたくさん答えても質問の意図や核を外したり忘れたりせず、最後は端的にピンポイントで回答に戻ってくるところ😱😱 論点を見失わず端的で美しすぎる着地をするところは、芸術的。思わず平石さん好きですと言ってしまいそうなポイントです(自主規制)。これはインタビューを受ける立場であっても人の話を強く聞いていること、要するにどういうこと?と芯を逃さずに聞いていること、端的な回答と言語化……など複合的な要素があるのだろうと思いますが、「こんな風に答えたい!」と強く思わされるポイントです。

回答に対する質問
これは野嶋さんです。インタビューするにあたりあらかじめ質問を用意したり打ち合わせをしているはずですが、平石さんが答えた内容に応じて追加質問をしたり、湧いてきた疑問点を言葉にしたり、同調したりと、今この瞬間に生まれた「生きた」インタビューが最高にアツいです。野嶋さんが平石さんの著書を2冊とも読み込んでいることや、アベプラを理解していることもすごく伝わるし、明るく生き生きとしていて本当に心地よい場…。これは平石さんの言う「準備する力」「聞く力」「場を作る力」を完全に野嶋さんもやっている何よりの証拠だと思います。相手がどんな仕事をしているのか、何を本の中で書いているのか、聞きたいことは何か、これをしっかり叩きこんだ上で、場が始まったら明るいムードで相手の「今」話していることを聞き、追加質問でもっと引き出す……野嶋さん、これって平石さんのやってることじゃないですか😭😭😭

相乗効果
上記のとおり、お二人の相乗効果でとんでもなく密度の濃い有意義で充実したインタビューとなっています。「入念な準備と予定調和でない場は両立するんだ!」「場の雰囲気が良いってこんなに見ていて気持ちがいいんだ!」「その場で生まれた良い質問によって深掘りされるし、良い回答によってこんなに解像度が上がるんだ!」と分からせてくれる神インタビューです。平石さんが普段されていることをする人が二人いる……そういう風に見えます。




詳細


▷野嶋紗己子さん(PIVOT MC・プロデューサー/フリーアナウンサー)
▶︎平石直之さん(テレビ朝日アナウンサー)


1.著書について

▷本日のテーマはファシリテーション力。「つまらない、決まらない、終わらない」三重苦である会議やMTを一変させるテクニックや信頼できると思われる仕切り方のコツを平石さんに伺う。著書「マンガでカンタン!ファシリテーションは7日間でわかります。」は2冊目。(1冊目の)超ファシリテーション力とは何が違う?

▶︎漫画で分かりやすい。映像に近いものがある。漫画家の春原さんに描いてもらいドラマチックな展開になっている。

▷あるあるがたくさん書いてある。

▶︎あるあるの中でもダメだったシーンが上手に描かれている。人を集めればいいものではなく、不快感とか残念さとか、でもこうすれば劇的にうまくいったとか、そのハッピーな感じや高揚感がある。さっき言ってたみたいに決まらない、まとまらない、そのダメさ加減がうまく描かれている。


2.ファシリテーションとは

▷7日間ということで読み進めるのを挫折してしまう人も1週間で会得できることを体現した本。まず大きな質問から。ファシリテーションとは?

▶︎人が集まる場を円滑に仕切り、効果を最大化する技術。

▷Abemaや大きな討論会で必要なものでは?

▶︎人が3人集まればどんな小さな場でも。誰かが仕切って居心地よくする。うまく行かないと仲が悪くなる、やらなきゃ良かったがある。そこでファシリテーションが機能する。

▷司会との違いは?

▶︎司会は進めていくだけ。もう少しその場の話を聞きながら目的に沿ってコントロールして、引き出していく。

▷平石さんはそもそもファシリテーションが得意な人?先天的なもの?

▶︎大事なポイント。今は得意かなと思うけど以前はそうではない。ファシリテーションはスキルとして切り離してほしい。私も鍛えられてここまで来たけどみなさんも再現可能なスキル。最初は「平石仕切れ」とコメント欄も荒れていた。

▷ひろゆきさんなどはその場にいない。画面の奥の人の手綱をどうやって持っているのかも後ほど伺いたい。まずファシリテーションには3つの要がある?

▶︎場をつくる力、聞く力、準備する力。この3つが渾然一体となっていい場ができる。

▷場をつくる力とは?

▶︎まず話しやすくないと始まらない。仕切り役も集まった人も緊張する。その中でいかに本音で話してもらうか、それが場をつくる力。

▷そこが最初つまづくポイントでは?

▶︎まず自分の緊張を和らげる方法、それから誰かが話すときに心地よくする、寄り添う。集まった人が自由に発言して、恥かかせないよと持っていく。

▷恥をかかせない?

▶︎超重要。言わなきゃ良かったとか、この会議出なきゃ良かったとか、この番組出なきゃ良かったとか、これが最も起こってはならないこと。だから人を集めればいいわけじゃないという重要なポイントがある。会議でも何でも人を集めれば上手くいくだろうと思うけど、むしろやらない方が良かったが起こり得る。そのマイナスを知るところから始まる。集めたからといって必ずしもうまく行くとは限らない。私もいまだには「あれは何だ」というのが毎日くる、うまく行かないことを何と
か交わしながら結果的にうまく行ったかもというくらい。うまく行かなかったケースを避けるべく努力するのに全力を注ぐ、こここそファシリテーションの真髄かもしれない。そうすると自分が何を言ったかとか、うまくできたかとか、かっこよかったかとか関係ないはず。そうやって自分に意識を向けないと結構うまくいくし、聞く力で一生懸命聞く。何を言おうとか思ってると聞けないので、相当強く聞こうと思わないと人の話は聞けない。特に仕切り役をやると次何を言おうとか、誰に振ろうかとか、展開どうなってたっけとか、時間が何分とか、すごく頭が回る。

▷今私がやってるのは対談だから聞くというところでは苦労がない。ゴールが決まっているから。ただ、一つのテーマを複数人から聞き出しながら時間の管理をし、山場を持ってくるって何をどうしたらできる?

▶︎いま話していることが全ての起点なのでまずは一生懸命聞くこと。色々イメージはするけど一生懸命聞く。次にその場の目的。そことの擦り合わせをして、今この話が出たからこの人に聞くべきだろうとか、今の話は分かりずらかったからもう少し深掘りすべきだとか、要約を入れようかとか、そういう判断をする。私が番組の中で言いたいことばかり言ってるように見えるかもしれないけど、言いたいことを言うよりはいかに引き出して満足してもらうか。みんなWinWinじゃないといけない。誰かが勝って誰かが負けたとなると、その人はもう来たくなくなる。もちろん意見の優勢劣勢はある。この場においてはこちらの人の方が最もらしいと思えたと。でもそれはその場限りの、その意見についての話であって、人間が否定されてはならない。だからそこのケアはすごく大事。


3.会議にファシリテーターは必要か

▷会議はスタートアップであっても一人の人が喋りがちとか、ファシリテーターと言われる存在はいなくて次はこの議題ですと進める人はいる。そのケースの方が多いと思うがまずファシリテーターを決めることが重要?

▶︎重要。ただ会議を引っ張る人がいるのがダメとは限らない。現に良い方向に向かっているならその人を活かす構成にした方がいい。みんなが同じ力を持っていれば均等にやればいいけど、必ずしも物を知っていることや決める権利など含めてバランスは違う。その意味では誰がファシリテーターをし、誰にどのくらい話してもらうか、誰の意見を引き出すかはデコボコ。ましてや会議となると上司がいたり部下がいたり、詳しい人がいたりそうでない人がいたり。そのバランスを考えながら目的に導いていく、ファシリテーターの存在はすごく大事。

▷私がファシリテーターに名乗り出るとする。3つの要のうちのひとつめ、「場をつくる」をやるにあたって事前にできる準備は?

▶︎どんな人たちが出るかによって全然構成が変わるのでまず出る人たちを把握し、根回しも始める。こういう目的でやりますけどどうですかと伝えていき、決定権を持っている人がいるならその人と擦り合わせをする。こういうイメージでこうやりますということを始めておくことが大事。

▷目的の共有を会議が始まる前にする?

▶︎始まる前にやる。準備が9割。行ったり来たりするけど、場をつくる力でありながらそれを発揮するには準備が9割。場が始まれば瞬発力も使うけど、瞬発力が生きるためには準備が必要だし目的に立ち返らないといけない。


4.参加者を集中させる方法

▷根回しも行い本番が来て始めるとき、なかなかみんな会議に参加しきれてないな、内職してるなという時は?

▶︎会議の重さは色々あるので必ずしも全てがあてはまるとは言えないけど、「さあみなさん始めますか!!」と明るく雰囲気を作るだけでも違うししゃべる方も緊張しない。「ただいまより…」とかやりだすと固くなる。

▷今の急な声の変換で、今やってたこともやめようと思う。参加してる人もやり始める人も、良い意味で緊張感を高めながら下げられる絶妙なところ。

▶︎そういう人柄じゃありませんと言われるかもしれないけど、「ファシリテーターの役割を演じている」。その場にふさわしいトーンはどこなのか、こういう雰囲気でやっていきますよということを示している。

▷平石さんは演じている?

▶︎役割をという意味で演じている。もちろん今の雰囲気はシリアスなニュースには向かない。そういう時はそうしない。「今日は大変センシティブなテーマなのでおっしゃりにくいこともあると思いますが、できる限り事の本質に迫っていけるようにと思っていますのでご意見いただけるとありがたいです。」みたいな始め方はアベプラでもある。さらに「かつての被害をお伝えすることになるので無理してご覧にならなくても結構です」ということを付け加えたりもする。そういう時はさっきみたいな(明るい)トーンにはならないということ。「この場はこういうトーンで行きたいです」というのをまず示すことが大事。暗いままスタートすると言っていいのかな?と思い、意見も出ない。なので「さぁ皆さん始めますか!今日はとにかく意見を出したいです。変だったらフォローするのでみなさん自由に発言してください」と始めればそういうムードになる。求められるものを、振る舞いとして演じている。

▷場をつくるには根回しだけではなく本番の声とトーンが大事?

▶︎姿勢も。強い言葉が出すぎると言い換えをする。例えばひろゆきさんが「バカなんじゃないですか」とか言う。「それは懸命ではないというひろゆきさんのご意見もありましたけど、それについてどう思いますか」ならバカをそのまま当てない。ひろゆきさんに対して失礼かもしれないけどたまに言うからいっかʷʷʷʷʷʷʷʷ そうやってチューニングしながら進めて誰も傷つけず、でもみんなで話すことの化学反応でより良い意見が生まれる。予定されたことだけ言うならあらかじめ個別に聞き取ればいい。何でみんなで集まって話すのか、それはお互いの相乗効果によって今までになかった意見が出てくる、そういう考え方もあるよねというところを目指しているので、そのチューニングを頑張るのがファシリテーションかなと思っている。


5.心理的安全性

▷日本人の会議は手が上がらないし、的を得たことを言わなければいけない気がして発言しずらいことが多い。どうすれば心理的安全性は確保できる?

▶︎自分の出番があると思わせるのは大事。アベプラみたいな番組はしゃべるために集まっているのでみんな振ったらしゃべる。でも普通の会議だったら自分の出番があるのかは大事。あなたのプレゼンがありますとなれば一生懸命準備するけど、意見を聞かれるかどうか分からなかったら準備しようかなしないでおこうかなとなってしまうので、まず冒頭に「今日はみなさんにのちほど一言伺います。何でもいいので考えておいてください」と言うだけで俄然やる気が変わる。「振りますよ、だから考えておいてください」と。ただ、いきなりは振らない。不意打ちすると答えられないので考えておいてくださいとあらかじめ言う。もう少しハードルを下げるなら、「質問でも構いません。流れに沿わないものでも構いませんので考えておいてください」とする。「パスもOKです」も足しても良い。最悪逃げてもいいよというところまで安全性を高めておいて始める。これをやるだけで会議のやる気と集中力は全然変わる。「さっき出たじゃん」となるから人が言ったことはもう一度言えない。だから話も一生懸命聞くし、いいこと言おうと頑張る。集中力がすごく高まるし、自分にもちゃんと打席が回ってくる。おそらく10人くらいまでの会議なら一言言ってもらった方がコミット感は高まる。そして言ってもらったからにはファシリテーターはどんな意見であれ、「なるほど、それは初めて知りました、へぇー!、重要なご指摘ですね」とポジティブに受け止める。おっしる通りですねとか私もそう思いますとか、同意したり賛成してもいいけど、必ずしもポジションを取らなくてもいい。それは新しい視点ですねと言っておく分には外れてても新しい視点ではあるので、とにかくポジティブに受け止める。少し足して会話するとなおさら良かったりする。深掘りしてもいいし、少し要約して「つまり〇〇ですよね、それは初めて知りました、へぇー!」とか言うとみんなやる気が出る。

▷ポジティブに受け止めることで、自分がやる時に難しいかもしれないと思ったポイントが、賛同しがちになると思った。「そうですよね」とか「それもありますよね」とか言ってしまうと、そうじゃないと思った人には司会者がそっち側だと思われる。どっちのサイドにも行かない言葉をあらかじめ持っておく?

▶︎ニュートラルな言葉はある。「ありがとうございます」、これだけで十分。「ご意見承りました」もあり。あなたの意見を聞きましたとしか言っていなくて賛成とも反対とも言っていないが、丁寧に受け止めたことにはなる。賛成してもいいし反対してもいいけど、必ずしもポジションを取らなくてもいい。「ありがとうございます」「貴重なご意見ありがとうございます」「ご意見承りました」これでパスすればいい。何か言ってるようで何も言ってないけど、場としてはとてもポジティブ。

▷ファシリテーションはボールをみんなに投げる役だと思ってたけどキャッチする能力も大事。

▶︎キャッチしてワンクッションして。次にどこにパスするかしないかという判断。司令塔ではある。私が書いているのは大した言葉ではない。だけど使い方と要領を得れば誰にでも使える。私がどうとかではなくぜひスキルとして使ってほしいという想いで書いている。


6.準備の大切さ

▷準備が9割。準備で大切なことは?

▶︎大切なポイントは2つ。ひとつはテーマについての準備。まずそのことを知らないと始まらない。知らない状態でその場を回されると詳しい人にとっては物足りなくなるしズレていく。芯を食わない展開になる。もうひとつは人についての準備。そこに参加している人たちがどんな意見を持っているのか、どんなバックグラウンドがあるのか、それによって引き出せるかどうかカギを握る。テーマと人についての準備、両面大事。根回しも人についての準備のようなもの。

▷その人のスタンスを分かっておくとボールの投げ方も変わる?

▶︎その通り。5人いて3:2とか構図をイメージして、3:2になるから自分が2のほうについた方がいいかなとか。あるいは2:4だけど2にすごく意見の強い人がいて4に加勢しないとバランスが悪くなるとか、権威がいるとかを考える。

▷死ぬほど考えてあの場にいる?

▶︎トータルで準備ということ。でも面白いし、そういうことが分かった状態で入った方がいい。2:4だと思ったけど3:3だったとか全然ある。


7.聞くことが大事/要約

▶︎だからすごく準備するけど入ったら一旦捨てて一生懸命聞く。聞いたときに、ああいう風に書いてたとかインタビューで言ってたけどちょっと今日は違う、どうやらスタンスを変えた、あるいは機嫌が悪いとか色々あるので、それに合わせて(自分が)スタンスを変える。「以前こうおっしゃってましたが今こうおっしゃってますがどういう意味ですか?」とか「何かありましたか?」とか「少しスタンスが変わりましたか?」とかはあっていい。人間変わる。私だって変わる。こう思ってたけどこうなるとかあるし、とにかくどんどん世の中は変わっていくから、今この瞬間集まった人たちが最大化するようにしないとすぐズレていく。だから本に立ち返ってちゃんとできているかと思ってその場に集中する。準備9割と言いながらいったん全部捨てて本番で一生懸命聞く。しつこいけど、人の話は聞けないもの。特にファシリテーターはやることが多く、時間も気になるし、この人ずっとしゃべってないなとか、あるいは番組だったら指示も来るし、とにかく色んなことがあって集中できないけど、一生懸命聞くと思わないと聞けない。聞くために集中するには、この人が何を言っているのか「要するにどういうこと?」と思って聞く。それを要約して離すとみんなに刺さり、言っていることの重要性が伝わる。「つまり〇〇ですよね、それは初めて知りました、重要なご指摘ですね」とか言うと言った人が満足する。「今おっしゃったのはこういうことですか?」と聞き直して、ちょっとズレてたりするとまたいい。「つまりAかBかでいうと6:4くらいでAという意味ですか?」→「7:3でAです」となるとよりピチっと伝わる。ただ要約するときは諸刃の剣でズレている可能性がある。なので要約した後に確認する。「おっしゃる通りです」かもしれないし「もう少しこうだ」となるとみんな聞いてる人にも伝わるので要約は大事。要約しようと思うと一生懸命聞ける?要約するにはちゃんと聞かないといけないから。違うよとなれば恥ずかしいから。

▷聞き方のポイントは要約ができるかどうか。でも要約は難しい。アドバイスは?

▷アドバイスとしては聞き方が全て?

▶︎「要するにどういうこと?」と思ってすごく聞く。そう思って聞くと要素がないとまとめられないから、「それはどういう意味ですか?」とか「どうしてそう思ったんですか?」とか「その時どうしたんですか?」とか「その後どうしたんですか?」とか。

▶︎聞き方が全て。みんなもそれを聞いている。


8.ターゲットと目的

▷準備の話に立ち返ると、自分のレベル感をどこまで分かっているスタンスでいるべきなのか悩んでいる。多岐に渡るテーマを色んな人とやっている中でどうしてる?

▶︎ターゲット次第。PIVOTにしろアベプラにしろ誰をターゲットにしているのか?目的は何なのか?目的がこのレベルの人にこう分かって欲しいからこのレベルにしようということ。それによって変わる。

▷先日総裁選の討論会があった。みんな興味があるテーマのレベル感は?

▶︎これは番組作りとしても重要で、もう(総裁選討論会を)1週間以上やっているという時に、同じものを見ても仕方ない。違う切り口で行きますということは口上でも述べている。「同じものをやりたいと思っていない、自由に発言してほしい」など狙いをきちんと伝えることは大事。自分たちなりに狙いを定めたところにピシッと焦点が当たるように、参加してる人にも見てる人たちにも理解してもらう。PIVOTでどなたかを扱うとかどなたかの本を扱うにしても、誰に届けたいかによって対応は変わってくる。誰にするかは自分たちで決めることで、それに沿って行動する。だから会議や人が集まった場において、何を基準に判断してますかと聞かれたら「目的に沿ってますか」ということ。話が長いのを止めるかどうかも長いからいけないのではない。いい話を長くしてる分にはみんな聞いていたい。だけど、ここで話すべき話ですかというのはアベプラでもある。今日ここでやりたいのはこういうことだから、その目的に立ち返るとあなたの話は長いですってことだから、そうは言わないけど、「えぇ、そうですか、なるほど、ありがとうございます」とか言って引き取る。

▷良い議論かどうかというポイントがあった。それは目的以外に判断軸はある?

▶︎ある。ひとつは聞いてる人たちの反応。食いついて聞いているのか、なるほどと思っているのか。話してる人に集中するけど、鳥の目で周りの人のリアクションを見ている。これ行けるかなとか、ダメかなとか、退屈してるなとか、長いなとか。もうひとつ番組について言うのであればコメント欄があるので、コメント欄の回転数や盛り上がり具合も判断材料にしている。私の判断としては目的に沿っているか、そこをすごく見てる。だから長い話でもあえて止めない時もある。すごく話が長くてもものすごく聞きどころがたくさんある時はあえて止めない。むしろもっと聞いて引き出す。入ってきたら「ちょっと待ってください、最後まで聞きましょう。のちほど伺います」というハンドリングはその場が有意義なものになるかすごく重要。


9.軌道修正

▷会議でもずれてる話を何度もしてしまう人がいる。目的は分かっている。どうすればその人も満足させながら進められる?

▶︎その人の顔を傷つけないのはすごく大事なので、「ありがとうございます、それも大事なポイントですね。次回またテーマを設けて話しましょう」とする。「ここで話すべきことじゃないよね、それも重要な指摘だ」と。現に重要な指摘であることもある。ここで話すことではなかったということで引き取る。そうすると顔を潰さなくてよい。基本的には誰も傷つけないファシリテーション。またこの会議に出たいと思えるような。聞いてる人たちも大事な時間をお預かりしているという意味では取り残さない。

▷メンツを潰さない、みんなの時間を預かっている。これはこの本を読んでいてもマインドブローイングな言葉だった。もっと仕切り屋と思っていたので、どちらかというといかにその場をうまく回すかしか考えていなかったけど、もっとみなさんの有益のためにという意識が大事?

▶︎ここが1対1との違い。1対1なら自分が我慢すればいくらでも聞いてていいけど自分だけじゃない。他の人の時間も奪っている。その人たちも有意義でないといけないから、グループトークでは少し前がかりに取りに行く。1対1なら踏み込まずに聞くけど、みんなにとって有益じゃない時には申し訳ないけど他の人たちのためにも介入する。それで自分が傷つけられても仕方ない。話してる人は重要だと思ってるから話してる。その重要だと思ってる人にはファンがいる。その人たちにとっては、同じ考えを持っている人にとっては、長くない。聞き応えがある。だけどトータルで考えたらここは切るべきだと思った時には、傷つけてしまうけど取りに行く。そして恨まれる。でも仕方がない、それは自分の仕事だという割り切り。タイミングが速い、タイミングが遅い、両方言われる。遅いのも言われる。早く取れと。

▷聞き手によって感覚も違うので、絶妙なバランスを取らなければいけない?


10.ファシリテーションの心得

▶︎だから答えがない。昨日と今日でも違う。同じ討論をしても空気感が少し違う。もう1回やったら違うものになるし、介入するタイミングも変わる。状況が常に変わるから世の中を見る。本に書いたことはスキルとして色々あるけど、大枠としては今この瞬間何が一番大事なのか、みたいなこと。その時代感覚がずれた時はどんなスキルを持っていても通用しない。社内の空気感もそう。今そこでそういうカード切るわけ?今のは聞くべきところ、でも明日は状況が違って市場環境も変わる。そこの感覚は大事だから準備が9割。

▷ファシリテーションは一部の職種に必要と思ったけどどこにでも通じるポータブルスキル?

▶︎1対1の場合は2だけど3以上に人が集まる時には人の時間を奪っていることも含めて、最大化するにはものすごく努力とエネルギーがいる。その意識がないといいものにならない。いいものにしようとしても、うまく行かない時は行かない。不機嫌な人がいたり相性が悪かったりあるから、それをいかに取り除いていくか、いいものにしていくか、というそこの健気な取り組み。

▷平石さんは先天的ではないと言った。どこが一番の壁でどうやって乗り越えた?

▶︎アベプラ始めてから。私こういうの好きだなと思っていたけど思ったよりうまく行かなかった。コメント欄に鍛えられた。ダイレクトに来るけどありがたい。リアクションがあるから保てる。ないと暴走する。

▷アベプラでもやばいやばいと思っていたら平石さんが入って「おぉー!」(👏✨️)と画面の向こう側でやった人は多いはず。暴走した時の手網の引きかたは?

▶︎反対もある。「平石おい!」みたいな。「おぉー!」(👏✨️)と喝采してる裏で「おい!」と思ってる人もいる。10:0みたいなことはない。6:4くらいを捌いている危機感は常にある。6:4で済めばいいけど10:0「平石何やってるんだ」もあるわけだから緊張感は常に持って。


11.メディア業の宿命

▶︎失言ひとつでどうなるか分からない、言論の世界に生きるとはそういうこと。その感覚とか嗅覚がズレてきたときには辞めるべきだと思うし、そこを常に探っている。

▷それが出来なくなったときは辞めるべき、はメディアの世界で重要な話。

▶︎メディア人てそういうこと。それがアベプラだからではなく時代感覚。ズレてるなと思われたらいけない。ズレてるというのも6:4なのか8:2なのか分からないけど、何かズレてると思われたらいけない。どんなテーマであってもそうだし、その人のあり方そのものがどう思ってもらえるかだし、どこに目をつけたかだし。どこを面白いと思ったから深掘りしているのかだし。追いかけて質問する時ズレてると「あ、ズレてるな」と思う。でも思わない人もいる。その感覚こそ全てというのは、ある種メディア業の宿命だと思う。


(12.私の感想)


「技術の話」をしながら、ずっと人間の話をしているインタビューに感じています。表面はファシリテーションの技術で全部テクニックに見える。でも根底にあるのは「人とどう接するか」「人をどう扱うか」「どうリスペクトを守るか」という倫理観みたいな深いもの。

役割を演じていると言うけど、アスリート並みの準備をしたり、人をよく観察したり、心の動きを知ったり、これまで感じてきたことや今目の前にいる人に対するリスペクトがないとできないことだと思います。でもそれは平石さんは素晴らしい!賞賛!👏😭みたいなことより「再現可能なスキルとして切り離して使ってほしい」とのこと。

その想いを受け取って、ファシリテーターではない私自身も考え方が変わって、行動が変わって、言葉が変わって、周りも少しずつ変わる経験をしています。ファシリテーターではないというのも会議の進行役ではないという意味であって、平石さんがおっしゃるところの「人が3人集まったらどんな小さな場でも誰かが円滑に仕切って居心地良くする」、この意味はようやく分かってきました。

内容が充実していて何度聞いても飽きないし、新たな発見もあるし、振り返ったときに自分の成長を感じたり再点検したいポイントが見つかったりするため、単純に「ファンだから」で説明がつかないくらい何度も聞いているし、これからも定期的に聞くと思います。

次回はPIVOT後編😊



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