【読書】入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才 その1
出版情報
タイトル:入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才
著者:中野 剛志
出版社 : PHP研究所
発売日 : 2024/11/19
新書 : 336ページ
本記事は…
本記事は、本書 入門 シュンペーターを紹介する一連の記事のうちその1である。
百年前の偉人から学ぶ:概要
著者の中野剛志は現役の官僚であり評論家だ。いや思想家と言ってもいいのかもしれない。その中野は最近(2025.03)立て続けに2冊の本を上梓した。1冊目が本書 入門シュンペーターであり、もう1冊が政策の哲学だ。本書 入門シュンペーターがイノベーションを中心とする経済対策に近しいものだとすると、政策の哲学は文字通り政策一般を立案する上での(とはいえやや経済政策よりではあるが)哲学であるといえよう。
なぜ100年も前の偉人の理論を2025年の今、学ぶのか?
それはひとえに現在の主流派経済学が「経済の発展」とは何か、「イノベーション」とは何か、を理解してもいないし、ましてや説明はまったくおぼつかない、という著者の危機感からである。この現状では日本は衰退途上国まっしぐらだ。著者だけが持つ危機感かと言えば、そうではない。本書ではシュンペーターの後継者とも呼べる、その後のイノベーション研究の成果も解説している。日本の衰退途上国化は日本だけのことではない。欧米=先進国でも同様のことが中間層の没落として表面化しており、ある種、世界共通の課題なのである。
さらにシュンペーターは、日本と縁が深い。これについては後で述べるが、まずは、下記のような著者 中野の言葉を紹介しておく。
「シュンペーターに従って発展し、シュンペーターに背いて衰退した国、それが日本だと言ってもよいのではないでしょうか」p318。
シュンペーターの生涯
シュンペーターは1883年にオーストラリア=ハンガリー帝国領に生まれ、1950年に米国で亡くなった。いくつもある著作のうち、本書 入門 シュンペーターでは主に『経済発展の理論』と『資本主義・社会主義・民主主義』を取り上げている。この2つの著作の間には30年ほどの隔たりがある。そして人によっては、シュンペーターは2人いるのでは?と疑問に思うほど、主張が違っているという(だが芯となる部分はブレてはいない)。(ちなみに著作全11冊中10冊も翻訳が出版されているのは日本だけだそうだ)p317。
シュンペーターがこれら2つの本の執筆の間に築いたキャリアは、華々しくもあり挫折もあり目まぐるしいものであった。30歳になる前に大学教授となったシュンペーターは28歳で『経済発展の理論』を著した。その後、オーストリア共和国の大蔵大臣や銀行の頭取に就任したが、その銀行はなんと経営危機に陥ってしまい頭取を解任され、巨額の借金まで負うこととなった。次にはドイツの大学の教授、さらには米ハーバード大学へ。1931年には初めて来日し各地で講演を行っている。1942年 に『資本主義・社会主義・民主主義』を発表。その後アメリカ経済学会会長などを歴任した。死後、遺稿がまとめられ『経済分析の歴史』として出版された。
もちろんシュンペーターが経済学に与えた影響は多大だが、著者 中野によれば「シュンペーターは、狭い意味での「経済学者」ではありませんでした。もっと壮大な社会科学の理論家だったのです。しかも、非常に独創的でした」p8とのこと。詳細については、ぜひ本書を紐解いてほしい。
シュンペーター理論を裏付けする日本
シュンペーターと日本の縁は浅くない。上述したように昭和恐慌吹き荒ぶ1931年(昭和6年)に来日し、各地での講演を通して多くの人に影響を与えたようだ。戦後、いち早く日本が復興できたのも、シュンペーターの講演会を聴き、シュンペーター流のイノベーションを起こす方法をよく理解していたからではないか?実際、シュンペーターの評伝を書いたトーマス・マクロウによると、
日本では、占領軍が撤収した1952年から石油危機の1973年まで、制作担当者たちが、シュンペーターの示唆の多くを非常に注意深く採用したのである。
Prophet of Innovation: Joseph Schumpeter and Creative Destruction
また本書の著者 中野剛志も「1953年から1973年の奇跡的な経済成長期における日本的システムの中核がシュンペーター的であったことは間違いない」と述べているp317。
一方で、1990年代以降の失われた30年。これは、シュンペーターの示唆する経済対策とは真逆のことを行ったからだ、と著者 中野は評する。「1990年代に入ると、日本は、構造改革と称して、シュンペーター的な中核をもった日本的システムを、自ら進んで破壊し始めました」p318。
シュンペーターの経済思想を表す代表的な言葉である「創造的破壊」を使って、シュンペーターの理論に反するような改革を行ったことを「相当にたちが悪い」と中野は述べるp318。
「シュンペーターに従って発展し、シュンペーターに背いて衰退した国、それが日本だと言ってもよいのではないでしょうか」と総括しているp318。
ほら、だんだん本書の今日的意義への扉が開かれてきたでしょう?
2人のシュンペーター
今、私たちが想像するイノベーションを起こす人。例えばスティーブ・ジョブスやイーロン・マスクのようなエネルギッシュで、どんな困難があってもやり遂げる、想像力豊かな個人を思い浮かべるのではないだろうか?いわゆる起業家だ。
30歳前、初期のシュンペーターがイメージしていたイノベーションを起こす人(これを企業者と呼ぶ)は、まさにこのような個人であった。だが、30年後の60歳前後、円熟した後期シュンペーターはもはやこのような個人を企業者として想定することはなかった。イノベーションは大企業が起こす、と考えていた。なぜこのような変化が起きたのか?
それは30年の間に、大企業が新製品を出しながら市場の独占、シェアを少しでも上げることを狙って切磋琢磨する姿を見てきたからだ、と著者 中野は指摘する。初期シュンペーターをシュンペーター・マークⅠ、後期シュンペーターをシュンペーター・マークⅡと呼ぶ研究者もいるそうだ。本書でもたびたびこの呼称を使っているp132-p140。
本書の構成
本書 入門シュンペーターの前半では、シュンペーターの学説を理解する上で用語や概念の定義を、シュンペーター・マークIの言説を通して行なっている。さらに主流派経済学では、そもそもイノベーションを正しく扱えないことなどを述べている。
本書の後半では、シュンペーター・マークIIの言説を直接扱う代わりに、現代のイノベーション研究の言説を取り上げながら、シュンペーターのイノベーション理論が色褪せることなく、現在でも通用していること、さらに主本主義は終わるだろうというシュンベーターの予言があたりつつあることをグラフを用いながら示している。
…というわけで、本書は、本当に読みやすく、わかりやすい。頭のいい人がまとめると、こうなるのか〜、という見本のような本。もちろん内容も潤沢だ。ご興味のある方はぜひ本書 入門シュンペーターに直接当たってください。
ネタバレを好まない人は目次を貼るのでご希望の場所に飛んでください。よろしくお願いします。
イノベーションの定義
主流派経済学ではイノベーションを説明できない:「静態的」な経済、「動態的」な経済
中野は何度も「主流派経済学ではイノベーションを説明できない」と強調している。政策の哲学では「主流派経済学は科学ではない」とまで述べている。ま、今はそちらは、おいておいて。
「主流派経済学ではイノベーションを説明できない」とは、どういうことだろうか?
一言で言えば、ワルラスの一般均衡理論を元にしているから。
ワルラスに限らず均衡理論とは、「釣り合っているとはどういうことか、それはある種の最適解になっているのではないか」その条件などを決定する学問であるという。
ワルラスの一般均衡理論に当てはめれば、「価格をどう決定するのがお互いにとって利益が最大になるか(損益が最小になるか)」「それは需要量と供給量が一致するところ」ということになる。

DiamondOnline モノの値段は「需要と供給」で決まる……ってなぜ?より
市場で高値がつくほどたくさん供給したいと思い(その財をたくさん生産したい)(供給曲線)、
市場で高値がつくほど需要は冷え込む(その財を欲しいと思わなくなる)(需要曲線)。
さまざまなものの価格は、均衡点=釣り合うところ、で決まる。
…と言いつつ、このグラフは農作物が豊作だと値崩れするとか、
新規参入が過剰になり供給過多になると値崩れするといった
私たちが普通に経験する経済体験を表現できていない。
そんなんでいいのかな?それとも私の理解が浅いのか?
知っている人がいたら、教えてください。
イノベーションとは、釣り合いを壊し、新しい釣り合い点=均衡点を作り直すことだ。さらに踏み込んでいえば、この需要曲線、供給曲線は、まったく同じ製品(例えば野菜、石油などの天然資源など)であれば、成り立つのかもしれない。だが今時は野菜や果物でも品種改良をし差別化を図る。まして工業製品をおいておや。この需要供給曲線による均衡を経済研究の中心に据えること自体、間違いだとはいえないだろうか?(いや、言い過ぎか💦)。
シュンペーターはワルラスを大変尊敬し、一般均衡理論を「経済界のマグナカルタ」と呼んで高く評価していた。だが、これではイノベーションを正しく捉え理解し説明することはできない、とも思っていたp47-49。シュンペーターは経済の変化の要因を、戦争など経済システムの外に求めるのではなく、内部から探り当てようとしたのだp49。
というわけで、シュンペーターは均衡以外の状況も視野に収めるべく、この均衡している状態を経済発展しない「静態的」な経済と呼び、一方経済発展する経済を「動態的」であると呼んだ。つまり一般均衡理論が前提としている経済状態は「静態的」であり経済発展はしない、と言っているのである。
イノベーションの本質:新結合
では経済発展が起きる「動態的」な経済、イノベーションの本質とはなんだろう?
その前に、シュンペーターは「生産」をどのように捉えているかを明らかにしておこう。
…シュンペーターは、「生産」という活動は…既存の物と力を「結合」しているのだと強調しています。
つまり「生産」は「創造」しているわけではなく、原材料という「物」と、電力や労働力といった「力」を「結合」させているのだ、といっている。
その上でシュンペーターは、イノベーションの本質は「新結合」である、と述べている。「新結合」とは、物や力の「結合」のパターンを変革して、まったく新しい組み合わせの結合を行うことだ。
シュンペーターは「新結合」を次の5つに分類している。
(1) 新しい財貨の生産
消費者にとって未知の財貨、あるいは新しい品質の財貨の生産
(2) 新しい生産方法の導入
当該産業部門において実質上未知な生産方法の導入。商品の商業的取り扱いの新方法も含む
(3) 新しい販路の開拓
当該国の当該産業部門が従来参加していなかった市場の開拓
(4) 原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
(5) 新しい組織の実現、独占的地位の形成あるいは独占の打破
著者 中野は「このようにシュンペーターにとっての「新結合」とは、新製品のみならず、生産プロセスの革新、新市場の開拓、原材料の新しい供給源の開拓、そして組織の革新までも含む幅広い概念」であるとまとめている。
純利潤
この純利潤という考え方もシュンペーターの経済理論の核である。定義を述べよう。
「純利潤」というのは「与えられた条件のもとで最善の用途と、それを選択することで断念しなければならない次善の用途との違いからくる差額」のことと定義されています。
(定義の部分はシュンペーター経済発展の理論より引用)
均衡状態では「次善の用途」はないので「純利潤」はゼロになる。では、純利潤がプラスになるのはどういう時だろう?少し長くなるが、引用しよう。
例えば、手織機による労働だけで繊維製品の生産が行われていた「静態的」な経済において、力織機による生産という新結合を実現した企業者がいたとします。そして、その力織機によって、1人の労働者がこれまでの六倍の製品を製造できるようになったとします。すると、その企業者は、手織機から力織機に乗り替えたことによる劇的なコスト削減効果によって、「純利潤」を手に入れることができます。
この場合の「純利潤」とは、力織機で生産した場合に得られる利益と、手織機で生産した場合に得られる利益の差額のことです。
こうして力織機に魅了されて新規参入者が増えると、繊維製品の生産が増加し、事業者間の競争が激化する。力織機を導入しなかった企業は淘汰され、やがて最終的に全ての事業者が力織機を使うようになる。すると企業の純利潤は消滅し経済は再び「静態的」になるp32。このように新結合は企業の純利潤を生み出すが、それは基本的には一時的なものに過ぎない、とシュンペーターは論じているというp32。
企業者
再度述べておくと企業者とはイノベーションを起こす個人や企業のことである。初期のシュンペーター・マークⅠでは個人であったが、後期のシュンペーター・マークⅡでは大企業であると認識を変えた。
イノベーションへの障害
とはいえイノベーションはそう容易く起こるものでもない。イノベーションを妨げる要因についてシュンペーターは3つ挙げているp32-p34。
(1) 資金の制約
→いうまでもないので深掘りしていない
(2) 社会環境による抵抗
→イノベーションとは人と違ったことをすること。人と違ったことをすると集団、組織、社会の中では白い目で見られがち。社会的な同調圧力がイノベーションの妨げになる
(3) 新しいやり方への心理的抵抗
→これまでやったことのないことに挑戦するのは、存外面倒くさい。
イノベーションを起こす人
そういうわけでイノベーションを起こせるのは社会的な抵抗や心理的な抵抗に屈することがないような、人格の持ち主、ということになるp43-p35。
シュンペーターは人間行動の類型を、下記の2つに分けている。
(1) 快楽主義的行動
→「静態的」な経済における行動
→「経済合理的」とも言い換えられる。
→「ほとんど誰もが…経済合理的に行動している。…誰もが自分の財の利用可能性のなかで正しい選択を確実に行い、…慣れ親しんだ市場で自信をもって適切なことを行う」p35
→「決断力に乏しく、旧来の軌道にとどまる人の特徴」p35
(2) 精力的行動
→自分を拘束する条件に抵抗し、新しいことをやらずにいられない「行動の人」。
→与えられた環境に順応しようとしない。
「彼はすべての可能性を同じ明瞭さで見て取り、そのなかからこだわりなく選び取るのである。すべての可能性が、彼にとって同じように現実的なのである」p36-p37。
イノベーションを起こすのは、もちろん(2) 精力的行動の人だ。ちょっと日本だと破天荒な印象を与える人だよね…!
シュンペーターはこの(2) 精力的行動の人が、「創造的活動の喜び」と「社会的な権力的地位につく喜び」を動機にして経済発展をもたらす、としている。
うーん。公益資本主義関連本(21世紀の国富論)を読むと…日本的経営者、日本的イノベーターは「1人でも多くの人が便利に豊かに健康に暮らせるように」という動機を持っているような気がするのだが…どうだろう??たとえそれが建前だとしても…。(読書記事)。
需要を創造する
シュンペーターによるとイノベーションの担い手である行動の人は、「需要に応じて供給するのではなく、自ら需要を創造する」というp38。「「市場の声を聞く」などの受け身の姿勢ではなく、自分で市場を創造する」p38。
例えばiPhone。見たことないんだもの。市場に投入される前の需要はゼロだろう。いや潜在的にはあった。だからこそ当たった。潜在的なニーズを掘り出すような製品を「組み合わせて」作り上げた。そこにジョブスの天才がある。
シュンペーターの貨幣観
シュンペーターは、信用創造の仕組みを完全に理解していた。現在ではノーベル経済学賞受賞者でも理解していないというのにp73。ケインズも理解していたというp 73。
信用創造とは、銀行は借り手の企業に返済能力がある限り、いくらでも貸し出しを行うことができるということp69-p70。これを貨幣創造ともいう。主流派経済学では、貸付預金説を採用している。これは銀行が集めた預金を使って貸し出しを行なっている、という考え方だ。貸し出しには「預金」という限度があることになるp67-p68。
大規模なイノベーションの場合、銀行から信用創造により得られた資金を使って行うことになるp75。イノベーションを起こす資金は銀行の信用創造によるものなのだ。それによって「発展しない「静態的」な経済は、発展する「動態的」な経済へと転換する」p75。「銀行とは、事業に将来の可能性さえあれば、何もないところから、貨幣をいくらでも創造できる機関」なのだp76。
信用創造については、ここでは詳しく扱わない。ご興味のある方は本書 入門シュンペーターをご覧になるか、こちらの読書記事をご覧ください。
資本主義とは
こうしてシュンペーターは、「経済発展の理論の核心に、「新結合」や「企業者」といった概念に加えて、銀行による信用創造を導入した」p77。
そして資本主義とは、次の3つの特徴をもつ産業社会のことであると定義したp77。
(1) 物理的生産手段の私有
→私有財産制
(2) 私的利益と私的損失責任
→契約の自由
(3) 民間銀行による決済手段(銀行手形あるいは預金)の創造
(1)と(2)のみでは商業社会ではあるかもしれないが、資本主義とはいえない。「無から貨幣を創造する民間銀行という機関が存在することが、「資本主義」に必須の要件」だというp78。
シュンペーターによれば、イノベーションに必要な資材や労働力の調達手段こそが「資本」であり、それがどこから生まれるのかといえば銀行による信用創造に他ならない。というわけで、民間銀行による信用創造が資本主義には不可欠、ということになる。
シュンペーターの考えるインフレとデフレ
シュンペーターはインフレとデフレに関しても、貨幣観に連動して、真っ当な考え方をもっている人だった。
信用インフレと信用デフレ
イノベーションが起こり銀行の信用創造を経て、新結合のために各種資源や労働力の調達が始まると、資材や労働力が不足して価格が上がる(実物資源の需要増による物価高)。これを信用インフレと呼ぶ。だが、信用インフレは、長く続くものではないという。なぜなら、「借りた金は返す」必要があるからだ。創造された貨幣は、銀行に返却されることで破壊される。信用デフレである。だが、イノベーションにより、供給量は増えた。これが経済成長だp84。
だが、このようにして供給量が増え続ければいずれは物余りとなりデフレ(物価安)となるp84。
信用インフレとそうでないインフレ、経済発展にともなう不況とそうでない不況
だが、信用インフレではないインフレもありうる。信用インフレは、イノベーションを起点とする銀行の信用創造によって、資源や労働力の需要が増えるという点でデマンドプル型のインフレということもできる。一方、例えば2020年から数年間のインフレはコロナ禍によるサプライロス型インフレで、世界中の供給量がいっぺんに低下した。
信用インフレは、シュンペーター流にいえば、一時的な現象であり放っておいてもいずれ信用デフレが起こるので問題はない。だが、サプライロス型のインフレは供給を増やす努力、つまり追加投資(つまりさらなる信用創造)をする必要があるp120。
不況とは一般的にデフレ(価格低下)をともなうが、シュンペーターは不況を経済発展にともなう通常の不況と、そうでない不況を区別していたp123。そして経済発展にともなう通常の不況の時は「必然的で避けられない」し「阻止できない」p123が、恐慌などのような尋常ならざる不況に対しては、「経済の崩壊を阻止するように対処できるし、すべきである」と考えていたp124。
日本政府は、2020年以降のコロナ禍でのインフレ時や、失われた30年で、適切な経済対策を行なってきたと言えるだろうか?財政均衡を唱え、緊縮財政ばかりを行なってきた結果が、失われた30年となったのではないか?
コロナ禍でのたくさんの倒産や廃業に対しても、もっとできることはあったのではないか?
著者 中野の舌鋒は冷静で穏やかだが、的は外していない。
ご興味のある方が、ぜひ本書を手に取っていただけたら、と思う。
というわけで、今後はその2 創造的破壊と日本の失われた30年、その3 イノベーションを起こす企業、その4 シュンペーターの予言と続く予定である(予定は未定なので変更があり得ます💦)。
引用内、引用外に関わらず、太字、並字の区別は、本稿作者がつけました。
文中数字については、引用内、引用外に関わらず、漢数字、ローマ数字は、その時々で読みやすいと判断した方を本稿作者の判断で使用しています。
また、文言の間違い、表現のわかりやすさなど、随時訂正しています。ご了承ください
おまけ:さらに見識を広げたり知識を深めたい方のために
ちょっと検索して気持ちに引っかかったものを載せてみます。
私もまだ読んでいない本もありますが、もしお役に立つようであればご参考までに。
中野剛志の著作
MMT関係
その他:中野剛志の著作
著述家として、そして現役官僚として「よくこれだけ書く暇があるな」と思わせるほど、中野剛志は多産だ。その中で、心に引っかかったものをピックアップ。
買ったけど読めていない。分厚さに躊躇している。
これは読んでみたい。
現役官僚が自国政府の政策を堂々と批判できる。そういう言論の自由を今後も担保したいものだ。
インタビュー記事
著者が語る:動画
シュンペーターの著作
ケインズの経済学からケインズ経済学へ 一日本の場合一
論文のPDFである。ケインズのまとまった著作が日本に入ってくる前に、赤字国債発行、財政拡大などで恐慌脱出を図り、日本の繊維産業などを持ち直させた高橋是清の功績は大きい。返す返すも226事件(1936年、昭和11年)での暗殺が残念に思われる。この論文にも、他の書籍などでも発見できていないが、シュンペーターが来日した際、高橋是清と合った可能性もあるのではないか?(ま、これだけの大物同士が面談したとしたら、なんらかの記録が残されていると思うので、そういう可能性は低いのかもしれないが)。
早稲田商学第402号 2004年9月 池尾愛子
file:///Users/masakonishida/Downloads/93123_402.pdf
公益資本主義関連
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