なぜ「薬育」に「薬害教育」が含まれないのか?
厚労省は文科省の協力を得て、「薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会」を開催して検討を行い、薬害を学ぶための教材を作成しました。平成23年度から全国の中学校に、令和4年度からは全国の高等学校にも配布しています。けれども、その教材が送られてきても、どのように活用していいかわからず、段ボールに入れたままで置いてある学校もあるそうです。一方で、製薬会社や薬剤師による「薬育」の出張授業を行う学校もあります。けれども、「薬育」の中に「薬害教育」は含まれていないようです。
「薬害教育」と「薬育」
厚労省の調査結果によると、「薬害を学ぼう」という教材を使用していない学校が実際に多数あることは以前の記事で取り上げました。
厚労省のサイトでは、端末での使用に配慮した横長のデジタル版も新たに公開されています。
動画もありますが、学校でどれくらい活用されているのでしょうか。
2026年1月16日に開催された検討会の資料でも、アンケート結果が公開されています。
資料2 薬害教育教材に関するアンケート調査(令和7年度)の結果について
全国の高校を対象にしたアンケート調査が、8.8% (5,863箇所中515箇所)という回収率の低さからも、関心のなさがわかります。

パンフレットを「使用した」と回答したのは18.4%、「配布のみ」が60.2%、「使用・配布の予定なし」が21.4%という残念な結果です。
一方で、東京都などは「薬育」に力を入れているようです。
上記のページには、「薬育」とは「子供のうちから薬の効果や副作用、正しい使い方などを学ぶこと」と書かれています。
薬育のメリット
自分自身の健康に責任を持ち、風邪などの軽度な身体の不調は自分で手当てできるようになります。また、副作用や薬の特性を学ぶことにより、副作用の症状に早く気付けたり、薬の誤った使用による危険性を理解することができます。
公開されているテーマなどを確認すると、副作用については触れているものの厚労省が作っている「薬害を学ぼう」の内容は含まれていません。
「薬育」として授業を行うなら、「薬害教育」も含めて厚労省の教材を活用すればよいと思うのですが、なぜ「薬害教育」を含めないのでしょうか。
製薬会社が行う「薬育」
「薬育」の授業は薬剤師などが行っているようですが、製薬会社が行っている授業もあるようです。

同じ学校についてですが、インスタにはもう少し詳しいことが書かれていました。

ファイザー社のコロナワクチン接種後に起きた症状について、多くの人が予防接種健康被害救済制度に申請して認定されています。その中には、接種当日に死亡した中学生もいるのです(下記参照)。
厚労大臣が「重大な懸念はない」と言い続けているから、製薬会社も被害については無視してよいのでしょうか。そのような製薬会社が「薬育」の授業で話す「ワクチンに関する正しい知識」とは、どのような内容なのでしょうか。
ファイザー社は東京都と連携協定を結んでいますが、高齢者等への新型コロナワクチンの接種促進に係る取組事例などを行っています。
ファイザー社は新聞広告で、ワクチン接種を促すために事実と逆のストーリーを作り上げたこともありました。下記は有料記事なのでなかなか最後まで読んでいただけないのですが、ファイザー社がどのような企業かわかる内容です。薬育授業を依頼する前に、ぜひ読んでいただきたいです。
学校で「薬育」の授業をするなら、偏った内容になってはいけないと思います。
「薬育」の授業で接種を勧めてよいのか?
薬剤師による授業でも、偏りがあると感じました。
例えば、HPVワクチンについてXで下記のようなポストがありました。

学校薬剤師として、男子がHPVワクチンを接種することの大切さを説明していると書いています。
男子の接種については、下記の記事で取り上げました。
今、HPVワクチン薬害訴訟で原告として闘っている方たちの中には、学校で勧められて接種したという方もいます。けれども、接種後の健康被害で学校に通うのが難しくなったら、学校には理解してもらえず転校を勧められたというケースもあるのが現実です。
薬剤師の方たちは、原告117人の症状が本当にHPVワクチンと無関係だと思っているのでしょうか。もし、自分が勧めて接種した生徒が原告の方たちに起きているような健康被害にあったら、どうするつもりなのでしょうか。添付文書にも書かれているので、可能性はゼロではないはずです。

副作用のメカニズムが解明されるまでには、時間がかかります。サリドマイド薬害は、50年かかりました。今、関係ないと製薬会社が主張していても、今後明らかになってくることもあるでしょう。
接種後の症状について治療方法も確立されていないので、症状のせいで学校に通えなくなるかもしれません。楽しみにしていた学校生活が思うように送れなくなり、進学や就職の夢を諦めなければならないかもしれません。
学校という場で勧めることは、SNSで知らない誰かが勧めるレベルではない大きな影響力があるはずです。「学校」+「薬剤師」が勧めるものに、疑問を持つ生徒は少ないでしょう。
学校の授業や講演で接種を勧めている医師や薬剤師の方たちは、もし生徒の人生を変えてしまったらどう責任を取るつもりなのでしょうか。治療方法も確立されていないのに、体を元に戻す自信があるのでしょうか。下記の動画を見ても、生徒たちに授業で接種を勧められるのでしょうか。
積極的勧奨再開後に接種して、視界が八重九重に見える症状などで苦しんでいる相原さん。
学校で勧められて接種して、接種後の症状だけでなく学校や病院での無理解とも闘ってきた梅本さん。
国が安全だと言っても、安全ではなかったことがあると知るためにも「薬害教育」をする必要があるはずです。
HPVワクチンに関してはまだ判決がでていないので触れることが難しいと考えている先生方もいるかもしれませんが、過去の薬害については歴史として学べるはずです。厚労省が教材を作っているのですから、それを活用すれば教育的にも問題はないでしょう。
「薬育」の授業を検討している学校関係者の皆さんは、「薬害教育」も盛り込んだプログラムを検討していただきたいです。
<関連記事>
