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HPVワクチン「中咽頭がん予防」の効果は日本では承認されていません!

2025年8月25日、HPVの9つの型に対応した「シルガード9」が一部変更承認され、男性への接種が可能となりました。一部変更承認により追加されたのは、9歳以上の男性への接種対象拡大と、HPVの9つの型の感染に起因する肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2 及び3)並びに男性での尖圭コンジローマの予防の適応です。前回の記事にも書きましたが、ガーダシルも含め、中咽頭がん予防については承認されていません。けれどもXでは、中咽頭がん予防にも効果があるかのような発信を医療従事者や議員が行っています。

医師や薬剤師、議員の発信

Xでは、HPVワクチンで中咽頭がん予防もできると思わせるポストが多数見られます。その中でも、医師や薬剤師、議員といった信用されやすい人が、正しい情報を発信していないことが気になります。

ポストが長かったり、本人の画像が入っているポストは途中をカットしてあります。

●あるクリニックのX

「中咽頭がんも予防」とはっきり書いています。


●区議会議員のX

こちらにも「中咽頭がんの予防」とはっきり書かれています。

●プロフィールに薬剤師と書いてある人のX

「中咽頭がんの予防にも有効」と書いていますが、リンク先の記事に中咽頭がんのことは書かれていません。

●産婦人科医のX(4月のポスト)

「中咽頭がんの予防につながる」という表現は、予防できるとは言っていないので微妙ですが、予防できると誤認させる可能性はあると思います。

この発信をしている医師は、一般社団法人「HPVについての情報を広く発信する会」が運営する「みんパピ!」のメンバーでもあります。


https://minpapi.jp/qa/

日本ではまだ承認されていない効果なのに、「ワクチンで予防可能」と書いています。接種を検討している人が見るようなサイトで、堂々と承認されていない効果を書いてよいのでしょうか。


医薬品の広告基準

医薬品等の適正広告基準では、「明示的又は暗示的であるか否かにかかわらず承認等を受けた効果効能等の範囲をこえてはならない」ことになっているはずです。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日薬生監麻発0929第5号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf


「病院・クリニックの公式ウェブサイト、公式SNSアカウントや公式アプリ等は、通常、そこで提供される医療サービスを広報するものであり、誘引性や特定性の要件を満たす」とされています(下記参照)。

議員や薬剤師のX、「みんパピ!」は広告にはあたらないかもしれませんが、一般人よりも影響力のある立場でワクチン接種を促しているのですから「承認を受けた範囲をこえない」というルールを守るべきではないのでしょうか。


承認の内容

製薬会社のリリースにも、「中咽頭がん」は書かれていません。


https://www.msd.co.jp/news/product-news-20250825/


承認された効果は、添付文書でも確認できます。


シルガード9 添付文書(第3版)より

やはり、「中咽頭がん」は入っていません。

厚労省の資料では、「中咽頭がん」について下記のように書かれています。

06資料2HPVワクチンの男性への接種について

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001515471.pdf


https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001515471.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001515471.pdf

もう1点、Xなどで「女性のために男性も接種しようという」という発信を見かけますが、「HPVワクチンの男性接種による女性の子宮頸がん及び前がん病変に対する予防効果については、ファクトシートにおいて、いずれも直接的なエビデンスはないと記載されている」と書かれています。


https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001515471.pdf

「薬事承認が得られていない中咽頭がん、陰茎癌の予防効果に関するエビデンスは限られており、また、男性接種による女性の子宮頸がん等の予防効果に関するエビデンスも間接的なエビデンスに留まる」としながらも、議事録を読むとHPVワクチンの男性接種の定期接種化の検討にあたり、承認外の効果についても含めて考えてもよいのではという意見がでています。

議事録より

○氏家委員 評価方法については、評価項目という観点において選べるという観点では、必ずしも薬事承認を限定した形だけではなくても、主要評価項目ではなくても、参考の評価としてセカンドリーアウトカムとして現存のエビデンスである程度蓋然性が確立した所見については情報をまとめて、参考として評価ができるような体制というものが望ましいだろうと思います。
 先ほど原先生からも御指摘があったように、各国で必ずしもデータとエビデンスのみをもって定期接種化を決めているわけではないというふうに理解しています。ドイツなどでは男性への定期接種を決めた際に、費用対効果はその時点で必ずしも優れているという評価ではありませんでしたが、ジェンダーエクイティーという観点で評価、導入を進めたというようなこともありますし、先ほど申し上げたような必ずしも薬事承認されるだけのエビデンスが確立していないものについても、今後分かってくるというものがありますし、その辺は基本方針部会等は必ずしもデータのみを評価するところではないということもありますので、広く評価自体はできるような形式を取るということが評価の方法としては望ましいのかなと思います。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62687.html

○山口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
 貴重な御意見をありがとうございます。先ほど原先生からもコメントを頂戴しましたけれども、本委員会は先生方に技術的な観点で御議論をいただいており、仮にワクチンによって健康被害が出た方がいた場合であっても、本委員会でワクチンの効果について御議論いただいたということをもって進めていく必要があるのだと、このように考えております。
 そうした観点でいいますと、今、現時点で確たるエビデンスは何であるのか、現在期待されているエビデンスは何であるのか、こうした観点で改めて整理させていただきたいと考え、今回の資料をおつくりしたものでございます。
 そうした観点でいいますと、氏家先生から御提案いただき、今回総括の26ページ目の1つ目の○の議論の進め方についてとしてまとめておりますとおり、事務局といたしましてもこれからも引き続き最新のエビデンス、これは必ずしも薬事承認されたもの、申請されたものに限らずエビデンスを広く集めた上で評価していくことは重要だと思っております。そうした一方で、どこまでが確たるエビデンスなのかということについても、引き続き慎重に我々としても先生方に御議論いただきたいと、このように考えている次第でございます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62687.html

「仮にワクチンによって健康被害が出た方がいた場合であっても、本委員会でワクチンの効果について御議論いただいたということをもって進めていく必要がある」と言っていますが、意味がよくわかりません。

接種後に健康被害が出ていても、この会議の議論でOKなら話を進めようという意味なのでしょうか。

このような評価で定期接種化を決めるのであれば、承認審査の意味がないですし、安全性についても不安しかありません。

東京都の保健医療局が、中咽頭がんの予防や女性を守れるように思わせる書き方をしているのは、すでにそのような話が進んでいるからなのでしょうか。

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/info/hpv/hpvdansei


「承認等を受けた効果効能等の範囲をこえてはならない」というルールを、厚労省が守ろうとしていなければ、国民は何を信じたらよいのでしょうか。


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今回の件とは別ですが、医師会や大学でもポスター等でHPVワクチンに関する「誤情報」を堂々と流しています。



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