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「1万人に2人」に起きたことは、「あなた」に起きていたかもしれません

1万人の中で2人にしか起きないとしたら、自分はきっとその2人には入らないと思うでしょう。けれども、その2人に起きたことが「当たり前の日常」を失うほど重大なことだとしたら、残りの9998人の人たちはそれを無視できるでしょうか。もしかしたら、あなたがその2人の方だったかもしれないのです。



「1万人に2人」は少ないのか?

2026年3月29日に、「HPVワクチン薬害訴訟 原告支援集会in東京」に参加させていただきました。HPVワクチン接種後の症状で10年以上苦しんでいる原告さんや積極的勧奨再開後に新たな被害者となった方、そのご家族の想いを何回かにわけて書いています。今回が5本目で、これが最後の記事です。

1本目

2本目

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4本目

原告さんたちが国と製薬会社(2社)の責任を問う集団訴訟を4地裁で起こしたのは、2016年。そして専門家証人尋問や原告本人尋問など、結審前の公開法廷を終え、2027年4月に判決が出る予定です。

原告さんの発信やそのリポストについて、「たくさんの人が接種した中で少ない事象なのに、HPVワクチンが悪いかのような論調はよくない」というようなポストも見かけます。けれども、ワクチンとの関連に気づいていない人もいるはずです。原告さんの中にも、接種直後から朝起きると頭痛がするようになっていたけれど、当初はそれがワクチンのせいとは思わなかったという人もいます。今、原因不明の体調不良で悩んでいる人も、もしかしたら関連に気づいていないのかもしれません。

厚労省のリーフレット(詳細版)には、接種後に重篤な症状が生じた報告頻度は、「1万人に約2人」と書かれています。

https://www.mhlw.go.jp/content/001682787.pdf

これはHPVワクチンと関連があると考えて、報告した人の数です。けれども、厚労省の調査結果にも、1回目の接種で症状が出ていたのに気づいていなかった事例があります。


資料3-4 HPV ワクチンなどのワクチン接種後に生じる種々の症状についての調査とその対応方法に関する研究報告(第2報)

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001523037.pdf

症例2は、1回目の接種後に全身倦怠感が強くなり、登校困難となったのに、2回目、3回目と接種しています。そして1年後にやっと、ブロック拠点病院を受診しました。1年後に症状が出たのではなく、ワクチンとの関連に気づいたのが1年後だったのです。

接種後にこのような症状が起きる可能性があることが周知されていないので、本人や家族が気づかなかったのは仕方ないかもしれません。けれども、医師は知っているはずです。それなのに、なぜ2回目、3回目の接種を止めなかったのでしょうか。「高校卒業後は自動車学校へ通うなど、午前中も動けるようになってきている」と書かれていますが、大学への進学や就職ができたかについては書かれていません。原告さんたちのように、将来の夢があったのに諦めたのかもしれません。

ですから、報告が少ないからといって、そのような症状が起きていないとは限りません。コロナワクチン接種後の症状についても、少しずつ知られるようになってから、「自分の症状もワクチンと関係あるのかもしれない」と思う人が増えているようです。

多くの事例が情報不足で「評価不能」とされていた中でも、コロナワクチンとの関連を強く疑った人がいたから、死亡との因果関係が認められた事例もありました。下記は、徳島県警が「健康な10代の女性が突然亡くなるのはおかしい」として、死因を調べるために徳島大学に司法解剖を依頼し、「ワクチン接種と死亡に因果関係あり」と結論付けられたからこそ、厚労省の専門部会でも「ワクチンとの因果関係が否定できない」と評価されたのです。

一方で、ご遺族は死亡診断書に疑念が湧いたため、「解剖したい」と連絡したのに、「県警本部に掛け合ったが、終結した件であり、これから変更することはできない」との回答があり、解剖できなかった事例があります(下記参照)。

この事例の専門家による評価は、「時間的関係がありその他の要因も見当たらないことから、ワクチン接種が喀血の契機となったことを完全に否定することはできないものの、死亡時画像診断や剖検は実施されておらず、その病態を検討することはできない。ワクチンと死亡の因果関係は不明である」とされました。

このように、報告されている「数」からは見えてこない事例が、HPVワクチンに関しても多数あると思います。


「1万人に2人」なら無視してよいのか?

原告さんたちへの誹謗中傷には、子宮頸がんの怖さを強調し、原告さんたちの行為はその予防を妨害しているという趣旨のポストも見られます。

けれども、推進派が示す「数」は、子宮頸がんの怖さを強調するための視点でデータを選んでいるように見えます。

例えば前述のリーフレット(詳細版)には、下記のように書かれています。

https://www.mhlw.go.jp/content/001682787.pdf

一方、国立がん研究センターのサイトには、下記のように書かれています。

図1 HPV感染から子宮頸がんへの進行

HPVに感染していない女性が1万人いたら、子宮頸がんに罹患する人はごくわずか(1人程度)だと説明しています。


年代ごとのデータに注目すると、さらに印象が変わります。


https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/17_cervix_uteri.html

全国がん罹患データ(2016年~2023年) cancer_incidenceNCR(2016-2023).xls で2023年の子宮頸がん罹患データを見ると、49歳までの合計が3730人、50歳~100歳以上の合計が6727人でした。

全国年齢階級別罹患率(人口10万人対)では、15歳~19歳で0.1、20歳~24歳で0.3、25歳~29歳で3.8。


https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/17_cervix_uteri.html

全国がん死亡データ(1958年~2024年)
cancer_mortality(1958-2024).xls で2024年の子宮頸がん死亡数を見ると、
49歳までで361人、50歳~85歳以上で2390人でした。

全国年齢階級別死亡率(対人口10万人)で見ると、24歳までは0、25歳~29歳で0.2。

年代によってかなり差があるので、全員20代だったら、厚労省が示している「2クラスに1人」や「9クラスに1人」という数にはならないのではないでしょうか。高齢者は様々な病気に罹患しやすいのですから、リーフレットのデータより、国立がん研究センターの図1の方がイメージしやすいと思います。

このように、データの処理や表現の仕方で印象は大きく変わるのです。

原告さんの活動と絡めて、「HPVワクチンデマのせいで、若い女性がどれだけ亡くなってるか」というようなポストも見かけました。前述のデータで44歳までの死亡者数は、積極的勧奨中止後、下記のように推移しています。

国立がん研究センター 全国がん死亡データ cancer_mortality(1958-2024).xls より

このようなポストをする人たちの「若い女性」が何歳までかわかりませんが、原告さんたちのせいで子宮頸がんで亡くなる若い女性が増えているとはいえないでしょう。

さらに、厚労省のサイトには下記のデータも公開されていますが、接種前に知らされているのでしょうか。


https://www.mhlw.go.jp/content/000892337.pdf


https://www.mhlw.go.jp/content/000892337.pdf

Xでは、接種すれば罹患しない前提で、原告さんたちの妨害(発信)によって接種しない人は子宮頸がんで苦しむことなるというようなポストを見かけます。けれども、国立がん研究センターが公開している図でHPVに感染しても罹患しない人が大多数であることを示していたり、接種しても全員が避けられるわけではないという推計を厚労省が出しているのです。接種しなくても罹患しない人も多数いて、接種しても罹患する人がいることになります。

厚労省でさえ予防効果を65%で推計しているのに、推進派はなぜ接種すれば罹患しないと思わせるような発言をするのでしょうか。自分で研究して作ったものでもないのに、その自信はどこからくるのでしょうか。

表に出てくる情報は、とても偏っていると感じます。HPVワクチンを接種するかしないかによって、自分の未来がどのようになるだろうかと、ベネフィットとリスクの両方で考えるためには、リーフレットや医師が提供する情報だけでは足りません。国民が知らされるべきことをきちんと知らされるようになるためにも、裁判での勝訴が必要なのです。

ワクチンを安心して接種するために

ワクチンの安全性に疑問を投げかけると、すぐに「反ワク」というレッテルが貼られます。けれども、誰も疑問を投げかけなくなったら、製薬会社は高いレベルでの安全性を追求しなくてもよいと思ってしまうでしょう。どのような分野の企業も、消費者からクレームが来たら製品を調べ、問題が見つかったなら改善しようと努力しているはずです。なぜ製薬会社は、それをしなくてもよいのでしょうか。

ワクチンは健康な人が予防のために接種するものだから、高い安全性が求められていたはずです。それが、このHPVワクチンあたりから、どんどん緩くなってきているように感じます。報告がないだけでもっとたくさんいると思いますが、たとえ1万人に2人だとしても、原告さんたちのような治療法が確立されていない症状が出る可能性があっては安心して使うことはできません。

裁判所が公正な判断をして、国と製薬会社の責任を明らかにするためには、世論の後押しが必要です。彼女たちの発信を「反ワク」という先入観で見るのではなく、ご自身や家族が安心して医薬品を使うために関心を持っていただきたいです。

そのきっかけとなる「追い風展」が、4月18日の足利市を皮切りに全国で展開されます。原告さんや積極的勧奨再開後の被害者の方たちが語った想いや経験を、パネルにして展示します。


パネル上部の一例


原告さんや新たな被害者の方たちの声を聞く機会として、オンライン参加できるイベントもあります。申し込み方法などは、下記のページでご確認ください。

HPVワクチン問題イベントスケジュール


オンライン参加もできます


裁判の目的などについては、下記に書かれています。

裁判所宛

厚労省宛


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