中高生が国から見放されるという「絶望」の中で諦めたこと
もし強烈な頭痛や体の痛みがあって病院に行ったのに、検査も診察もされず「精神科へ行ってください」と言われたら、どんな気持ちになると思いますか? 実際に、そのような対応をされた方たちがいます。今、その事実を知って関心を持たなければ、それが普通の対応になってしまうかもしれません。夢や希望に満ちあふれていた中高生が、国から、医療機関から、そして学校からも見放され、絶望の中で多くのことを断念しました。その辛さを経験しているからこそ、同じ思いをする人を増やさないためにも誹謗中傷に耐えながら自らの体験を語っています。
医療機関で味わった「絶望」
2026年3月29日に、「HPVワクチン薬害訴訟 原告支援集会in東京」に参加させていただきました。HPVワクチン接種後の症状で10年以上苦しんでいる原告さんや積極的勧奨再開後に新たな被害者となった方、そのご家族の想いを何回かにわけて書いています。今回は、その4本目です。
1本目
2本目
3本目
1本目で紹介した相原咲紀さんは、積極的勧奨再開後の被害者です。
今回の集会では語られませんでしたが、以前の講演から医療機関での体験を紹介します(下記参照)。
接種の24時間後に突然、ハンマーで殴られたような激しい頭痛に襲われました。やがて熱も出て、立ちくらみもあったので3日後の土曜日に接種した産婦人科医院に行きました。すると新型コロナではないかと疑われ、帰されました。日曜日には一時的に手に力が入らず、ワクチンの副反応を強く疑った母が協力医療機関に連れて行ってくれました。事情を説明してワクチンの副反応ではないかと訴えましたが、医師はただ聞くだけで様子を見ましょうと言い、カロナールを処方されただけでした。
火曜日にはなんとか学校には行きましたが、授業中、急に視界がぼやけてきて黒板の文字も人の顔も、自分が書くノートの字ですらわからなくなってしまいました。それで水曜日にまた協力医療機関に行きました。この時対応した医師は「ワクチンの副反応なんてないんだよ」と初めから全否定で、「考えすぎ。寝たら治る。プールに入ったり日に当たったりすればいい」などと言いました。大学病院への紹介を求めると、「そんなことで紹介したら笑われる」とはねつけられました。
咲紀さんのお母さまも、協力医療機関で受けた対応について下記のように語っています。
医師からは「考えすぎ。やがて見えるようになる。お母さんがそんなヒステリックに騒ぎ立てるから娘さんが心配になって症状が出てしまう」とまで言われてしまいました。「紹介状は書く必要がない」と言われた時は、娘に起こったことをまるで紙屑同様にゴミ箱に捨てられてた気持ちになり、絶望しました。
「やがて見えるようになる」と言われましたが、咲紀さんの目の症状はどんどん悪くなっています。
協力医療機関について、厚労省のサイトでは下記のように説明されています。
HPVワクチンの接種後に生じた症状について、患者へより身近な地域において適切な診療を提供するため、各都道府県において協力医療機関が選定されています。
この説明で安心して接種した方も多いと思いますが、適切な診療など提供されていないことは、複数の被害者から明らかになっています。
1本目で紹介した凛さんと、同時期に接種した2歳上のお姉さんにも同じような健康被害が出ていました。光過敏、歩くことも困難なほどの腰痛などで生活に支障が出て、藁をもつかむ思いで協力医療機関を受診したときのことをお父さまが語っています。短く編集して、再度紹介します。
医師からは「ワクチンとの因果関係はない」と言う説明の一点張りで、積極的な検査や治療は一切行われませんでした。それどころか、症状はすべて学校生活のストレスが原因であると決めつけられ、学校をやめれば治るとまで告げられています。
今振り返ってみても、協力医療機関での対応が、我々家族には一番精神的につらいものだったと記憶しています。少なくとも国が選定した協力医療機関がきちんと機能してるとは思えず、むしろ逆効果にさえなってると思わざるを得ません。
3本目で紹介した方も、同様の対応をされています。
2024年10月、高2の時にシルガード9を接種した1週間後に、頭痛が出始めました。その後1か月の間に、聴覚過敏、パニック障害、手足の痛み、しびれ、過眠、右足が動かないといった症状が次々に出現。国が選定した協力医療機関に行っても、一切検査もせず、精神科に紹介されました。
前述の3人は新たな被害者ですが、今、裁判で闘っている原告さんたちも、協力医療機関などでひどい対応をされています。
今回の集会にオンラインで参加された東京原告・みゆうさんについては、3月7日に開催された講演会で語っていたことが印象に残っています(下記参照)。
彼女が協力医療機関を受診したときは、手や足が自分の意思に反して動いていてしまう症状がひどかったそうですが、それを見た協力医療機関の医師は「そんなに震えていて、面白いね」と笑ったような顔で言ったそうです。
同じく、今回の集会にオンラインで参加した九州原告・梅本美有さんの事例も、以前の講演でお母さまが下記のように語っていました。こちらも詳細は下記の記事で取り上げています。
あるとき、突然の首の激痛で全く動けない状態になり、歩くことのできない娘を車椅子ごと福祉車両に乗せ、ベンクリニックに駆けつけました。受付で予防接種健康被害救済制度の手帳を提示し、ワクチン接種による副反応症状だと告げると、受付の人はその手帳を持って奥に入り、数分後に出てきましたが、受診を断られました。
でも、引き下がるわけにはいきません。目の前で痛みに耐えかねて、顔を歪ませているのです。あまりの私の迫力に、診察室から出てきた先生が地元の大学病院なら診てもらえるかもしれないとその場で電話をしてくれましたが、受け入れは拒否されました。その断られた大学病院は、厚生労働省が設置した協力医療機関に指定されている病院です。この時、娘と2人、絶望感でいっぱいになりましたが、もう涙も出ませんでした。このように、ワクチン被害者の置かれている状況はとても残酷です。
他にも、同様の体験をされた方たちがいます。今、被告側(国と製薬会社2社)を支持している人たちは、このような対応にも同意していることになります。ですから、熱心に接種を勧めている医師たちの多くは、もし接種後に原告さんのような症状が出て頼っても、「心因性」と決めつけて親身になってはくれないでしょう。
彼女たちが断念したこと
国に見放され、治療法もない症状で苦しんでいる原告さんたちは、多くのことを断念しました。
以下、集会当日に語られたことから編集してまとめています。
東京原告・みゆうさん
高1の夏から副反応症状が悪化して、普通の日常を失ってしまいました。年々症状が辛くなってきて、学生時代に比べると、今の方が大変な状況です。頭痛、倦怠感、不随意運動、運動障害、記憶障害などが特に辛い症状で、自力でできることがどんどん少なくなってきています。なので、学生時代よりも家族からのサポートが必要な場面も増えてきました。今は夫や両親が、私の移動、トイレ、お風呂、着替えなどのあらゆる介護をしてくれているので、なんとか毎日過ごすことができていますが、私の介護で家族が体を壊してしまったらどうしようという不安や心配も常にあります。
今は、ある方のインスタグラムの投稿を代行するというお仕事をしています。1週間に5~6時間の作業で、体調が悪い私でもお仕事を頼まれてお金を頂けることは本当にありがたいと思っています。でも、これぐらいの作業量でも体に負担がかかり、日常にどうしても影響が出てしまうので、これ以上仕事量を増やすことは難しい状態です。やっぱり普通に働くことがこの体調ではなかなかできないんだということを、日々痛感しています。
東京原告・望月瑠菜さん
小6の時にサーバリックスを3回接種して、体の痛みや光の眩しさなど、様々な症状が出ました。そして高1の夏、突然脚に力が入らなくなり、歩けない、立てない状態になってしまいました。当時は自分の体に何が起きたのかわからず、病院に行っても原因がわからない状況が続いて、このまま死んでしまうんじゃないかという恐怖感に襲われ、夜眠るのも怖かったです。
高校には何とか通うことはできていましたが、部活動はもちろん、学校行事も思うようにはできず、周りの人との壁を感じつつ過ごしていました。その頃は、医療従事者の方にリハビリなどで支えていただいたので、そういった道に進みたいという夢もありましたが、体に不自由がある中では難しかったです。卒業はできましたが、就職も進学もできず、何者でもない自分に劣等感というか悲しい気持ちを覚えながらも、アルバイトやパートの仕事をして過ごしていました。
ところが接種から13年経った2023年の6月に、また突然歩くことができなくなってしまって、体の痛みも今までで一番ひどかったです。障害者手帳を取得して、 2024年の6月から障害者雇用としてお仕事をさせていただいています。雇用してくださることへの感謝はすごくあるのですが、やっぱりワクチンの副反応についてまだ理解されていないところがあるので、なかなか職場で自分の症状を伝えることもできません。
名古屋原告・落合晴香さん
19歳の時に学校で意識を失ってから記憶障害になり、 19歳より前の記憶をなくしてしまいました。同級生と一緒に卒業することや大学進学など、断念したことはたくさんありますが、やりたいと思っていたことの記憶もなくしてしまったのです。家族から聞いた話以外にも、本当はもっとやりたいことがあったかもしれません。それを知ることさえできないことを、今でも悔しく思っています。
落合さんや接種後の記憶障害については、下記の記事で取り上げています。
東京原告・平原沙奈さん
いろんな治療法を自分たちで探して試して、そのたびに希望を持ったり挫折したり、この10年以上頑張ってきました。だからこそ、確実によくなる方法を見つけたいですし、治療法を教えてほしい。健康な体を取り戻したいです。お願いします。お願いします。お願いします。治療法をください。それには何が必要でしょうか。私たちのもっともっとの努力でしょうか。何をすれば助けていただけますか。
原告さんたちのように、1人の患者に多様な症状が変化しながら重複して現れ、そのどれもが重篤な症例も、このワクチン接種前から心因性としてよく見られるものだったなら、なぜ医療機関は診療拒否をするのでしょうか。
九州原告・梅本美有さん
HPVワクチンの副反応症状が起こっ たことにより、思い描いていた未来も夢も、普通に学校に行ったり、働いたり、自立するということが未だにできていません。14年前に症状が出てからたくさんの症状が出てきましたが、昨年からまた脳がフラフラするような感覚がする新たな症状も出てきたりして、今後また他にどんな症状が出てくるんだろうと不安な気持ちでいっぱいです。
私たちは国が勧めるままにこのHPVワクチンを接種し、10年以上も症状に 苦しんでいますが、打った私たちでさえ「反ワクチン」と言われるような世の中です。被害者が堂々とHPVワクチンの副反応と説明することができず、多くの原告たちが自分の被害について語ることすらできないような状況にあります。
世の中はまだ、HPVワクチンの副反応症状について理解が追いついていません。ですが、国や製薬会社に勝訴して治療法を確立するためには、世の中全体がこのHPVワクチンの副反応症状について考え、被害者をこのまま放置してはならないという世論の後押しが必要です。この1年、私は倒れようとどうなろうと、命をかけて闘おうと誓いました。
梅本さんは、本当に命がけで闘っていると感じます。彼女やお母さまへの誹謗中傷も、非常に多いです。体調が悪い中でも闘い続けているのは、裁判で国と製薬会社の責任を明らかにし、治療法の開発や医療体制の整備など、真の救済を実現させなければ、体を元に戻す希望が見いだせないからだと思います。原告さんたちは、この10年以上の間、それほどの絶望を経験しているのです。
医療機関での診療拒否は、すでにコロナワクチン接種後の健康被害でも起きています(下記参照)。
今後も医療機関で適切な診察を受けるためにも、多くの人がこの問題に関心を持って判決の後押しをすることが必要です。原告さんや新たな被害者の方たちの声を聞く機会として、オンライン参加できるイベントもあります。申し込み方法などは、下記のページでご確認ください。




裁判の目的などについては、下記に書かれています。
裁判所宛
厚労省宛
電子書籍版(kindle)➡https://t.co/XfDZIkBVNA
— HPVワクチンの本当のことを知ってほしい実行委員会 (@hpv_hontou) September 24, 2025
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