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49話 制作小話 六代御前の墓 If the young nobleman were still alive 【六代御前編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~


逗子市の六代御前の墓にユウカが行った話がある。

実は、筆者も行っている。

六代御前様を勝手に物語に登場させている。
ご挨拶ぐらいはしておかないと失礼に当たるのではないだろうか。と


ユウカは鎌倉で乗り換えているが、筆者は大船で乗り換えた。
窓の外の景色を期待したが、ほとんど住宅地だ。
横須賀線を逗子駅で降りる。逗子駅は工事中である。
まずは、亀岡八幡を探す。



セオリが見知らぬ丘から歩いて帰ったとき、老婆から聞いた八幡様はここだ。

その日は、フリーマーケットが行われていた日で、境内は人がいっぱいである。

小物にしても、陶磁器にしても何やら古めかしい。
中には日本刀を置いている店まである。

八幡様に手を合わせた後、駒亀の写真を撮る。



京急の駅の踏切を渡り、川沿いを歩く。



この川が田越川だ。
六代御前の処刑地とされている。

良い天気で、散歩にはちょうど良い。道幅は狭く、車が来るたびに立ち止まる。
信号を越えて、さらに先である。
左側に大きな石碑が見えてくる。



その先に大きな樹がある。


六代山不動院兼神明社社務所にてもらった資料には以下のように記されている。


六代御前の墓伝説地
  (逗子市指定史跡)

古いツキケヤキと大きなタブノキの茂みの下にある六代御前の墓碑は、水戸の藩士斎田三左衛門尉平典盛(さいたさんざえもんのじょうたいらののりもり)が建てたもので、現在は氏子の方々が毎年七月二十六日に供養しております。
下桜山の地元にある歴史の一端にふれて皆さんでご参詣下されば幸いです。
田越川のほとりは刑場であったことから御最期川ともよばれ、六代御前は、このほとりで、正治元年(一一九九年)に処刑されたと伝えられています。
平家一門が壇の浦の戦で滅びた時、十二才ほどだった六代は平維盛の嫡男で平家の正統のあとつぎだったため、幕府に捕えられてしまいました。
その頃、高雄山神護寺の法師で文覚という人が、源頼朝とは伊豆に流されていた頃からの親しい間柄でしたので、幼い六代を哀れに思い、自分の弟子にするという条件で助命を嘆願してくれました。
嘆願がかなえられた六代は名を妙覚と改め、仏道に入って静かにくらしていました。その後十数年たち頼朝がなくなると幕府から、平家の子孫六代は「さる人の子なり、さる人の弟子なり、たとひかしらをば剃り給ふとも、心をばよも剃り給はじ」というわけで謀反の容疑を受けて捕えられ、駿河の国の住人岡部権守泰綱(おかべごんのかみやすつな)の手にかかって、あたら二十六才の若い命は絶たれました。
今も変わらず流れつづける田越川のほとりには、哀れな物語がいろいろ伝わっています。

逗子市教育委員会編「ふるさと・逗子」より




階段を登りきると、木々の影の中に小さな石の墓があった。
表面は風雨にさらされているが、「六代御前墓」と確かに読める。



筆者も墓に手を合わせた。

六代御前の墓の周りは静かである。
ただ、ここを訪れている人はいて、筆者の前に女性が一人、筆者の後に夫婦とみられる二人が訪れている。
ここが、知られているということなのだろう。

六代御前の墓を後にして、再び川沿いに戻る。

田越川の流れを眺めていると、六代御前が本当にここで最期を迎えたのか、確かめる術はないことに気づく。


吾妻鏡にある記載を要約するとこれだけになる。
「文覚が罪に問われて流罪となった際、その弟子である六代も捕らえられ、処刑された。」

日付も場所も記載がない。
ほかの六代御前を語っている部分では、かなり詳細なのにも関わらずである。

六代が本当にこの川辺で命を落としたのか、史料は多くを語らない。
逃れたという伝承もあれば、別の土地で僧として生きたという話もある。

もちろん、このこともAIに聞いている。
多くの議論を繰り返してみた・・・が、


つまり、
「処刑された」と断定する確実な証拠も、
「生き延びた」と断定する証拠もない
という状態です。



歴史は石碑のように動かない部分と、川のように形を変える部分がある。
六代御前は、その境界に今も立ち続けているのだろう。




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