50話 駐車場 In the Parking Lot Between an End and a Beginning 【波打際編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
勝上嶽を降りてくると、建長寺の広い駐車場に出る。
観光バスが何台も停まれるその場所に、青いフェアレディが一台だけぽつんと停まっている。
「迎えに来てくれたんだ」

車の中にはセオリとサクヤの姿があった。
ということは、ユリアとコノハを乗せれば
――ナビオの席はない。

「トランクにでも入る?」
セオリが声を上げて笑う。
こんなに元気なセオリを見るのは、久しぶりだった。

セオリはユリアに駆け寄って手を取る。
シンゴがいることに気づくと、さらに驚いたように駆け寄り、両手でシンゴの手を揺さぶった。
シンゴは照れくさそうに笑っている。


ユリアはセオリがお気に入りの助手席を譲られ、まだつけていた胴を外して車に積み込んでいた。
その姿を見ながら、シンゴがまぶしそうに言う。
「ユリア、かっこよかったな……惚れちゃったな……」
ニコニコしながら言ったあと、
「あ、ナビオもかっこよかったよ」
とってつけたように付け加える。
コノハが「ふふ」と小さく笑った。

「歩いて帰るね」
ナビオが言うと、セオリが自然にその隣へ並んだ。
フェアレディに近づいたシンゴは、乗る場所を探してきょろきょろしている。
「シンゴは後ろに乗れ」
「のれないよお……」
「未熟者め」

朝の光が二人の影を長く伸ばしていた。
まぶしいほどの光の中、

二人はここより先のどこか――
波打ち際へ向かって歩き出した。
つづく
次の話
前の話
YouTube_yukariyajp 波打際スケッチ Sketches of the Shoreline
高評価、チャンネル登録をお願いいたします。
いいなと思ったら応援しよう!
ご覧いただきましてありがとうございます。少しずつ進めていけたらと考えております。よろしければ応援いただけると嬉しいです。