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IMAX『魔女の宅急便』トンボはなぜ事故を起こしたのか?|テレビでは見えなかった細部と伏線

現在『魔女の宅急便』がIMAXで公開中である。昨年12月に『もののけ姫』IMAXが上映された際、金曜ロードショーの放送をテレビで見ているのとは全く違う映画体験をして衝撃を受けたので、今回も観に行った。そして、やはりテレビ放送では気づけなかったことに色々と気づいたので、まとめておきたい。

ちなみに、前回の『もののけ姫』は、IMAXの後、当時小4の長女を連れてドルビーシネマ版まで観に行っている。

今回は、魔法系の物語が大好きな次女(小3)を「アイマックスで魔女宅観よう」と誘った。「アイマックスのアイって何?目?私ってこと?」と聞かれた。どうやらデュオリンゴにハマっている成果が出ている。ちなみに、IMAXのIの意味は私も知らない。

開始10分で泣きそう

物語冒頭のこのシーンがとても好き

いかん、もうだめだ。開始10分も経ってないのに、涙腺の奥がキューっとなっている。

「お父さん、高い高いして。
 小さい時みたいに」

今夜旅立つという娘に、そんなことを言われたらもうダメだ。うちの娘たちがこんな可愛らしいことを言うとは思えないが、もしそんなこと言われたら涙腺が決壊してしまう。

横に次女がいなかったら、ボロ泣きしていたかもしれない。

しかし、そんな涙も引っ込むような事態が発生する。

キキの飛行、危うすぎる問題

13歳で独り立ちという、魔女のしきたりによって今まさに旅立とうとするキキ。見送りには友達のみならず、たくさんの村人が集まっている。キキとこの家族が、近隣の住民から愛されている証拠である。

Go Go キーキ!
Go Go キーキ!

母親に持たされた箒で飛び立つキキ。直後、庭の木にぶつかって鈴が鳴る。チリンチリンチリーン。別の木にぶつかってもう一回鳴る。チリンチリンチリーン。心配そうに母が言う「んもう、相変わらず下手ねぇ。」耳に手を当てている父が言う「大丈夫、無事いったようだよ。」

テレビ画面のサイズで見ていた時は、あんまり飛ぶのが上手くないなぁ程度の印象だったが、映画館のスクリーンで観るとだいぶ話が変わってくる。テレビとスクリーンでは高さの印象が全然違うのだ。物凄いハラハラする。はっきり言って非常に危険だ。せめてヘルメットくらい被ってほしい。

離陸直後は飛行が安定しないということ以外にも問題がある。ラジオの天気予報は大外れし、突如稲妻と共に大雨が降り注ぐ、滝のような雨である。雨も怖いがそれより雷が怖い。何もない開けた場所を飛んでいれば落雷の可能性がある。

飛行機は雷が落ちても電気は機体の表面を流れるだけで、内部には影響しない。そのため墜落したり、乗客が感電したりすることは基本的にない。しかしキキは生身である。当たれば黒焦げだ。

この後、貨物列車に乗り込み、翌朝貨車の屋根から飛び立つのだが、この際も木にぶつかってハデに回転している。

もう物語序盤で、二、三回死んでてもおかしくない。

ジジもよく掴まってられるなと思う

キキの母親は、あの子は飛ぶことしか覚えなかったと言っていた。この薬も私の代でお終いだと。お母様、オタクの娘さんは飛ぶしか能がないっていうか、飛ぶことすら怪しいです。

そもそも13歳で独り立ちという制度にも少々無理がある気がする。飛ぶのもまだ危なっかしい少女を一人で送り出すとは、魔女社会はなかなかスパルタである。

トンボの事故は起こるべくして起こった

IMAXとTVとでは、映画を観てる時の集中度合いが全然違う。TVでは気づかなかった音、画面の端々の書き込み、飛行船や建物など大きなモチーフの本来の迫力のみならず、セリフの意味、物語の解像度まで違ってくる。

キキが作っているパンケーキの箱には、「JIBURI NO HOT KEKI」と書いてあるし、ラジオから流れてくるのは英語だし、コリコの街では、車両は右側通行である。

もう一度言う。
コリコの街で、車両は右側通行なのだ。

…トンボ?

そう、トンボは左側の車線を通常より車幅の広いプロペラ自転車で爆走している。その上この道には歩道もない。つまり、猛スピードで逆走状態なのだ。案の定カーブを曲がった先で、対抗車両が出現。キキの魔法(?)で一度浮上し回避するも、その後トラックが来る。しかも、そのトラックを追い抜こうとする後続車両によって両車線が塞がれる。万事休すである。いずれにせよ正面衝突は不可避。キキもろとも事故死していた可能性が非常に高い。命知らずも大概にしろトンボ!

あの風は伏線だったのか

終盤、青い屋根のお家で、奥様にケーキをもらっていると、飛行船が強風により吹き飛ばされたというニュースが入る。テレビを見ている奥様が言う。

「夏に時たまこういう風が吹くの、
 じきここへも来るわ。」

このセリフを聞いてハッとした。

時たま…
強風…?

我々はこの強風を知っているのではないか。物語中盤でカリの群れを吹き飛ばし、キキをカラスの巣に落とした突風。

「時たま」、つまり、「ときどき」である。ある程度の時間を置きながら、不定期に繰り返されるということならば、トンボが宙吊りになる原因になったあの風と、キキを吹き飛ばした二つの風は、

どちらも同じ気象現象「夏にときたま吹くこういう風(強風)」である可能性がある。

キキの仕事はこれから大忙し

トンボを助けたことによって、デッキブラシの魔女として一躍有名人になったキキ。テレビで大々的に放送され、新聞にも載るのだろう。とんでもない宣伝効果が期待できる。

海岸沿いの丘陵地に建物が張り付いているコリコの街。長崎やサンフランシコのように坂の多いこの街ならば、上下にスイスイ移動できる魔女の宅急便は、キキにとって最適な職業だ。

舞台は夏だが、数ヶ月もすれば冬がやってくる。冬と言えばクリスマスシーズン。贈り物が増える。デッキブラシの魔女っ子に荷物を届けてもらおうと、グーチョキパン店の電話は鳴りっぱなしになるだろう。そのうち、自分で電話も引けるようになり、配達中でも注文も受けられるように電話番を雇うほどになるかもしれない。

ただ、冬の飛行は寒そうなので、ちょっと心配である。

コリコの街にも雪が降るのだろうか

テレビで何度も見た作品だが、外界から遮断された空間で、大きなスクリーンで観ると「物語」を受け取る自分の解像度が増幅される。

音。
建物のスケール。
登場人物の動き。
そして、一見何気ないセリフ。
キキのベッドの枕の上には、小さな写真のようなものまで描き込まれていた。テレビではまったく気づかなかった。

同じ作品でも、何年後かにもう一度観ると、自分の置かれた状況の違いでまた違うものが見える。父親目線で泣きそうになったり、無謀な自転車の運転にクラクラしたりする。

『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』がIMAX上映されたら、私はまた劇場へ行くだろう。

今度は、どんな「見落としていたもの」に気づけるのだろうか。

それでは、読んでいただきありがとうございました。今回使用した画像は全てジブリ公式のものを使用しました。


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魔女宅を見た影響で、あのシーンを再現してみたくなったのですが、小三女子でもかなり重いので、13歳の女の子を抱えたキキのお父さんは痩せ型に見えてあのシャツの下はだいぶマッチョです。

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