「You make me weak(あなたたちは僕を弱くする)」
Rolling Stone誌は神
Rolling Stone誌のBTS個人インタビューはさらっと流していこう……と思っていたのに、ジミンちゃんの話が刺さりすぎてまた長くなってしまった回です( ;∀;)
Rolling Stone誌の個人インタビュー(一部)
Interviewer:
『they don't know 'bout us』は本当に良い曲ですが、どのように参加することになったのか教えてもらえますか?
Jimin:
ある夜、仕事の後にRMヒョンと話をしていて、その会話の中からあのフレーズが出てきたんです。
最初のフレーズは、実は「You make me weak(あなたたちは僕を弱くする)」でした。それが、僕がファンに伝えたかったことだったからです。
皆さんが僕たちを形作り、まるで僕たちがとても素晴らしい人間であるかのようにいつも扱ってくれるから、僕たちには成長する余地がない。「あなたたちは僕たちを弱くしているようだ」という、その感情を表現してみたかったんです。
「They don't know about us(彼らは僕たちのことを知らない)」という言葉は、最初はそういう議論の中から生まれた言葉でした。
そこから、他のメンバーの考えも取り入れる形でもっと多様な話になっていきましたが、元々は「僕たちがどれほど弱い人間か、誰も知らない」というアイデアから始まったんです。「You make me weak」という言葉から、そうやってアイデアが発展していきました。
この話を聞いて、考え込んでしまったARMYは多いのではないでしょうか。私もそうなりました。
ジミンちゃんにとっての曲作り
これはとても個人的な推論になるのですが……
私は、ジミンちゃんは「FACE」「MUSE」を通して曲作りの面白さに目覚め、周囲もそれを応援して今回一曲任せたんじゃないかと思ってるんですよね。
バンタンにとって「曲を作る」というのは、自分を深掘りしてさらけ出すことに直結してる側面があると思います。
また歌詞の方向性で言うと、HIPHOP色が強いラップラインは憤りを歌うが、別ジャンルへ行くことが多いボーカルラインは基本歌わない、という違いがはっきりしています。
それが影響するのか、前者の歌詞には「社会と僕たち」へのフォーカスが紛れ込むのですが、後者は「君と僕」視点が非常に強い、という傾向も感じられます。
この方向性の交わるところにいるのがジミンちゃんで、「FACE」はラプラ寄り、「MUSE」はボカラ寄りのアルバムである、という見方もできるんじゃないかと思います。面白いですね!
ジミンちゃんはお手紙書くのが好きなように内省的な部分があるので、そういう方向に向いてると思うのですが、表現の方向としては「あなたが見たいものを見せたい」という理想追求型に見えるので、折り合いのつかない時期があったんじゃないかと予想しています。
これは方向性の違いなので優劣ではないのですが、理想追求型の人が内面さらけ出し方面へ行く場合、一回ファンに対して「見たくないかもしれないけど見せます」って腹をくくる必要がある気がします。
私は「FACE」を作る過程で彼はそれを選んでおり、その系譜から生まれたのが『they don't know 'bout us』で、だからこそ今回のような発言も出てきたのではないかと想像します。
静かだけどかなり大きな変換点だったようにも感じますし、表現者として欲が深くなったことでいっそう面白いものを出してきそうな予感もします。
You make me weak(あなたたちは僕を弱くする)
私たちはアイドルに多くの夢を見ます。
時には、本人には眩しすぎる姿を投影してしまうかもしれませんし、そのままのあなたでいて欲しいと願う言葉は「変わらないで」という圧として響いてしまうかもしれません。
何故なら、ファンの愛とアンチの攻撃は、グクをコントロールしようとする力になりうるという点で同じ「外圧」だからです。自分自身を支える枠組みの強さがないと容易に流され、他人の言葉や評価に依存しやすくなります。
そこで「でも僕は変わる」と踏み越えていくのがグクなら、一度受け止めて悩むタイプの人がジミンちゃんだったんじゃないかと想像しています。
これは単なる個性の差なのですが、自分の受け止めとしては彼が一番ファンに寄り添うタイプなのでそうなるだろう、と思っています。
ジミンちゃんの言葉はファンに責任を負わせるものではなく、ただひたすらに降り注ぐ愛情や憧れといったキラキラした感情の前に、「自分たちは完璧ではない未熟な人間である」という事実がかき消されそうになるという戸惑いを表現したものではないかと思います。
We just big boys, a.k.a. 촌놈
Oh it’s hard and that we cannot explain
自分たちはただの田舎者に過ぎないのに、
ああ、でもそれを上手く説明できないんだ
世の中、イエスマンに囲まれた人が増長してダメになる話はゴロゴロしており、それくらい人はそうなりやすいです。
しかし彼はそれに抵抗しているわけで、他のメンバーの言葉を聞いていても、ジミンちゃんと議論したナムさんを始めバンタン全員がそういう感覚を共有しているように感じます。
この違和感こそが、彼らの謙虚さや飽くなき向上心を支えているのではないでしょうか。
この言葉をどう受け止めるか
私にとっては、この言葉はジミンちゃんが表現者として一皮剥けたということを意味します。
彼の場合、とてもしっとりした情感と繊細な感受性や優しさが印象的なのですが、同時にわりと強烈な反撃力を持っているように感じます。ダメだと思った時撥ねつける鋭さがすごい。
ジミンちゃんはすごく優しくて、泣いてるメンバーがいたら真っ先に駆けつけてくるくらい周りをよく見てるんですが、その能力がある人は自分や他人のダメなところにも気づきますよね。要するに観察力があるってことですから。
彼の鋭さは、優しさと同じ源泉から来てるんだと思います。
ジミンちゃんは学校ではずっと「長」のつく役目をやってきたくらい、真面目で責任感があって努力家なので、そういう人が「気づき」スキルを持ってると、イライラしやすくなると思います。
そう思うと、若かった頃のジミンちゃんが、グクとテテに「その怒りっぽい性格どうにかならない?」って言われたエピソードも、納得なんです。
でもあまりそれを表に出す方ではなく、「FACE」でも自分に向けて出していたように見えます。
扱いを間違えるとARMYを傷つけてしまうかもしれない部分について、ジミンちゃんが人前で言及したというのは、彼が強さや自信を持ち、また「そういう話をしても理解してくれる」とARMYを信頼することに決めた、ということなのだと思いました。
それは私にとって、映画「BREAK THE SILENCE」で受けた印象が上書きされることを意味するため、安堵すら覚えます。
映画の中のコメントで、一番歯切れが悪かったというか、自分の中の整理がついてない印象を受けたのが、ジミンちゃんでした。
他の人の言葉と違って、ジミンちゃんの言葉はまだ続きそうなんですよね。結論までたどり着けてない書きかけの文章みたいで、行間にまだ何か潜んでるんですよ。「。」を付けていいのかどうかわからない。
ジミンちゃんが自分の話を楽曲の中に吐き出し始めた時、ナムさんと似ているけど異なる彼の視点は、バンタンの楽曲に今までにない色を与えると思います。
肉厚のナイフみたいなラプラの鋭さにメスみたいな細やかさが加わるだろうと想像すると、ぞくぞくしますね!
私たちがこういう話を聞く時、大体アーティストはもうそれを消化し終えて次の段階へ行っています。曲にもして昇華できたからこそ公開できる、という面があるんじゃないでしょうか。
実際どう変化するかは、今後のアルバムが物語ってくれるでしょう。第二章は、皆一回り強くなってニューゲームの気配がしますね。応援しています!
本編インタビューもお楽しみに!
ちなみにインタビューが掲載されている「Rolling Stone Japan」の発売は6/25!
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