テニス上達メモ615.納得感が集中力を高める
集中できない根源的な原因は「不安」。
考えておけば安心できると思うほど、思考は未来へと向かうでしょう。
不安をなくそうとするのではなく、そこから逃げて今に戻る体験を繰り返すことで、集中する力が育っていきます。
▶集中力を破壊する要因
なぜ集中できないのでしょうか?
大もとは、不安です。
これを覚えておかないと、忘れてしまう。
あれを心配しないと、失敗しそう。
結果について考えてしまうのも、ボールが飛んで行く先へ「目飛ばし」してしまうのも、やっぱり不安だからです(関連記事:打つ瞬間に目を早く離すのでミスが多い)。
そういう不安が、思考(雑念)をどんどん湧かせます。
▶「納得感」が役に立つ
では、集中するにはどうすればいいでしょうか?
不安からは、逃げるが勝ちです。
「そんなの無理!」とお思いかもしれません。
恋もお金も、追えば逃げ、逃げれば追われる――なんて私も言いますけれども、ここでいう「逃げる」は、それとは違います。
不安を追い払おうとするのではなく、不安について考えることからひとまず逃げて、結果的に不安と上手につき合うためのコツ。
差し当たってできること。
これからの未来について不安になる(考える)より、今に集中したほうが上手くいくと、ある程度「納得」しておくことが役立ちます。
▶「覚えておかなければ」という不安
「これを覚えておかなければ失敗する」「考えておかないと上手くいかない」という不安は、誰の心にもあります。
それらを忘れてしまって大丈夫と、「納得」する。
今に集中していれば、それらを必要なときには思い出せるし、むしろ考えないほうが上手くいくという納得感です。
思い出せなかったとしたら、それらは今の人生に、必要なかったのです。
▶考えるときと、考えないときを分ける
とはいえ最初はどうしても、「忘れないようにしよう」「考えておかないと大変だ」などという不安がよぎります。
ですから、計画を立てるときはちゃんと事前に「考える」のです。
そしていざ、本番になったらもう考えない。
本番中にもよぎったら「いや、今に集中したほうが上手くいく」とリセットして、また集中。
この逸れては戻す体験の繰り返しにより、集中体質は育まれます(関連記事:「逸れては戻す、逸れては戻す」の繰り返し)。
▶言葉にならない不安もある
「言葉にならない不安」もあるかもしれません。
それらを「忘れる練習」です。
今に集中したほうが、ずっと上手くいくと。
そのために準備段階では、気になることについては事前に考え抜いて、出し切っておく(関連記事:堀内恒夫が「大暴投」した理由)。
しかし、忘れても忘れても、次から次へと不安は襲ってくるかもしれません。
そうしたらまた、忘れて今に集中。
そのために役立つのが、今に集中したほうが上手くいくという「納得感」なわけです。
▶「考えたってしゃーない」が腑に落ちるまで
やることは単純。
この繰り返しです。
不安は「キリがない」ですが、ある程度今に集中する体験が蓄積されると、不安感は薄れてきます。
そのほうが上手くいくという合理性。
そのほうが上手くいったという経験値。
すると「考えたってしゃーない」が腑に落ちます(関連記事:「考えたってしゃーない」は本当だった)。
不安を客観視できて、怖れる対象ではなく、機能的なアラートとして役立てられるようになります(関連記事:不安は機能的な役立つアラート)。
▶不安になる心を許す
そのためには、まず強がらないで、不安に気づき、認めるようにします。
そうして不安になる(なりたい)私たちの弱い心を許して、受け入れてあげると、不安と和解できるイメージです。
「不安になんかなってない!」などと否定するから、ますます手強くなるのです。
▶人の心は心配したい
今に集中するって、最初は怖いのです。
考えておいたほうが安心する。
ネガティブ思考も安心したいための思考活動でしょう。
人の心は未来を心配したいのです。
▶ボールに集中する怖さ
ボールに集中するって、端的に言えば「前を見ない」わけですから、まるで目隠し・手探りで、動くような怖さがあるのです。
狙うコースや相手のポジションは「勘」が頼り。
だけど、そのほうがテニスは上手くいくと「納得」するのです(関連記事:ノールック打法は効果絶大でした)。

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テニスゼロ代表 吉田無型(よしだ・むけい)
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