質問1563:ボールに焦点を合わせてよくみる事がおろそかになっている感じがする
※事情により一部編集しています。
吉田様
リターンとストロークで※※※※※をつぶやきながら試合をしてみましたが、ボールに焦点を合わせてよくみる事がおろそかになっている感じがします。スライスを使う頻度は減りました。
両方考えるとうまくいきません。
サーブはやはりタイミングがあわず素振りの3割くらいしか振れません。
セカンドサーブのつもりで打ったファーストサーブが入らないとセカンドの自信が持てず入るか入らないか不安なまま打ってしまいます。
この場合セカンドサーブで考えることはファーストサーブと同じ意識で打つしかありませんか?
相手の球が遅く余裕があってもあまりコースをつけず何とかフットワークで勝つようなテニスになります。
安全にコートに入れにいってしまう傾向があります。
回答
▶イッパツで逃げのスライスが減った
『テニス・ベースメソッド』を再購入されて初めての週末ですから、おそらくお試しいただいた第1回目のテニスだと思います。
スライスで逃げる頻度が減ったぶん、ご所望いただいていたトップスピンによる返球は増えたかと拝察いたします(残る球種といえば基本的に、フラットorフラットドライブ、百歩譲ってサイドスピンくらいだからです)。
▶『ベースメソッド』だとボールに集中できない?
ご質問にお応えしてまいります。
まずは「ボールに焦点を合わせてよくみる事がおろそかになっている感じ」につきまして。
『ベースメソッド』の目次から「現実に対するイメージの一致が必要。その次のステップとして、集中」の項目を紐解き、以下に引用してみます。
先ほど「ある程度」と、あえて、申しました。
というのも、※※※※※へ意識が向く以上、そのぶんは、ボールから集中が逸れます。
しかしそれは、100ミリリットルの基準線を用いて、ビーカーにピッタリ水を注ぎ入れる作業と同じで、基準線を無視していくら水量だけに集中しても、(100ミリリットルのイメージがあやふやなうちは)、ピッタリにはなりません。
水量に「ある程度」集中しながら、ビーカーのラインに意識が向く。
それと同じです。
逆に言えば、今まで上手くいかなかったとすれば、水量には集中していたけれど、100ミリリットルの基準線がない、あるいは、あやふやだったから、タイミングよく打とうとしても、ミスしていたと言い換えられます。
まず、現実に対するイメージの一致が、ベースとして必要。
そのうえで、ボールに集中するというステップを踏みます。
なのでテニスの上達はすべからく、第1段階として、「現実に対するイメージの一致」を図るべし。
そして第2段階として「ボールに集中」する。
この「順序が大事」です。
『究極のテニス上達法』よりも『テニス・ベースメソッド』を先におすすめしているのは、それが理由です。
つまり「両方考えるとうまくいかない」と仰せなのは、いい軌道に乗っていらっしゃる証左で、同時にやって上手くいったとしたら、何か間違えていらっしゃるか、単なるマグレ。
ご自身は「そうではない」ので、上手くいっているのです。
▶『ベースメソッド』は「オーマイゴッド」!?
とはいえ『ベースメソッド』をお試しいただいた第1回目。
おそらくご自身が 県3位の実力者で、もともと「現実に対するイメージのズレ」が少なかったぶん、その「感動・驚き」は控えめであったと拝察いたします。
初中級者はもちろん、中上級者でも大抵、「え、何これ!?」「まさか?」「ウソでしょ……」「オーマイゴッド!」などと驚かれるものですから、ね。
▶フェデラーでさえ、イメージがズレるとミスをする
『ベースメソッド』でもお伝えしているとおり、練習と試合の違いや、サーフェスの種類、対戦相手の体格から受ける影響、あるいは1本前に打ったショットの印象によっても、 イメージはぐらぐら揺らぎます。
この揺らぎが限りなく少ないのが、プロテニスプレーヤー。
彼ら、彼女らのプレーに肉薄されますよう、何卒精進なさってください。
とはいえそれでも、イメージは揺らぎます。
動画最初のロジャー・フェデラーによるエラーは、「現実に対するイメージのズレ」であり、1分24秒から始まる錦織圭の場合は解説者が言っているとおり、単に「太陽が重なった」ことによるミスです。
https://youtu.be/vvjKnE4Fc1E
両者の違いに「なるほど~」とご納得いただけるはずですから、『ベースメソッド』を通じて見ると、テニス観戦も一層楽しくなるでしょう。
▶「理解したつもり」に陥らない
前回のメール回答でもお伝えしたように今はまだ情報のストックがあまりないから、理解した「つもり」になっている内容が残るのも、ワーキングメモリのしばりがある以上、人として当然です(関連記事「『読み方』にもコツがある。一生ものの勉強法!」)。
何回転も(何度も)読み直しをしていただければと思います。
好きなアニメでも、2回目3回目……10回目と見るごとに、「新しい発見」や「気づかなかった面白み」が見つかるのと同じです(関連記事「『風の谷のナウシカ』でストック効果に気づく」) 。
▶「不安」とどう向き合うか?
サービスがなぜ不調なのか?
「入るか入らないか不安なまま打ってしまいます」と仰せのとおり、ご自身も原因は分かっていらっしゃいます。
不安になるのは、ダメなのではなくて、集中できていないことを伝えてくれる心による機能的なシグナル。
ファーストサーブが不安定だから、不安になり、不安になるから、さらにセカンドサーブも不安定になる悪循環です。
これは私たちが対峙する「人生の課題」ともいえる大きなテーマですが、不安とどう向き合うか?
▶不安は機能的な役立つアラート
不安の感情は、未来がどうなるか分からず、現状が危ぶまれていることを知らせてくれる機能的な役立つアラートです(下記は有料記事ですが、明日までの期間限定で無料公開としていますので、それまでにどうぞご確認をお願いいたします)。
https://note.com/tenniszero/n/nb125be2ac714
大地震がくる不安があったりするから、 家具類の転倒・落下防止や、出火時の消火、飲食料品等の備えができたりもするのですね。
▶「不安と不安定」の切っても切れない関係?
ところがこの不安が、「暴走しすぎる」のはなぜでしょうか?
ご自身のサービスでいえば、不安になるから、慎重にはなれる。
だけど慎重になりすぎるあまり、3割程度でしか振れなくなる。
機能的で役立つはずの不安のせいで、逆にパフォーマンスが落ちているのです。
▶「好循環」に乗り換えるために
そうなるのは、心による厄介な性質ゆえ。
心は「刺激的でさえあれば何でもいい!」とばかりに、不安になって「気持ちいい」と錯覚したいのです(関連記事「不安になりたい!」)。
未来と不安は「セット」であり、今と安心は「仲良しペア」。
今に集中すれば、不安がなくなるからサービスが安定し、サービスが安定すれば、不安がなくなる好循環に乗り換え可能です。
▶プロが100パーセント実践する「落ち着くための儀式」
さて、では集中するには、どうすればいいでしょうか?
そのためにサービスで用意されているのが「ボールバウンシング」です(関連記事「『ボールバウンシングで集中する」)。
なぜプロも(私の知る限り例外なく)ボールバウンシングするのかというと、落ち着かないからです。
言い換えれば、やらないと落ち着かず、言ってみれば不安だからです。
おそらくご自身も ボール突きは実践されていると思いますけれども、 不安がよぎるとすれば、集中できていない証左。
それが証拠にご自身もテニスに限らず、何かにキーンと集中しているとき、不安など微塵も感じなかったご経験がおありかと思います。
あらかじめ回数を定めずに、ボールをコートに突く間、ずーーーーーっとボールの毛に目のピントを合わせ続けて集中力が高まるのをお待ちください。
10回でも20回でも。
▶「対戦相手を待たせるのは悪い」というディスリスペクト
たとえば集中力の高いノバク・ジョコビッチですら、事前に回数は定めていません。
https://youtu.be/I72qi_tAwL4
集中力が高まるのを待ち、何回も何度でも繰り返します。
この時(タイムバイオレーションにさえ抵触しなければ)、「対戦相手を待たせるのは悪い」などと心配する必要はありません。
それは、 対戦相手の寛容度を低く見積もっている「ディスリスペクト」。
つまり「悪い」などと罪悪感を覚えるならば、反比例の相関である「自己肯定感」のほころびが垣間見える瞬間なのです(関連記事「他者も『加点方式』で見る」)。
▶「巌流島の戦い」本当の理由
ちなみに「巌流島の戦い」は、佐々木小次郎を待たせてイライラさせることに成功した宮本武蔵による心理戦とだけ解釈されがちかもしれませんけれども、私の見立てによると、宮本武蔵が佐々木小次郎を「リスペクト」していた自己肯定感の高さによる勝利です。
テニスゼロがnoteに移管する前、ウェブサイト時代だったころに掲載していた過去のメール回答例から引いてみます。
戦う時間を待たされた佐々木小次郎は、
「遅い!」といってイライラし、怒ったからパフォーマンスが落ちました。
いつも申し上げている通り、
怒りは確かに力がみなぎるような感じはするのですが、
そのエネルギーはかなり粗雑で、
集中すべき対象への集中どころではありません。
そのような状態では、宮本武蔵の剣先もよく見えなかったでしょう。
ここでいう「見える」とはもちろん、
テニスボールでいう毛羽や回転が見えるレベルのクリアな見え方です。
また、この状態の佐々木小次郎は、怒りに集中していたとも言えます。
ですので、宮本武蔵の細やかな動きなど感じ取れるはずがありませんでした。
佐々木小次郎は宮本武蔵が来るのが「遅い!」といって、
ディスリスペクトの姿勢だったから負けたのです。
一方の宮本武蔵は、佐々木小次郎をリスペクトしていたのは明白です。
何しろ、「待ち合わせ時間に遅れても怒らないだろう」という寛容度の高さで、
佐々木小次郎を見積もっていたからです。
そのような場合、佐々木小次郎に対して怒りはありません。
その分エネルギーを、相手の剣先をクリアに見るために使えたし、
佐々木小次郎の動きを、細やかなところまで感じ取れたと推測されます。
リスペクトとディスリスペクトとの間には、さような心理状態の開きがある。
このような時、勝負は戦う前からすでに決まっていたと申せましょう。
▶『ベースメソッド』でフットワークはアクティブになる!
コースをつけない今後の課題はさておき、お伝えいただきました「フットワークで勝つようなテニス」は、悪くありません。
なぜなら『ベースメソッド』が上手く機能すると、無駄な動きがなくなりますが、ボールに向かって一直線で突っ込んでしまう(先の動画のフェデラーの)ような 誤った動き方にはならないぶん、フットワークはアクティブになるからです(関連記事「『バンビ』とたとえられたシュテフィ・グラフ)。
https://youtu.be/SgGlINjiEHU
いかがでしょうか?
まさに『ベースメソッド』が伝える原則どおりの動き方になっていることが確認できると思います。
またこちら「足が攣るのは望ましい兆候?」でも述べているとおり、テニス上級者は、試合後は、歩けないほどの疲労困憊であり、かたやテニス初心者は、試合後も涼しい顔、なのです。
ですから、「フットワークで勝つようなテニス」は、誇っていいと思います。
今回の回答は以上なります。
また何かありましたら、いつでもご連絡いただければと思います。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
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