テニス上達メモ543.「恐怖」を「実験」に変えるとき──大谷翔平と山本由伸、ここから始まるドラマ
MLBワールドシリーズ第1戦、「We don’t need you!」の大ブーイングを浴びた大谷翔平。それでも「野球愛」といって打席に立ちチームを牽引した。明日第6戦では山本由伸が「いつも通り」に「いつも通り」と言い切る。恐怖や緊張を、どう「実験」や「好奇心」に変えるのか? 「死に比べれば」──ヤニック・シナーの教えに、その答えがある。
▶恐怖も嫉妬も、人生の「体験版」
こちらで「テニスは人生の縮図」と言ったのは、コート内では喜怒哀楽のほか、不安や嫉妬、劣等感、緊張感、絶望感など、ありとあらゆる感情を体験できるからです(関連記事「テニスは何でもあり! 『スローハード』から『ツーナイン』のドラマまで? 」)。
これが人生の宝。
「いや、不安の感情なんか宝どころか、欲しくもない!」などと、思うかもしれません。
だからゲーム化して、「ここからまくったら、さぞ気持ちいいだろう!」というスリルを楽しむのです(関連記事「スリルは『集中力のスイッチ』になる」)。
これが、恐怖心から好奇心への転換。
ブーイングもまた、愛の証。
MLBワールドシリーズ第1戦、大谷翔平は移籍先として選ばなかったブルージェイズのアウェイで「We don't need you(お前なんかいらない)」などと、大合唱のブーイングを受けたのでしたね。
ただ 大谷に言わせれば「それも含めて野球に対する愛」なのだそうですよ。
そして今日の第5戦は、初回先頭打者から2者連続本塁打。
わずか「3球で2点」を挙げたのでした。
ブルージェイズが32年ぶりに王手をかけたのでしたね。
▶ピンチは「実験」だと思ってみる
さてここからが、恐怖心から好奇心への転換でしょう(関連記事「人生=実験場──ノーベル賞から学ぶ『好奇心でテニスを変えるヒント』」)。
テニスは、ポイント0-40や、ゲームカウント0-5になってからが「お楽しみ」。
ピンチになって「もうだめだ」ではなく、「ここから逆転したらさぞ気持ちいいだろう!」のスリルを楽しむのです。
それは、どうなるかの「実験」です。
明日第6戦もやっぱり「いつも通り」という先発予定、山本由伸の好投が注目されます(関連記事「山本由伸『いつも通り』。MLBワールドシリーズでも平常心は『作らない』」 」)。
▶ピンチを笑う『大ピンチずかん』
『大ピンチずかん』という話題の絵本を、ご存知でしょうか?
「自転車がドミノ倒しになった」大ピンチレベル『97』とか、「テープの端は見つかったけど、爪を切ったばかりではがせない」レベルが『11』などの例があります。
「数値化」すれば、客観視(他人事のように見る)が可能(関連記事「心の『アラート』を受け取る」)。
「最悪だ」「もうだめ」などと主観的に思うから、相対化できずに苦しみます。
『大ピンチずかん』、ピンチや失敗に落ち込むのではなく、笑い飛ばす「ユーモア」と「勇気」をもらえます。
▶客観視すれば、人生はゲーム
人生はゲームなのに、なぜ「苦しい」のかというと、自他を客観視しないから(関連記事「メモ魔・山本由伸の『黒いノート』」)。
逆に言うと、客観視すると、人生はゲームなのです。
すると楽しめるようになるから、「人間っていいな」「やり取りって楽しいな」と、自然に思えるようになってくる(関連記事「勝てる、伝わる、気楽になる──テニスで磨くコミュニケーションとタカラジェンヌのすごみ」)。
敵視するのが最もパフォーマンスを下げるのでしたね。
相手も味方も含め、生きとし生けるものを「みんなええやつ」と思うほど、パフォーマンスは上がるのでした(関連記事「仲間を信じることが『無敵』の秘訣」)。
▶「死に比べれば」──恐怖が笑いに変わるとき
「死に比べれば」というヤニック・シナーの教え(関連記事「『最悪、ただ負けるだけ』──ヤニック・シナーが教えてくれた恐怖の消し方 」)。
それに比べればテニスがプレーできるだけで幸せと思う「足るを知る」幸福感が、スリルにもましてメンタルパフォーマンスを高めてくれるのです。
とはいえ、それだけでは片手落ちですよ。
その前に「現実に対するイメージのずれ」を是正 しておく必要があります。
整ったイメージという土台の上に、集中力という建物を築けば、いくらでも高くできるのですから。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero