サロン楽屋話053:勝てる、伝わる、気楽になる──テニスで磨くコミュニケーションとタカラジェンヌのすごみ
強打がなくても、「返す」人が勝つ。相手の嫌がるところを「突く」のも、立派なコミュニケーション。言葉だけでなく、沈黙や目線、身振りも大切な「やり取り」です。「いい人すぎて言えない」あなたも、テニスを通して「伝える力」が磨かれる。フォームは「文法」。けれど、勝負を動かし信頼関係を築くのは、「心のやり取り」。
▶文法は覚えても、気持ちは通じない──語学の先の「心の壁」
インドネシア人兄弟による流暢な日本語の語学習得、および言いたいことを言えなかった青年がロックバンド「オアシス」にインスパイアされた学びから、コミュニケーションについての「本質」が、見えてきたと思います。
あえて「文字の問題」はクリアといったのは、26文字のアルファベット(文法)を覚えたからといって、「コミュニケーションの問題」までクリアされるわけではないからです(関連記事「『当たり前』の外に出ると、見えるものがある」)。
私たち日本人だって、五十音を知っているからといって、コミュニケーションができるわけではない。
「オアシス」に憧れた日本語堪能な青年が、「言いたいことが言えない」悩みを抱えたのはなぜでしょうか?(関連記事「『言いたいことが言えない』も、ちゃんとした悩み」)。
▶しゃべらなくても「通じ合う」──やり取りの本質
言語・非言語を問わず、コミュニケーションの本質は双方向の「やり取り」です。
先に言っておくと「やり取り」とは、仲良くするばかりではなく、距離を置いたりする関係性も含まれます。
ですから人付き合いが苦手、あるいは人見知りであったとしても、取り立てて「ハンデ」になりません。
べらべらしゃべるばかりがコミュニケーションではない。
旗手の武豊さんが、天皇皇后両陛下主催の「秋の園遊会」で、佳子さまより「馬との信頼関係をどう作っていかれるのですか」と問われると、「馬と話せたらいいなと思います。馬がどういうことを考えているのかな、というメッセージを感じてあげようと思っています」と答えたのでした。
これも心温まる非言語コミュニケーションですね。
▶「伝え合う」ことで自他を尊重できる
では、コミュニケーションの機能とは?
自分の趣味趣向を伝えて知ってもらうのが、コミュニケーションです。
逆に相手の趣味趣向を知らせてもらうのも、コミュニケーションです。
それによって、自分がしてほしいこと、してほしくないことについて、相手は知ることができます。
逆に相手にしてあげたいこと、しないほうがいいことについても、気を配れます。
お互い尊重し合える。
そうした人間関係が、自己肯定感を育みます(関連記事「他者を肯定するのは『自分のため』」)。
▶「自分がそうだから」は危険──思い込みが関係をこじらせる
「自分のしてほしいことを相手にもする」「自分のしてほしくないことは相手にしない」という耳障りのいい教えは、案外危険です。
人それぞれ趣味趣向は違って当然だし、それは、私たちは超能力者ではない限り、伝え合わないと分からないはずのものだからです。
なのに、何となく「自分がそうだから」という主観で、相手にすること、しないことを、決めつけてしまいがち。
だから、人間関係がざらつくのです。
決めつけると、後述するテニスにおいても、「無力」を感じる原因になってしまいかねません。
「ショットはいいのになぜか勝てない」と感じたことは、ないですか?
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero
