テニス上達メモ560.なぜ今、世界のトップは「諦める」のか?──大逆転劇とノーベル賞授賞式が示すヒント(連載その1)
大逆転王フリッツも、ノーベル化学賞 の北川進先生も、選んだのは「向き不向きを明らかにする」諦め。嫌い・不得意はあっていい。好き・得意を伸ばすと道は開ける──そんな当たり前の事実が、トップの実例で腑に落ちます。いま苦しんでいる人ほど救われる、「諦める=明らかにする」実用のヒント。
▶フリッツと北川進──2人が体現した「諦める=明らかにする」
こちらで取り上げた2025年グランドスラムの大逆転劇第1位、フリッツの「諦める」について、ノーベル化学賞受賞、京都大学・北側進先生の弁がその通りだと思いました。
受賞式に先立ってスウェーデンのノーベル博物館を訪問するなど、公式行事で大忙しだったといいます。
現地の日本人補習校を訪問し、子どもたちに語りかけました。
「今勉強してて嫌いなものいっぱいある。いっぱい嫌いなものあってもいい。だけど好きなことはあるはず。好きなことを絶対ばっちり突き詰めていくというのがまず重要」
これが「諦める」。
諦めるの語源は、「明らかにする」なのでしたね。
▶嫌い・不得意にこだわらなれば、努力効率は最大化する
私たちはスーパーマンではありません。
人ですから、好き嫌い、得手不得手はあって当然です。
その中で、嫌い・不得手は諦めて(明らかにして)、好き・得意をばっちり突き詰めていく。
これが諦めることの威力(最小の努力で最大の結果を出す効率)とお伝えしました(関連記事「時間と体力と気力とお金は、有限」)。
フリッツが、落としたセットにこだわっていたら、次は取れません。
サッサと諦めたからこそ、今・これからのポイントに、全集中できたのです(関連記事「『浮かれず、落ち込まず』──人生もセットはリセット」)。
▶隣の芝は青く見える。でも青い鳥はここにいる
「足が速いだけなんて能がない」などといって、ブルーカラーを否定し、ホワイトカラーに憧れてウォール街を目指していたら、世界一になれていたかどうかは、定かではないのです(関連記事「それでも『ウォール街』を目指すか?」)。
だけど隣の芝生は青く見えるものだから、自分にはない強みや魅力に憧れて「自分探し」なるものに出かけるのが「青い鳥を探しすぎる心理」(関連記事「『赤線』を引いて目立たせる意味がなかった本」)。
人それそれ、強みや魅力の素質は、すでに持っているのです。
▶「塾」へ行かずに楽しんだ北川進先生
北川先生の言う「好きなこと」。
私はそれが別に、仕事になってもならなくても、いわんやお金になってもならなくても、何かを受賞できようとできまいと、どちらでもいいと思います。
それを何のためにやるというより、それをやることそのものが、人生を充実させます(関連記事「テニスが上達する『たった2つ』」)。
生きる目的なんて(きっと)ないのだから、楽しく過ごせれば、それでいい。
楽しくと言っても、ガハハと笑うだけが楽しみではありません(関連記事「『嘘つき』と、いつも一緒にいませんか?」)。
哀愁漂うバラードだって、それを聴くのはまさか、哀れになりたいからではなく、「楽しむ」ためですよね。
そう思えば(客観視すれば)、喜怒哀楽のどれをとっても楽しめます(関連記事「感情は感じる、でも感情的にはならない」)。
ちなみに北川先生曰く
「受験勉強らしい勉強はほとんどしませんでした。塾も家庭教師も、先生に質問に行くこともありません。ただ、自習する習慣がありました」
とのこと。
関連記事は「塾に行かずともできる子たちと、安青錦スピード昇進の相関」です。
連載その2に続きます。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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