泉鏡花、まさかの「畠芋之助」時代─『牡丹灯籠』と『高野聖』で味わう明治の話芸
近況です。
11日間、記事の更新が止まってしまいました。
noteを始めてから、初めてのことです。
特別なことがあったわけではありません。
本業に集中していました。
記事の貯金を作っていない(というより、作れていない…)ので、忙しくなると、書く時間がそのまま消えてしまうのです。
11日のあいだに読んでいた二冊
noteに向かう時間が削られる代わりに、読書だけは続けていました。
三遊亭圓朝『怪談 牡丹灯籠』を音読し、泉鏡花『高野聖』を読む。
どちらも、すごく面白かったです。
明治初期の「語りの呼吸」を、まとめて浴びたような日々でした。
三遊亭圓朝『怪談 牡丹灯籠』─岩波文庫の速記本を音読する
圓朝は岩波文庫の速記本で読みました。
これは明治の速記者が圓朝の高座をその場で聞き取って文字に起こしたものです。
つまり、紙の上に「話し言葉」がそのまま残っている。
声に出して読んでみると、これがすごいのです。
語彙が豊富で、息継ぎの位置が自然で、きれいにリズムよく音読できる。
ただ読むだけで、話の筋がすっと頭に入ってきます。
「このレベルの話芸が本当に存在したのか」という驚き
正直、本気で驚きました。
このレベルの話芸が、明治の高座に本当に存在していたのか、と。
塾で教えていると、生徒に文章を音読させる場面がそれなりにあります。
プロの噺家でなくても、音読しやすい文章とそうでない文章の違いには敏感になるのです。
その目で読んでも、圓朝の文章は別格でした。
「言文一致」の基礎を作ったひとりとされるのも、納得です。
泉鏡花『高野聖』と「畠 芋之助」というペンネーム
続けて読んだのが、泉鏡花『高野聖』です。
調べていて知ったのですが、鏡花は20歳のころ「畠 芋之助」という筆名で、新聞小説『冠彌左衛門』を発表しているのです。
「鏡花」の号そのものは、師の尾崎紅葉が入門時に与えたものとされています。
ただ、初期にはこの「畠 芋之助」というペンネームも並行して使っていたそうです。
幻想美の極北「泉鏡花」と、土のにおいのする「畠 芋之助」。
「泉鏡花」で本当によかった、と心から思いました(笑)
鏡花のテンポは、落語より講談に近い
『牡丹灯籠』のあとに『高野聖』を読んだせいかもしれません。
鏡花の文章にも、「落語」のテンポを感じました。
ただ、調べてみると、鏡花が影響を受けたのは落語というより講談だったようです。
言われてみれば、たしかに落語の軽妙さよりも、講談の朗々とした語りのほうが、鏡花の高密度な文体には近い気がします。詳しくはわかりませんが。
そのあたりを意識してみると、明治の小説がぐっと立体的に見えてくるような気がします。
止まったままの下書き
更新が止まっていた11日間、下書き自体はひとつ完成していました。
これはイラストを生成する時間がとれず、そのまま放置してしまっていました。
その前のねづっち解法の記事にしても、最後の「ととのいました」の部分だけで半日かけてしまいました。お笑い芸人は本当にすごいですね。
ChatGPTのイラスト生成が、Geminiを超えてきた
このあいだに、AI周りの状況も少し変わっていました。
note記事のアイキャッチ画像づくりで、ChatGPTのイラスト生成がずいぶん使いやすくなっています。
これまではGeminiの方が扱いやすかったのですが、現時点ではChatGPTに分があるように感じます。
AIの進化は、本当に目まぐるしい。
しばらく触らないあいだに、勢力図が変わってしまいます。
「国語 作者の気持ち」が、検索1ページ目に上がっていた
もうひとつ、嬉しいニュースがありました。
スマホとPCの両方で「国語 作者の気持ち」と検索すると、以前は3ページ目にいた記事が、1ページ目に上がっていました。
これは、なかなか感慨深いです。
ただ、ビュー数だけを見ると、その「続き」にあたる記事のほうが伸びているのです。
いったい、どんな検索ワードで読まれているのでしょう。
ちょっと不思議に思っています。
ストック記事を、これからも増やしていきたい
検索からじわじわ読まれる記事─いわゆるストック型の記事を、もっと書いていきたいと思いました。
文学史記事は他の記事が手ごわいので難しそうですが、国語そのものを語る記事で1ページ目を狙っていきたいです。
書く時間が削られる時期はどうしてもあります。
その分、寝かせて熟成する記事があってもいい。
そのあいだも、スキやフォローで支えてくださっている方々がいました。
その期待に応えなければと思いながら11日間を過ごしていました。
本当にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
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