国語の選択問題は、選択肢を見る前に勝負が決まる─問題作成者の視点で解く方法
前回の記事で、こう書きました。
「ねづっちではなく問題作成者になりなさい」
だからといって、実際に問題を作る必要はありません。
大事なのは、「この問題はどうやって作られたのか」をたどりながら解くことです。
問題作成者は、こうやって問題を作っている
まず、問題がどう作られるかを考えてみましょう。
問題作成者はまず、本文の中のわかりにくい箇所に傍線を引きます。
次に「この傍線部の答えは何か」を考えます。
ここで大事なポイントがあります。 このとき、選択肢はまだ存在しません。
つまり問題作成者は、選択肢のない状態で、本文だけを根拠に答えを作っているのです。
問題を解く最初の受験生は、問題作成者自身とも言えます。
その答えを完成させてから、バレにくいように言い換えて「正解の選択肢」にします。
そして最後に、正解に見えそうな「誤答の選択肢」を並べて完成です。
問題作成者は、いわばデザイナーです。
どこに落とし穴を置き、どのルートが正解かを、最初から設計しています。
誤答は「ただ間違っている」だけじゃない
誤答の選択肢は、魅力的に作られています。
ぱっと見ると正解っぽいのに、よく読むと微妙にずれている。
これがプロの仕事です。
よくあるずれ方のパターンはこのとおりです。
本文の一部だけが合っていて、残りがずれている
原因と結果が逆になっている
「一部」なのに「すべて」と言いすぎている
本文には書かれていないことが混ざっている
こうした選択肢は、本文を確認せずに読むと非常に魅力的に見えます。
SNSで「いいね」を押す前にファクトチェックをしない状態と、よく似ています。
一点だけ使える小技をお伝えすると、選択肢の中に対比的な二つが含まれているとき、そのどちらかが正解の可能性があります。
反対の意味の選択肢を作るのも、誤答の定番パターンだからです。
ただし時間切れ寸前の最終手段として使ってください。
選択肢を見る前に、自分で答えを作る
では実際どうすればよいか。手順は5ステップです。
① 傍線部と問いを確認する
まず傍線部と設問の文を読みます。
「何を答えるべきか」を頭に入れておきます。
② 選択肢を見ずに本文に戻る
ここが一番大事です。
選択肢は読まずに本文へ戻ります。
③ 根拠となる部分を探す
傍線部の前後を中心に、答えの根拠になりそうな箇所を探します。 きれいな文章にする必要はありません。線を引くだけで十分です。
④ 自分なりの答えを作る
「この傍線部はつまりどういうことか」を、頭の中で言語化します。 メモ書き程度でかまいません。
⑤ 同じ意味の選択肢を選ぶ
自分が作った答えと、意味が重なる選択肢を選びます。 正解は本文の言い換えなので、言葉が違っても意味は一致するはずです。
授業でよく見る「もったいない解き方」
塾でこの話をすると、生徒の反応はだいたい二種類に分かれます。
「なるほど、やってみます」という生徒と、「先に選択肢を見た方が早くないですか?」という生徒です。
後者の生徒ほど、選択問題で点を落とし続けます。
早く解こうとして、プロの罠に正面からぶつかっているのです。
前回の記事で説明した「ねづっち解法」は、まさにこの状態です。
選択肢から逆算して「ととのいました!」とやっているうちは、本当の意味で解けてはいません。
問題作成者の視点で逆にたどる。
傍線部 → 本文の根拠 → 自分の答え → 選択肢との照合。
この順番が身につくと、選択問題と記述問題の両方が、同じ解き方でできるようになります。
以前間違えた問題があれば、ぜひこの視点でもう一度解き直してみてください。
今回のような「解き方の考え方」をまとめたマガジンがあります。
国語文章問題の解法の考え方 傍線部問題・選択問題・記述問題について、「どこを根拠にするか」「選択肢をどう切るか」を中心に解説しています。 「読み方」ではなく「解き方」に特化した記事です。
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