転生したら桐生一馬だった件。【ドラマ「龍が如く~Beyond the Game~」】
どうも、まろん亭奏字と申します。
「龍が如く」というコンピュータゲームがございます。
1作目が2005年にプレイステーション2のソフトとして発売され、2025年現在、ナンバリングタイトルとしては8作、外伝などを含めると20作くらい作られている人気タイトルです。
今回はAmazonプライムで配信されたドラマ版についてお話したいと思います。
原作は大人気ゲーム「龍が如く」。
最初、Playstation2で発売されたこのゲームは、シリーズを重ね、現在、8作のナンバリングタイトルといくつかの番外編が出ています。
私は1作目の頃からのファンで、ほとんどすべてのタイトルを遊んでいます。だから、大きな期待を胸に視聴を始めたのですが、オープニングのキャラの名前が出るところから、そのフォントを見て「ああ、コレはゲームとはもう別なんだな」とはっきりと原作との決別を感じました。
物語は、桐生ちゃんと錦山が孤児院仲間の女の子たちと一緒にヤクザの金を奪うというエピソードからスタート。
確かに、原作ではあまり語られていない期間ですからね。いいチョイスです。私の記憶が正しければ、公園みたいなところで風間の親っさんにぶん殴られる回想シーンだけ描かれていたかと思います。
「まあ、そんなこともあったかもね」という気持ちで観ていたら、翌日、金を盗まれた組のヤクザが孤児院(名前は出てないけど、「ひまわり」だよね?)に乗り込んでくる。
うわー、昭和。
そこに颯爽と、いや、なんかふんわりした感じで登場する風間の親っさん。桐生は錦山、女の子たちと一緒に堂島親分のところに連れて行かれます。
堂島を演じているのは「帝都大戦」で加藤と戦った加藤雅也さん(なんかややこしいな)。私の知っている堂島組長はパンチパーマにヒゲを生やしたザ・ヤクザみたいな人だったので、「うわー、かっこいい」と惚れそうになりました。
なんだかんだで桐生と錦山はヤクザになります。それに腹を立てる風間。「あ、これ、原作で観たシーンだ。親っさんが桐生殴るところだよね」とワクワクしていたら・・・・・・殴らない。
えっ、殴らないの? たぶん、ここが特異点。
このシーンを境に、ドラマ版は独自の時間軸に向かって突っ走っていく。時は流れ、2005年。刑務所で体を鍛えまくっている桐生。
面会にやってくる変なチンピラのお兄ちゃん。……と思ったら、なんとこの人が伊達さん!?
原作では刑務所の中でケンカするシーンとかもありましたが、そのあたりはカット。ようやく出所した桐生ちゃんは、刑務所の外で待ち受けている東条会のコワイ人たちといきなりバトルします。
そこで、原作ファンなら一度は見たことのある、顔面壁ズリズリの技、登場。ちょっとテンション上がりました。
が、その後は2005年と1995年を行ったり来たりの、いっこうに行き先の見えない話が延々続きます。正直、別に「龍が如く」じゃなくてもいいんじゃね?というストーリーで、まあ、それはそれで原作とドラマは別物だからと、それなりに見れたりはするんですが、ちょくちょく差し込まれる「原作ネタ」が逆にノイズになって全然、集中できないんです。
花屋とか、このドラマにはマッチしてないんだからもう出さなきゃいいじゃん。遥さえ、いなくてもいいんじゃないかという空気。
軸がまったく見えん。
というか、原作への愛がまったく感じられんのよ。
有名IPに乗っかって、自分のやりたいことやらせてもらいまっせ、みたいな態度が透けて見えるわけ。
だったらもう、「主人公桐生」「舞台は神室町」以外、全部捨てて欲しいというのが原作ファンの率直な感想ですね。
中途半端に嶋野とか冴島(っぽい人)、出さんといてくれる? そういう意味では、完全に別物と割り切った実写版「進撃の巨人」のほうが潔い。
これじゃあ、龍が如くごっこ、「龍が如くが如く」だよ。
これがネトフリだったらなあ、と思いました。
ネトフリだったら、「三体」みたいに大胆に原作改造しても、そこそこ面白いドラマが出来たんじゃないかと思う。
アマプラってネトフリに比べ、「観てください」という気持ちが足りないのがイヤなの。
「観るよね、当然。だってあんたらの好きなIPでしょ?」みたいな態度がムカつきます。
それに比べ、ネトフリはちゃんと「商品を届けよう」という気持ちが感じられる。それは、「全裸監督」しかり、「地面師たち」しかり、「極悪女王」しかり。通信販売の片手間でやってるアマプラさんとは本気度が違うのよ。ただね・・・・・・。
青木崇高さん演じる真島は良い。
三池が如くの岸谷真島も良かったけど、それでも「俳優が真島っぽく演じている」という域を出ていませんでした。
ところが、青木さんのは、セガがキャラモデルを提供して合成しているんじゃないかというレベルで真島だった。
聞くところによると、青木さんはゲームもしっかりプレイされているとのこと。
これが愛ですよ。やっぱり愛がなくっちゃね。愛がありすぎて、よくわかんなくなっちゃった仮面ライダー映画もありましたけど。どこか原作に愛とまでは言わないけど、ある程度のリスペクトがないとダメなんじゃないかと思います。
かなり原作と違った話にしているのに「サイレントヒル」(1作目)が評価されているのってそういうことでしょ? 他人のフンドシは大事に扱わなきゃ。
もう1人、佐藤浩市さん演じる世良会長(っぽい人)もよかったですね。なんかここだけ、台詞回しとかも「GONIN」みたいになっちゃってた。
俳優陣はね、いいですよ。桐生感はないけど、竹内君は頑張っているし、賀来賢人さんの錦山も「永遠のナンバー2感」がそれっぽくて好きです。あと、なにげに中山ひなのさん演じるミホがかわいいのよ。堂島組メンバーも、ゲームに出てくるヤクザよりもきちんとヤクザしててすばらしい。ゲームになかったところは、僕の中では総じて評価高いです。
後半は原作ゲームと決別し、独自の物語を紡ぎ始め、見ているこちらも、赤シャツで白ジャケットの桐生一馬と名乗っている同姓同名で、たまたま同じ極道の世界に入った人の話なんだ、と割り切ったからなのか、まあまあ楽しめました。
「これ、いるんかなあ?」と思っていた「悪魔」の存在。その謎が解かれ、錦山の過去が明らかになった時、「ああ、これは錦山の話だったんだ」とようやくすべてが呑み込めた気がしました。
というか、遅いよ。いや、長いよ。「地面師たち」や「極悪女王」もそうだけど、アンコに到達するまでが長い。
別に6話とか8話とかにする必要なくない? 「復讐のレクイエム」もそう。2話くらいからジム争奪戦でもよかったじゃん。
韓国ドラマはそのあたりが実にうまい。「イカゲーム」もそうだし、「もうすぐ死にます」もちゃんとアタマから尻尾までアンコが詰まっている。無駄がない。
まあ、それはともかく、あんなに再現度高かった真島の兄貴も後半、ほとんど出番なく、話は「いかに錦山が闇落ちしたか」に焦点が当てられ、そこからはまあまあ面白くなっていった。
結局、「龍が如く」じゃなくてもよかったよね、という感想は変わらないけど。
やっぱりゲームのあの話はゲームだから面白いのであって、確かにミレニアムタワーが爆発するだの、眼帯ヘビ柄ジャケットの人がドス持って暴れ回ったりするのは、リアルだとちょっとヘンだよね。
なまじ、「リアルっぽい」からドラマにしやすそうだけど、逆にゲームゲームしている部分がミスマッチになりがち。
三池版はそこを逆手に取って、面白くしていたけど、あれは三池さんにしかできない芸当。「ヘルドッグス」の原田眞人監督ならもしかして・・・・・・というのはありますね。
あと、亡くなってしまったけど、「GONIN」の石井隆監督とか。
真島や花屋の中途半端な描き方を考えると、原作ファン向けの客寄せパンダとしては機能していたけど、最初から出さないほうが物語としてはまとまったのではないかと思います。
というわけで、このドラマは竹内涼真君主演の「転生したら桐生一馬だった件」というラノベだった、ということで自分の中で結論付けることにしました。
今回はドラマ版「龍が如く」についてお話させていただきました。
それでは、また。
「龍が如く~Beyond the Game~」
2024年10月配信開始
日本ドラマ
脚本: ショーン・クラウチ、中村勇吾
出演: 竹内涼真、賀来賢人、河合優実
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