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日本映画っぽくない日本映画を撮る稀代の監督・原田眞人

どうも、まろん亭奏字と申します。

私は映画を監督で観るというのはあまりないのですが、数少ない例外の1人が先日お亡くなりになった原田眞人さんでした。

初めて監督の映画を拝見したのは「ガンヘッド」という30年くらい前に公開されたSF映画でした。

当時はまだ原田監督の作品として意識していたわけではなく、実写版「ガンダム」という謳い文句の割にはあまりロボットが活躍しないし、全体的に画面も暗いし、日本語と英語で会話が成立していたりと、変な映画という印象しかありませんでした。
ただ、音楽は好きで、サントラも買いましたね。

それから10年くらい経って、「金融腐食列島【呪縛】」という映画を映画館で観ました。
全然予備知識もなく、ただ新聞広告を見て直感的に面白そうだと感じて観に行った気がします。

経済オンチの上に、台詞が聞き取りづらく、お話はほとんど理解できませんでしたが、とにかく画がかっこよく、台詞まわしがイカしていて衝撃を受けました。
もちろん、DVDも買い、もう10回以上は観ていると思います。

主演は役所広司さん。バブルが崩壊し、金融破綻でピンチに陥った銀行を4人の中年銀行員が立て直しに一役買うという話でした。
役所さんの他に椎名桔平さんや仲代達矢さん、風吹ジュンさんなども出演し、あと遠藤憲一さんも出てらっしゃいましたね。
私はこの映画で中村育ニという役者さんを知り、以来、ファンになりました。

あまりに話が難しかったので原作も読みましたが、全然話が違っていて、それもそのはず、「金融腐食列島」という小説はシリーズもので、何作も出ていたんですね。どうやら私が読んだのは映画の原作になっている呪縛ではなかっただけでした。

とにかく、この映画で原田眞人という映画監督を初めて意識して、その後、「突入せよ!あさま山荘事件」や「クライマーズ・ハイ」も観ました。「クライマーズ~」は本当に好きで、もう何回も繰り返し観ていますね。

やはり原田監督といえばハリウッド仕込みの短いカットをテンポよく繋いだスピード感ある演出ですよね。
あと、独特の台詞回し。

月並みな表現ですが、ちょっと日本映画っぽくないんです。
日本映画にありがちな説明過多なところや、過剰な泣かせの演出もない。
だからからっとしていて何度観ても胃もたれしないんです。
勢いで見せる監督ですね。

ただ、その勢いがうまく噛み合わないこともあって、司馬遼太郎先生の小説を原作とした「関ヶ原」と「燃えよ剣」は自分的にはいまいちノれませんでした。

あと、テーマとして、「父なる存在との対決」というのがあると思っていて、「金融~」や「あさま山荘」、「クライマーズ」の頃はそれが色濃く出ていたのが、年を取ってご自身が父なるものになってしまってからはちょっと勢いが感じられなくなった気がします。

それでしばらく原田離れしていたのですが、彼の監督作と知らずに映画館で観た「ヘルドッグス」が完全に私の好きだった頃の原田節で、オープニング、「なんか原田監督の映画みたいだな」と思っていたらクレジットに「原田眞人」と出てきて、「あ、やっぱり」と思いましたね(笑)。

「クライマーズ」でも感じましたが、原作の料理法がめちゃめちゃ上手い人だと思います。
たいてい原作モノをやると、忠実に再現しようとするか、全く無視して独自路線を目指しがちですが、原田監督はちゃんと原作を活かしつつ、そこにうまく自分色を出して、1本の独立した映画として仕上げてくるイメージがあります。

「ヘルドッグス」も映画を観た後、原作を読んだんですが、完全に自分の映画にしつつも、素材の良さをちゃんと活かしていてお見事と思いましたね。
なんか同じようなタイプの映画監督がパッと思い浮かばず、あの日本映画っぽくない作り方が一代限りの芸風となってしまったのが残念です。
もしかしたらあの技を継承している方がいらっしゃるのかもしれませんので、これから先、ポスト原田眞人みたいな人が出てくるのかもしれませんけどね。

というわけで、今回は希代の映画監督、原田眞人さんについてお話ししました。

それでは、また。


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