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同人オタクが新人女子プロレスラーにハマった話 第六話 『オタク、仕事帰りに府立第二へ駆け込むってよ(Day1編)』

こんにちは、さんせ三世です。

第一話では
限界原稿中にたまたま流れてきたデビュー戦の映像をきっかけに「あ、この人のこと追いかけたいかも」と一瞬で“推しスイッチ”が入った瞬間や、そこから X アカウントを作って本気で応援を始めるまでの気持ちの流れを書いています。
「推しとして心をつかまれた」という意味での“はじまりの回”です。

第二話では
「サイン会ってどんな感じなんだろう?」という不安を抱えながらも、思い切って初めてのサイン会に参加
列に並ぶドキドキや、実際にあんね選手を目の前にしたときのテンパり具合をほぼ実況のテンションで綴りました。

第三話では
怪我からの復帰戦を配信越しに見守りながら、気づけばボロ泣きしていたオタクの記録として、「令和7年組」や対戦相手の浜辺纏選手のこと、そして入場からバクステコメまで「帰ってきてくれてありがとう」の気持ちがあふれた夜を振り返っています。

第四話では
ついに念願の“初・生観戦”として大阪大会へ。
座席ガチャや入場コール、場内の熱気に完全に飲まれつつ、配信では見えなかった角度から感じたリング上の金屋あんねという存在のまぶしさを書き残しました。

第五話では
年末〜年明けの東京遠征編として、仕事や創作と折り合いをつけながら東京へ向かい、新宿FACEの空気、遠征オタクならではの疲労と多幸感、そして「大阪からでも、このリングを追いかけていきたい」という
ちょっと覚悟めいた気持ちが固まっていくまでをまとめています。

そして今回・第六話では……
『オタク、仕事帰りにSTARDOMを観に行くってよ』として、仕事終わりに大阪府立第二へ駆け込んだ一日を軸に──
鹿島沙希選手への「ありがとう」と「寂しい」が同時に押し寄せる気持ち
金屋あんね選手を“推しとして”追いかけ続ける視線
・そこに電撃移籍の伊藤麻希選手まで重なって、胸の中の感情がいい意味でカオスになっていく感じ

そんな全部をごちゃまぜに抱えながら、それでもやっぱり「金屋あんね選手を追いかけるオタクの観戦記」として、いつも通りちょっと大げさな温度で書き残していきます。



■仕事帰りのSTARDOMは楽しいか?楽しいだろうなあ...楽しいに決まってんだろ!


大阪府立第二で大会が二日間通しで行われる──と聞いた瞬間、私はまず二日目を休みに押さえました。
ただ、一日目だけはどう足掻いても出勤日
土日関係なくシフトが入る仕事なので、「これはもう仕事帰りに行くしかないな」と腹を括り、ちょっとだけ早上がりさせてもらうことにしました。

■人生初の"推しうちわ"制作

初めての推しうちわ

その少し前、推しボードを制作した際に余ったモールを活用して、推しうちわを前日にこっそり作っていました。
とはいえ、そのまま職場に持っていくにはさすがに気恥ずかしいし、何よりモールがかさばる。なので、うちわはトートバッグの中にそっと忍ばせて出勤することにしました。


■Day1

Day1の出来事を書き進める前に、「この二人の話だけは先にさせてほしい」と思っています。
スターダムを好きになったきっかけをくれた人と、今またプロレスというものを新しい角度から照らしてくれている人
鹿島沙希選手と伊藤麻希選手、その二人についてまず少しだけ綴らせてください。

■鹿島沙希選手の引退

この大阪二連戦の直前、後楽園ホール大会で4.26横アリ大会にて鹿島沙希選手が引退する事が発表されました。

実は、私にとっての「スターダムの入り口」は鹿島選手です。
それまでにも何度かスターダムに触れる機会はあったのですが……「2期生の鹿島沙希だ!」と、大江戸隊(現H.A.T.E.)相手に名乗り、復帰した2018年の大会を配信で観たとき
「こんな儚くて華奢な方がレスラーなんだ……!?」
と、雷に打たれたみたいに心を掴まれました。なので、鹿島選手には他の選手とはまた少し違う、特別な思い入れがあります。

そんな鹿島選手が、この大阪二連戦の一日目でお渡し会を開催することに。
もちろん私も行きたかったのですが……仕事の都合でどうしても会場入りがギリギリになってしまい、列に並ぶことができませんでした。断腸の思いで断念。

ただ、第二話でも書いたサイン会で、実は鹿島選手のレーンにもちゃっかり並ばせていただき、そのとき
「鹿島選手のおかげでスターダムにハマりました」
と、どうしても伝えたかった言葉を直接お届けすることができました。
ご本人からは「えっ!?めっちゃ古参じゃん!!嬉しい〜!!」と笑顔で返していただき、その一言が今も胸の中でずっと光っています。

鹿島選手にサインをいただいたポートレート


だから今回は、より多くの“キモオタ”(=「鹿島選手を気持ちよくしてくれるオタク」という愛称)さんたちに、お時間が回りますように。
そう願いながら、私はお渡し会を諦めて会場入りすることにしました。

改めて、この場をお借りしてお礼を言わせてください。
鹿島沙希選手、私にスターダムの魅力を教えてくれて、本当にありがとうございました。



■生の「伊藤ちゃん」初観戦


そして同じく後楽園大会では、元・東京女子プロレスの伊藤麻希選手が、STARDOMへの電撃移籍/正式所属を発表しました。


元々伊藤選手のことはかなり前から名前だけは追っていて。
伊藤選手がアイドル活動をしていたLinQ時代からの伊藤ちゃんオタクの友人に
「伊藤ちゃんはいいぞ!」
と耳タコになるほど勧められていたのがはじまりです。


東京女子時代には筆者が好きなアイマスともコラボしていましたし、私が好きなGCW(デスマッチ主体の海外インディー団体)にも参戦していたこともあって、「ちょっと気になるレスラー」として何度か触れてはいました。
とはいえ、本格的に東女での活動を追えていたわけではなく、私の中では
「東女といえば伊藤ちゃん」
というイメージが先行していた状態でした。

そんな伊藤ちゃんが、STARDOMに専属契約で参戦──と聞いたときの驚きと嬉しさたるや。

実は年末から流れていた謎のVTRの時点で、私は半分確信しながら
「これ、絶対伊藤ちゃんでしょ!!」
とひとりで盛り上がっていました。

それからというもの、年末はずっと伊藤ちゃんの入場曲である『Brooklyn The Hole』をSpotifyで聞き倒し、レスポンスも完璧に予習。

オタク側の迎え撃つ準備も、バッチリ整えて大阪府立第二へ向かったのでした。

ここで少しだけ、伊藤ちゃんについて補足させてください。

伊藤麻希選手は、入場の際に自身のテーマ曲『Brooklyn The Hole」を歌いながら
(といっても、実際にはほぼ口パクに近い形で)花道を進んでくるのが、大きな魅力のひとつです。

「世界一可愛いのは〜?」
\伊藤ちゃ〜ん!/

というコール・アンド・レスポンスやマイクパフォーマンスと、入場そのものがセットになった“完成された伊藤ちゃんワールド”で、客席のボルテージを一気に引き上げてくれます。

そして、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、筆者は基本的に、推しであってもレスラーは「一人のプロレスラー」として選手呼び(〜選手)をしたいオタクです。
ただし伊藤麻希選手に関しては、ご本人がかねてより「伊藤ちゃん」呼びを推奨していることもあり、本稿からは敬意を込めて例外的に「伊藤ちゃん」表記で統一しています。


■ 府立第二、しばしのお別れカウントダウンへ


そんな鹿島沙希選手"伊藤ちゃん"こと伊藤麻希選手がそろって出場する、今回の大阪・府立第二大会。
実はこの会場、全館改修に入るため、この二日間と2.7の第一でのビッグマッチ、そして2月末の第二競技場での大会を最後に一年間使用出来なくなります

スターダムのビッグマッチでもたびたびお世話になってきた会場が、しばらく見納めになる——。
そう思うと、カード発表の時点から

「これは一試合ずつ、ちゃんと噛みしめて見なきゃな……」

と、ちょっとしんみりした気持ちで当日を迎えることになりました。

そして当日。
ハイスピード戦線の如く仕事をスパパパパーンと片づけると、そのまま爆速でエディオンアリーナ大阪へ向かいます。

道中、改めてちゃんと全カードを眺めていると、さらっと書かれているけれど気になって仕方ない対戦カードが一つ。

そう、関西人4WAYバトルです。


安納サオリ選手(大津市出身)
vs
天咲光由選手(京都市出身)
vs
HANAKO選手(京都市出身)
vs
さくらあや選手(神戸市出身)



もしここに、負傷欠場中の大阪出身・儛島エマ選手まで揃っていたら……
「どこの仁義なき戦いだ?」と言いたくなるような、関西オールスター戦線になっていたことでしょう。

「開幕《あけ》ろ!大阪決戦や!!」

なんてコピーでポスター風イラストを描こうかなと、くだらないことを考えているうちに、最寄駅に到着していました。


■ 会場入りと、鹿島選手お渡し会の大行列

そんな“センチメンタルさ”と“カオス”がごちゃ混ぜになった気持ちを抱えたまま、私の心の中では
「今度こそ“コーナー違い事件”(第四話参照)に決着をつけられますように」
と、ひとりでリベンジマッチのゴングを鳴らしていました。

会場内に入ると、ちょうど鹿島沙希選手の入場曲『victory road』が流れていて、そのBGMのすぐ近く──なんと自分の席のほぼ真横で、お渡し会をしている鹿島選手の姿が目に飛び込んできました。

大阪のキモオタさんたちと触れ合える残り少ない機会だからか、列は見事な大長蛇
てっきり別スペースでの実施だと思っていたので、至近距離で鹿島さんがニコニコとファンと喋っている光景に、まずびっくりしてしまいます。

ギリギリお渡し会が終わる前に会場入りしたので、本人とはほぼすれ違い。
それでも、列に並ぶファン一人ひとりとちゃんと目線を合わせて会話している様子が、とても印象的でした。


■ 赤コーナー側の席と、“抜扇”の準備


この日の席は、赤コーナー寄りのブロック。
プロレスのセオリーでいえば、赤コーナー=王者側、青コーナー=挑戦者側というのが伝統です。

「葉月選手、王者側だよな……? ってことは、もしかしてあんね選手、めちゃくちゃ近いのでは……?」

そんな淡い期待を抱きつつ、そっと座席に腰を下ろします。

ほどなくして、Xに 「第2試合までYouTubeで無料配信!」 の告知。
この時点でオタクは悟るわけです。

「あ、これ第二試合にあんね選手くるやつだ」

ここからは、いつでも“抜扇”できるように準備タイム。
推しうちわをトートから取り出して、会社用バッグの影にスタンバイさせ、

「ここから先は、“抜刀”ならぬ“抜扇”のタイミング勝負だな……」

と、一人で決戦前みたいな顔をしていました。

前説には、壮麗亜美選手と妃南選手が登場。
プロレスのルールについての解説と実践ということで、声援を送ろうというくだりで発生した大「妃南」コールに対して

「こんなコールされたことないから嬉しい〜(笑)」

と、妃南選手がちょっと照れくさそうに笑っていたのも、いいウォーミングアップになりました。


■ DAY1・CMLL女子日本王座前哨タッグ


さて、肝心のDay1でのあんね選手のカードはこちら。

◆タッグマッチ
葉月 & 金屋あんね
vs
オリンピア & 古沢稀杏


まずはパートナーの葉月選手
コグマ選手とのFWC(Fukuoka W Crazy)としてタッグ戦線を駆け抜け、シングルでもハイスピードからトップ戦線まで幅広く戦っている、STARDOMの“ワイルドカード”的存在です。
現在はSPARK女子ワールド&CMLL女子日本チャンピオンという2冠選手でもあります。
ご本人は自分の気質を「不器用」と言いますが、フワちゃん選手の師匠であり、再デビュー戦の対戦相手も務めるなど、その不器用さごと頼もしさに変えてしまうタイプのレスラーです。

その葉月選手の前に立ちはだかるのが、CMLLから来日中のオリンピア選手

筋肉バルク全開!「力こそ正義!」を体現するようなパワーファイター。
リングネームの由来は……

「オリンピアに出場したい」

からオリンピア──という、ストレートすぎる夢の宣言。
新宿FACEで至近距離で見た上半身の厚みは本当にえげつなくて、飯田沙耶選手とのタッグで放つ合体技の破壊力は、思わず笑ってしまうレベルでした。
しかもお父様もご姉妹もレスラーという生粋のレスラー一家。説得力の塊です。

そして、あんね選手の対角に立つのが古沢稀杏選手。

あんね選手と同じ令和7年組の同期で、デビューはあんね選手の二ヶ月後。
ただし、あんね選手が欠場していた期間もリングに立ち続けていたため、試合経験という意味では一歩リードしている存在です。

「サブミッション・ブラスト」という異名の通り、どこからでも関節を取りにくるサブミッションのスペシャリスト。
その由来は、矢沢あい先生の『NANA』に登場するバンド「BLACK STONES(ブラスト)」へのリスペクトで、コスチュームにも矢沢作品のテイストが色濃く反映されています。(筆者も矢沢あい大好きオタクです)


さらに、ツインテールと赤チェックという共通項から、先述の伊藤ちゃんに強烈な“ロックオン”を受け、
「伊藤リスペクト軍団」への圧の強い勧誘を食らっている最中。
Day2では、矢沢カラーと伊藤ちゃんワールドを融合させた、ある意味とんでもないタッグを組む予定でもあります。

一回りどころかほぼ二人分はあろうかというバルクのオリンピア選手。
どこからでもサブミッションを極めにくる稀杏選手。
パワーもテクニックも兼ね備えたタッグに対し、こちらは百戦錬磨の葉月選手と、まだ初勝利前のあんね選手

「葉月選手が隣にいてくれるなら、大丈夫だろう……!」

そう自分に言い聞かせながら、私はこの試合を“あんね選手の初勝利候補の一つ”として心の中でそっとマークしつつ、ゴングを待つことにしました。

(※この試合はSTARDOM公式チャンネルで無料公開されていますので、ぜひ上記から実際の映像でご覧ください


■ 試合ざっくり振り返り(超コンパクト版)


試合全体で一番胸を打たれたのは、やっぱり金屋あんね vs オリンピアの攻防でした。

明らかに一回りどころか“二人分”ぐらい体格差のあるオリンピア選手に対して、あんね選手は真正面から何発もドロップキックで飛び込んでいきます。

葉月選手とのダブルドロップキックやボディスラムを狙おうとして逆に抱えられそうになった瞬間、そのまま飛び乗ってスリーパーを極めるなど、大車輪の活躍でした。

受けても受けても前に出ていく姿と、パワーでねじ伏せにくるオリンピアのぶつかり合いは、まさに
「ハイスピードに行きたい新人」「世界レベルのパワーファイター」の真っ向勝負でした。

最終的な勝敗こそ王者側の黒星でしたが
「このクラスの相手にもここまで食らいつけるんだ」
という事実を、府立第二のど真ん中で証明してみせた一戦だったと思います。


■ 0.5秒で推しうちわを持ったオタクがバグった話


……で、ここからは完全にオタクの勘違いかもしれない話です。
これは入場時に私が見た幻ということにしといてください。本気で……オタクのキショ思考なんざ見たくない!という方はマジで飛ばしてください。
わりと真面目に言ってます。頼みます。


自分のいる東ブロック側に近づいてきたとき、私はまだうちわを胸の前でぎゅっと抱えたままでした。

「ここで出さなかったら、一生“初うちわ”の瞬間は来ないぞ……!」

そう思い切って、タイミングを見計らってスッと頭の横まで掲げたそのときです。
金のモールがライトを反射して、キラキラッと光った──ような気がしました。

次の瞬間、あんね選手の視線がふっとこちら側に流れてきて、ぱぁっと笑顔になる。
そのままリングロープに手をかけて、くるんと身体をひねりながらリングイン。


完全に真正面。うちわ越しに、こっちを見て笑っている。

もちろん、プロレスラーは視線を細かく覚えているわけじゃないし、あの瞬間の笑顔が「私」に向けられたと断言するつもりもありません。
でも、うちわを握っていたこちら側からすると……

「いまの一連、ぜんぶ見てくれたよね……?」

錯覚してしまうくらいには、距離の近い一瞬でした。

そのままテンションが爆発してしまい、休憩時間にX(Twitter)を開いて……

みたいなポストを勢いのまま投下したのが、あの日のさんせ三世です。
(あとから見返して、布団の中でジタバタしました)

でも、あの一瞬だけはたしかに
リングの上と客席のあいだに細い線が引かれていた気がして。

「もしかしたら、あの0.5秒の視界のどこかに、自分も混ざってたのかもしれないな」

そう思わせてくれるだけで、あの写真群は私にとって十分すぎる“レス”でした。

オタクには、こういう一瞬を
「たぶん気づいてくれた」と信じて宝物にする権利ぐらい、どうか許してほしいなと思います……という、オタクのささやかな戯言でした。

そんなふうに、たった0.5秒の“幻のレス”で心拍数を盛大にバグらせた状態のまま、ゴングが鳴りました。

観客としては完全に感情がピークのところから、そのまま試合本編に突入するわけです。

もうこの時点で、試合の細かい技の名前なんて正直あんまり覚えていません。ただ一つだけ、はっきり覚えているのは──
「あんね選手、あのオリンピア選手に真正面からぶつかりに行ってたな……」
という感覚でした。

■ 関西4WAYは「地元の意地」と「面白さ」の異様な熱気のセット売り



試合前に「開幕《あけ》ろ!大阪決戦や!!」なんてポスター案を脳内でこねていた関西人4WAYは、想像以上に“地元の意地のぶつかり合い”でした。




府立第二の声色が一気に「関西色」になり、それぞれ異様な熱気と地元コールが飛び交う中で、誰か一人が目立つというよりは……
「この4人、おもろい事絶対やってくれる!」
という関西ノリ全開のお祭り感を全力で浴びるような試合で、カード発表を見たときのワクワクがちゃんと回収された一戦でした。
(細かい攻防や、まさかのオチに関してはぜひ公式配信で……!)


■ 鹿島沙希選手の“省エネプロレス”を噛みしめる


この日も、鹿島選手は鹿島選手でした。
ロープワークでガンガン走り回るでもなく、派手な大技を連発するでもなく、とにかくフォールを量産することに全振りした“省エネプロレス”

タッチされて、押さえ込んで、返されたらタッチして戻って、またタッチされて、押さえ込んで……と思ったら、朱里選手を振り回しまくるコンビネーション。


一瞬、コミカルに見える鹿島選手のスタイル。そのたびに「でもこのスタイルでどれだけ試合を重ねてきたんだろう」と思うと、ちょっと胸がきゅっとしました。

「引退発表後の鹿島沙希」を生で見ている、という事実が、試合のたびにじわじわ重くなっていく感覚があって。
それでもこの日は、まだ泣かないでいられたのは──明日も、もう一度リングに立つ鹿島選手の姿を見られると分かっていたからだと思います。
(そして2.7では朱里選手と直接対決という引退ロードにしては、とんでもないメイン級を同じ大阪の地で迎える鹿島選手……ご武運を……!)

残り少ない“省エネプロレス”の時間を、ちゃんと目に焼きつけておきたい。
そう強く思わされた試合でした。


■ 生で見る「伊藤ちゃんワールド」



そしてこの日の個人的もう一つの山場が、伊藤ちゃんの入場でした。しかも第一試合の一発目の入場。先述した内容を実際生で見た感想とすると……。

『Brooklyn The Hole』が流れた瞬間の、あの独特の空気の変わり方。  

「世界一可愛いのは〜?」  
\伊藤ちゃ〜ん!/  

のレスポンスが、配信で見ていた何倍もの音量で耳に飛び込んできて、「あ、これはもう“完成されたエンタメ”として出来上がってるやつだ……」と鳥肌が立ちました。STARDOMのリングでも完全に伊藤ちゃんワールドでした。

歌うようにリングに向かって歩いていきながら、ちゃんと一人ひとりの顔を見て煽ってくれる感じが、“伊藤ちゃんの世界”に客席ごと引きずり込む力そのものなんだな、と。  


試合内容も伊藤ちゃんがオールドスクールなスタイルと生粋のトリックスター全開で引っ掻き回す展開。
試合の結果、しょんぼりした伊藤ちゃんは何故か組んでいたE neXus Vとではなく、対戦相手のNeo Genesisと共に捌けようとするという完全なる伊藤ちゃんワールド。

この人が明日、古沢稀杏選手とどう絡むのか──それだけでDay2への期待値が一気に跳ね上がりました。


■ Day1まとめと、明日に残された宿題


こうして振り返ってみると、Day1は

・鹿島沙希という“入口の人”への感謝と寂しさ  
・初めての推しうちわと、0.5秒の幻みたいなレス  
・伊藤ちゃんという“別ルートの光”を、生のリングで初めて浴びた夜  

──みたいなものが全部ごちゃまぜになった、感情的にはかなりカオスな一日でした。

そして、それでもやっぱり私の視線の中心には、ずっと金屋あんね選手がいました。
初勝利はまだ遠いかもしれない。でも、オリンピア相手に真正面からぶつかりに行ったあの姿を見てしまったら、

「この先も負けたり転んだりしながら、“勝つ”ところまで全部見届けたいな」

と、改めて腹の底から思わされるDay1でした。

……そしてこの時点で、まだDay2が残っているのだから恐ろしい。尺の都合上めちゃめちゃ端折ったのに...!

翌日は
伊藤ちゃん&古沢稀杏選手という“うるさくて振り回されて楽しそうすぎる”タッグ  
・そして、金屋あんね選手 vs AZM選手という、ハイスピード戦線の現在と未来が真正面からぶつかるカード  

が控えています。

正直、Day1と同じ記事にまとめるには、さすがに胸の中の情報量が多すぎるので、Day2は改めて【第七話】として書き起こそうと思います。

というわけで、第六話はここまで。
「同人オタクが新人女子プロレスラーにハマった話 第六話『オタク、仕事帰りにSTARDOMを観に行くってよ』」


次回、第七話は
『オタク、推しが洗礼を浴びたってよ』  
……みたいなタイトルになる予感しかしません。
※1.4東京ドーム観戦記は、別途【特別編】としてまとめる予定です。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
さんせ三世でした🌺


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