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「少ないがまだ時間はある」五輪3大会連続兄弟出場へ小林潤志郎が全日本選手権ノーマルヒル6年ぶり3度目の優勝

 【全日本スキー選手権ジャンプノーマルヒル、11月9日、札幌・宮の森ジャンプ競技場(HS100、K90)】

 男子は1回目に100メートルを飛んだ小林潤志郎(Wynn.)が2回目も99メートルと各ラウンドの最長を揃えトータル266.3点でノーマルヒルでの全日本選手権6年ぶり3回目の優勝を手にした。
 2位はサマーシーズン世界ランク2位の小林朔太郎(雪印メグミルク)、3位は前年優勝の内藤智文(山形市役所)だった。

▶︎タイトル画:全日本選手権ジャンプNHの表彰式、左から小林朔太郎、小林潤志郎、内藤智文、11月9日

新たな挑戦プロ2年目の潤志郎「楽しんでもらえるジャンプを」

 完勝だった。
 1回目はワールドカップ(W杯)遠征組より2段高いゲートだったとはいえこの日最長の100メートル。ヒルサイズ(HS)まで飛んで着地も決め飛型点でも最高点(56.5点/60満点)を出した。
 テレマークを入れるため「早めに降りた、もう少し距離は伸びた」と振り返った2回目は他の選手と同じゲートから出てこの回最長の99メートル、飛型点は1回目よりさらに高得点(57.5点)を叩き出した。
 弟の小林陵侑(チームROY)や前週のラージヒルを制した二階堂蓮(日本ビール)が不在だったとはいえ納得の内容で日本一のタイトルに相応しい勝利だった。
 冬用のスキー板に変えて滑りが良くなり「なんとか戦えるくらいまでにはきているかな」という感触は優勝という確かな形にもなった。

 五輪には2018年の平昌、2022年の北京と2大会に出場した小林潤志郎。2024年春に大きな決断をする。10年間所属した雪印メグミルクを離れプロに転向、競技環境が大きく変わった。当初はスケジュール管理、試合の申込、合宿、遠征の宿、移動手段の手配といった細々としたことまでも自分でこなし、活動資金の遣り繰りにも腐心する。他人(ひと)からしたら大したことではないかもしれないが苦労はある。独立しての活動は「つらいことばかり」というが周囲の支えや応援してくれる人がいる。「みんなに楽しんでもらえるようなジャンプができれば」という気持ちに揺らぎはない。

下部大会からでも「一歩ずつ」ミラノコルティナへ

 ミラノ・コルティナ五輪シーズンはW杯下部大会のコンチネンタルカップ(C杯)遠征でスタートする。
 「ランキング3位内に入ってワールドカップに昇格し、そこから表彰台に上がっていくくらいの力をつけたい」と青写真を描く。

 「本当は焦らなければいけない時期かもしれないが一歩ずつ上がっていくしかない。少ないがまだ時間はあると思う。食い込んでいきたい」。
 代表が確実視されている弟の陵侑と「兄弟でまた行きたいというのもあるので頑張りたい」。

小林潤志郎の2回目 99.0m

スリッパ履き〜ウォッチャーが見た

 空(から)サッツともいわれる踏切動作のシミュレーション練習。小林潤志郎の足元をみるとスリッパ履きだった。その意図を聞いてみると「つま先で引っ掻く」ような動きを防止するためだとか。無駄な動作や重心のずれが生じるとしっかり踏めない不安定なスリッパ履きで足裏の感覚を研ぎ澄ましているようだ。

踏切動作の確認をするためアプローチ姿勢(クローチング)の小林潤志郎 撮影11月2日
踏切のシミュレーション(空サッツ)を行う際に乗るローラーのついた板

男子上位成績

1) 小林 潤志郎 (Wynn.) 266.3点 100.0m/99.0m
2) 小林 朔太郎 (雪印メグミルク) 263.4点 97.0m/98.0m
3) 内藤 智文 (山形市役所) 253.1点 95.0m/94.5m
4) 佐藤 慧一 (雪印メグミルク) 243.7点 96.0m/92.0m
5) 佐藤 幸椰 (雪印メグミルク) 239.8点 91.0m/93.5m
6) 中村 優斗 (COOTS SC) 229.5点 93.0m/92.5m

小林朔太郎 2回目 98.0m
内藤智文 1回目 95.0m

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