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部下成長#5 「任せているつもり」のリーダーほど、部下の成長を止めている — リーダーに求められる「伴走」という責任

部下に仕事を任せているのに、なぜか育たない。

その理由を「部下の問題」だと思っていた時期が、私にもありました。

ですが、違いました。

本当の原因は、リーダーである自分の関わり方にあったのです。

では、任せたあとも、自分は関わり続けていると言えるでしょうか。

任せること自体は難しくありません。
しかし、そのあと関わり続けることは、簡単ではありません。

今回は、「リーダーの責任」というテーマで、
これまで書いてきた内容の本質をお伝えします。

ここまで、

部下成長#2 → 信頼関係(ラポール)
部下成長#3 → 挑戦の場(場の提供)
部下成長#4 → 自信の循環(自己効力感)

この3つの軸について書いてきました。

ここまで読むと、こう感じる方もいるかもしれません。

「結局、部下に任せているだけではないか?」

実際、私もそう思われたことがあります。

では、リーダーは何をしているのか。

私はこう考えています。

リーダーの役割は、「任せること」ではなく、
「すべての責任を引き受けること」です。


責任の本質は「環境」にある

ここでいう責任とは、単に失敗の責任を取ることだけではありません。

・部下が失敗したときに前に立つ
・問題が起きたときに謝る

もちろん、これも大切です。

ただ、本質はもっとシンプルです。

「部下が成長できる環境に、責任を持つこと」

これに尽きます。


3つの軸に対する責任

信頼関係(ラポール)

「あの件どんな感じ?」
「昨日遅くまでやってたけど大丈夫?」
「最近ちょっと忙しそうだけど、無理してない?」

こうした何気ない一言の積み重ねが、関係性をつくります。

部下一人ひとりと向き合い、雑談も含めて関係性を築いていく。

これは、気が向いたときにやるものでも、余裕があるときだけやるものでもありません。

リーダーである以上、どんな状況であっても向き合い続ける責任があります。

忙しいからやらない。時間がないから後回しにする。
その積み重ねが、気づかないうちに距離を生み、信頼を失わせていきます。

だからこそ問われるのは、

・関係性を築き切る覚悟があるか
・向き合うことから逃げていないか

です。


挑戦の場(場の提供)

役割として仕事を渡し、考える余白ごと任せる。

例えば、
「この案件、どう進める?」と最初から答えを渡すのではなく、
「まずどう考える?」と問いを返す。

あるいは、
「一度自分のやり方でやってみて」と任せてみる。

言葉にすればシンプルですが、実際には簡単ではありません。

よくあるのは、次の2つです。

・任せたはずなのに、「いや、それ違う」と途中で口を出してしまう
・任せたことを理由に、「大丈夫だろう」と確認せず放置してしまう

どちらも「任せているようで任せていない状態」です。

本来の責任は、その間にあります。

・進め方に迷っていそうなときに「今どんな感じ?」と声をかける
・ズレそうなときだけ「この方向で合ってる?」と軌道修正する
・うまくいっているときは、あえて口を出さず見守る

つまり、

必要なときにだけ関わり続けること。
それが、見守り続けることから逃げない責任です。


自信の循環(自己効力感)

考えさせ、行動させ、振り返らせる。
そしてその過程で、声をかけ、支え、背中を押していく。

例えば、

・「どう考えてその判断をしたの?」と意図を言語化させる
・「今の進め方、いいと思うよ」と途中で肯定する
・「次やるなら、どこを変える?」と振り返らせる

しかしこれも、ただプロセスを回せばいいわけではありません。

問われるのは、関わりの深さです。

・黙っている部下に対して「困ってない?」と一歩踏み込めているか
・挑戦しようとしている瞬間に「いいね、やってみよう」と背中を押せているか
・結果が出たあとに「何が良かったと思う?」と振り返らせているか

そこまで関わり切って、初めて「自信」は生まれます。

だからこそ必要なのは、

部下の成長プロセスに関わり続ける責任です。


リーダーは「伴走者」である

ここで重要なのが、リーダーの立ち位置です。

リーダーは、すべてを指示する存在でも、すべてを任せきる存在でもありません。

リーダーは、部下の“伴走者”です。

先回りして答えを与えるのではなく、
かといって突き放すのでもない。

・迷ったときには、立ち止まって一緒に考える
・進む方向にズレがあれば、そっと整える
・一歩踏み出す勇気が必要なときには、背中を押す

そうやって、同じ方向を見ながら横で支え続ける存在です。

部下に任せるということは、放すことではありません。

最後まで一緒に走り切る覚悟を持つこと。

それが、「伴走する」ということです。


リーダーは逃げない

これらすべてに共通しているのは、

リーダーが逃げないことです。

任せること自体は難しくありません。

しかし、うまくいかなかったときに、それを自分の責任として引き受けることは簡単ではありません。

だからこそ思います。

部下の成長は、リーダーの覚悟の大きさで決まる。


見えないところで支える

では、どのような覚悟を持てばいいのか。

私はこう考えています。

「この部下が、いまの場をどう成長につなげるか」
それを本気で考え続けることです。

表では任せているように見えても、裏ではやるべきことが数多くあります。

・関係部署との調整
・必要な情報の整理と提供
・上層部への事前の働きかけ

こうした“見えない支え”があるからこそ、部下は安心して挑戦できます。


成果と失敗、どちらにも責任を持つ

結果が出たとき、それをそのままにしないこともリーダーの役割です。

・上層部に説明する
・会議で名前を出す
・評価につなげる

成果を「見える形」にすることも、重要な責任です。

そして、うまくいかなかったとき。

ここが最も大事な場面です。

責めるのではなく、

・どんな意図で取り組んだのか
・どんな工夫をしたのか

そのプロセスを見て認めたうえで、次にどう活かすかを一緒に考える。

この積み重ねが、次の挑戦と成長につながっていきます。


信頼されるリーダーであるために

「リーダーは嫌われてもいい」と、よく言われます。

しかし私は、そうは思っていません。

問題なのは、

嫌われることではなく、信頼されないことです。

言うべきことを言うことと、嫌われることは別です。

どうせなら、嫌われるよりも信頼されるリーダーでありたい。

「嫌われてもいい」と考えているリーダーほど、
強く押さえつけて動かそうとする傾向があります。

しかし、それでは人は主体的には動きません。

安心できる環境の中でこそ、人は自ら考え、自ら動き始めます。

そのために、ラポールがあり、場があり、自信の循環があります。


あなたは伴走できているか


ここまで書いてきて、最後に一つだけ。

あなたは、部下に対して「伴走できている」と言えるでしょうか。

任せているつもりで、距離を取っていないか。
見守っているつもりで、関わることから逃げていないか。

うまくいったときだけ関わり、
うまくいかなかったときに一歩引いてしまっていないか。

リーダーは、いつでも手を離せる立場です。
だからこそ、その関わり方に“覚悟”が問われます。

最後まで関わり続けるのか。
それとも、どこかで手を離すのか。

その違いが、部下の未来を大きく変えます。

だからこそ思います。

部下の成長は、最後まで伴走し続ける覚悟で決まります


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ここまで、
「信頼関係(ラポール)」「挑戦の場(場の提供)」「自信の循環(自己効力感)」、
そして今回の「リーダーの責任」という、4つの軸について書いてきました。

部下の成長は、単一の要素で決まるものではなく、
これらが組み合わさって初めて生まれるものだと考えています。

そして、そのすべての土台にあるのが、
リーダーの「関わり方」と「覚悟」です。

少しでも参考になったと感じていただけたら、フォローしていただけると嬉しいです。

次回は、「リーダーのタイプや関わり方」について書いていきます。


この内容は「部下成長シリーズ」として
マガジンにまとめています。

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他の記事もあわせて読むことで、より立体的に理解できると思います。

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