アスリートのためのお金の話。プロ選手が絶対に知っておくべき、銀行・投資・保険の正しい使い分け
毎年、各競技のシーズン終盤から契約更新時期に差し掛かると、お金の相談が増えます。
仲渡さん、実は今日、先輩から保険の営業の人を紹介されて、「アスリートなら絶対これに入るべき」って商品を勧められたんです。でも、保険とか投資とか、正直全然わからなくて.…..。スマホで調べると保険は無駄みたいな情報ばかり。でも、「もし怪我で、早めに引退したらどうなるんだろう?」という不安も正直あって……。
特に高校卒業、大学卒業後の若い選手からの相談が、実はとても多いです。
メジャーからマイナーまで、様々な種目のアスリートをサポートしてきたので、その気持ち非常にわかります。アスリートは、会社員とは全く異なる環境で生きていますし、現代の小学生のように、誰も学校ではお金のことなんて教えてくれませんでしたから。
今回はプロアスリートマネジメント事業を営む実体験を踏まえて、小学生でもわかるように、アスリートに必要なお金の話をしてみたいと思います。
なぜアスリートにお金の話が超重要なのか
一般的な大卒の会社員は、22歳で就職後に65歳まで働けるとして、約43年間収入がありますが、プロアスリートは、早い人で高校卒業の18歳からプロになり、長く続けても35歳くらい(競技によっては、結果を残せなければ、翌年には契約解除も当たり前ですが……。)まで、つまり、(極端な話をすると)約17年間しか現役でいられません。
現代では、先駆者の方々によって風潮が変わりましたが、極端な話をすると、アスリートは会社員の半分以下の期間で、人生分のお金を稼がないといけません。
しかも、明日怪我をしてしまったら、収入が突然ゼロになる可能性もある。これは、とてもシビアな現実ですよね。
そうならないための、現役時代からのキャリアに対する考え方は、以下を参考にしてみてください。
金融の基本 〜お金の預け先は3つある〜
そもそもというお話としてするのが、お金の預け先について。実は、大きく分けて3つしかないんです。それぞれの特徴を、身近なものに例えて説明しますね。
1.銀行 = 「安全な財布」
銀行は、いつでもお金を出し入れできる「安全な財布」のようなものです。
具体例としては、100万円を銀行に預ける場合は、
金利0.01%とすると、1年後に100円増える
ATM手数料が220円かかったら、逆に120円減る
メリット:
・いつでもすぐに使える
・絶対に減らない(元本保証)
・振込や支払いが便利
デメリット:
・ほとんど増えない
・手数料の方が高くて実質マイナスになることも
つまり、銀行は「お金を保管する場所」であって「お金を増やす場所」ではないということです。
2.証券会社(投資) = 「お金を育てる畑」
投資は、お金を「種」として畑に植えて育てるイメージです。
具体例として、株式投資で100万円を運用した場合は、
過去に、調子がいい年は20万円増えることも(年利20%)
でも悪い年は30万円減ることも(年利-30%)
最近の株価暴落では、1日で10%以上下がることも
メリット:
・大きく増える可能性がある
・長期的にはプラスになりやすい
・インフレ(物価上昇)に負けない
デメリット:
・減るリスクがある
・短期的には大きく変動する
・勉強が必要
投資の世界には「リスクとリターンは比例する」という鉄則があります。つまり、大きく増える可能性があるものは、大きく減る可能性もあるということ。
ちなみに、業務提携先の士業の先生からお話を伺ったアスリートでは、仮想通貨に1,000万円投資して、2ヶ月後に200万円になってしまったため相談があったようで、「絶対儲かる」と言われて飛びついた結果だったようです。
3.生命保険 = 「万が一のお守り」
生命保険は、万が一の時に家族を守る「お守り」のようなものです。
具体例として、生命保険に月1万円払う場合
1万円の保険料で、1億円の保障を得られる
他の金融商品では実現できない『万が一の時の経済的安全網』
何もなかったら掛け捨ての場合は、お金は戻ってこない
メリット:
・少ない金額で大きな保障を得られる
・万が一の時に家族が困らない
・貯蓄性のある保険なら銀行よりも増えることがある
デメリット:
・「万が一」が起きないと意味がない(と思いがち)
・投資と比べると利回りは劣ることが多い
でも、ここで重要な質問があります。
「万が一時は、誰がお金を払うのか?」
めちゃくちゃ重要な話なのですが、想像してみてください。明日、あなたが練習中に大怪我をして、所属クラブが全てを負担してもらえる競技もありますが、手術に約25万円、入院に約100万円、生活費に月50万円以上が必要になったとします。
こんな時は、誰がお金を払いますか?
答えは決まっていますが、あなたの最も身近で、最も大切な人でしょう。
あなたが、「自分のことは自分自身で」と思っていても、実際には周りの人に迷惑をかけることになりますし、あなたが最も大切にしたい人たちに。
独身であれば、家族や親族に。結婚しているなら、奥さんや旦那さんに。子どもがいるなら、家族全員に。
つまり、生命保険に入るか入らないかって、以下の選択なんですよね。
A:「自分でなんとかしよう(保険で準備する)」
B:「まあ、家族が払ってくれるでしょ」
なかなかBを選ぶ人は、出会ったことがないのですが、ここまでの構造を理解していなくて、結果的に家族に迷惑をかけるのは、辛いですよね。
以下は、実際にあった話です。弊社がサポートしている選手の奥さんから、弊社がサポートする前のお話として伺いました。
主人が試合中に大怪我をして、当時手術と入院・リハビリなどで、約100万円ほどかかりました。貯金を全部使い、主人の実家からも少しだけ借りて.…..。主人はしばらく、毎日「ごめん」ばかり言ってきて、私も「大丈夫だよ」って笑顔で言うのが精一杯でした。本当は、競技復活まで約1年ほどだったので、すごく不安でしたし、見てるのが辛かったです。
このお話を伺った時、改めて、生命保険は、万が一の時に家族を守る「お守り」であり、大切な人を守るためのものだと。
保険の2つの顔を理解しよう
私自身もプロアスリートマネジメントの会社を経営する一方で、総合保険代理店で社外取締役も務めているので、少し生命保険について役割を解説します。
1.万が一の備え(これが本来の役割)
月1万円で1億円の保障。こんな「投資効率」の良い金融商品は他にありません。
万が一が起きなかったら「損した」と思う人もいますが、それって「火事にならなかったから火災保険は無駄だった」と言ってるのと同じです。
2.貯蓄性(銀行よりもお金が増える可能性)
最近の生命保険は、万が一のことがなくても銀行に預けるよりもお金が増える仕組みがあります。
例:月3万円の生命保険に20年間加入
・払込総額:720万円
・20年後の解約返戻金:750〜800万円
・銀行なら:720万円がほぼそのまま
つまり、「万が一への備え」をしながら「貯蓄」もできるということです。さらに、事業主でもあるプロアスリートも、確定申告時の控除枠(一般生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険)を活用できるのですが、「万が一への備え」をつつ、控除枠を活用できていない方々が多いのも事実です。
「生命保険いらない論」の正体
WEB、SNSでも「保険不要論」という内容のコンテンツを多く目にする機会が増えていますが、端的にまとめると以下理由からということが多いです。
・医療技術の進歩による死亡率・入院率の低下
・高額療養費制度や遺族年金などの公的保障制度の充実
・保険料を貯金や投資に回した方が得という考え
たしかに、投資と保険を比べたら、投資の方が利回りは良いことが多いですが、それは「財布と畑、どっちが儲かる?」とか「お守りと畑、どっちが儲かる?」と比べてるのと同じで、全く意味がないことだなというのが持論です。なぜなら、役割が全く異なるからであり、死亡保障が付き、税制優遇があるという点から、プロアスリートで家庭を持っている方には生命保険を一つの手段としてオススメしています。
バランスが全て。料理の味付けと同じ
「じゃあ結局、何をすればいいの?」という話ですが、答えはバランスですよね。料理で例えると、塩だけでも砂糖だけでも美味しくないですし、適度な塩加減、適度な甘さがあって初めて美味しい料理になりますよね。
基本的な配分例:
・銀行(生活費):月収の3〜6ヶ月分
・保険(万が一の備え):月収の10〜15%
・投資(将来の資産):月収の10〜20%
上記は、プロアスリートの方々のサポート実績を見直した際に、平均的な内訳となります。また、年代別でポイントをまとめると以下になります。
10代後半〜20代前半(若手選手):
・まずは最低限の保険で万が一に備える
・投資は少額からスタート
・金融の勉強に少しずつ時間をかける
20代後半〜30代(ベテラン選手):
・家族がいる場合は保険を厚くする
・セカンドキャリア資金を投資で準備
・不動産投資なども検討
ただし、あくまでも平均的な内訳やポイントになるので、最も大事なのは、自分自身の状況に合わせて、定期的に調整することです。
「自分で考える力」を身につけよう
重要なことは、「答えを教えてもらう」のではなく、どんなことでも「自分で考える習慣」つまりは、最終的に決断できるまでの状況に持っていくスキルを身につけることです。
例えば、先ほどの生命保険を選択するにしても、「どの保険がいいですか?」ではなく、「万が一の時、いくら必要だと思いますか?」「今の家計状況だと、いくらまでなら払えそうですか?」「10年後、20年後の生活はどう変わってそうですか?」
このように、まずは自分で最も大事にしたいことを基に考えて、調べてから専門家に相談する習慣をつけましょう。弊社では、保険会社ごとに保障内容や特約も異なるため、各保険会社の商品又は競技特性に寄り添える提携先の保険の募集人を、適切にご紹介することも可能です。
もちろん、既にサポートしていただいている保険の募集人との関係もある場合は、ご連携するパターンもあるので、ご安心ください。
保険会社の人、IFA(資産アドバイザー)の人に騙されそうで怖い
相談を受ける方々の大半は、ほとんどがその分野のことを知らないが故に、防衛本能として脳が怖いと勝手に判断しているケースがほぼです。確かに、強引な営業をする人もいますが、寄り添える専門家は、あなたの状況をきちんと聞いて、以下ポイントで提案してくれます。
・いきなり商品の説明をしない
・家計の状況や将来の希望をしっかり聞いてくれる
・「今すぐ契約を」と急かさない
・他の金融商品との比較も説明してくれる
もしもそんな方々に出会えていないということであれば、一度お気軽に弊社にご相談いただければと存じます。
まずは、1歩ずつ共に考えていきましょう
金融の話は、確かに複雑で面倒くさい部分もあり、正直「後回しでいいや」となりがちです。私自身も恥ずかしながら、自分の事となるとそうなのです。
でも、アスリート(事業主)である以上、これは避けて通れない現実ないというか、むしろアスリートこそ、考なければマズイです。
弊社では、プロアスリートの競技人生とその後の人生を支えるため、プロアスリートマネジメント事業を展開していますが、以下項目について初回は無料でご相談が可能です。
・金融全般(共済、保険、投資)について
・会社設立・事業作りについて
・セカンドキャリアについて
・契約交渉(クラブ、スポンサー)について
・メディア対応・ブランディングについて
あなたの競技人生が、そしてその後の人生が、より豊かで安心できるものになることを心から願っていますので、何かあればご連絡くださいね。
もちろんプロアスリートからご連絡だけでなく、共感する部分があった専門家の皆さまについても、業務提携や連携について気軽にお話ししましょう。
ご連絡は、お問い合わせフォーム、またはX(旧Twitter)のダイレクトメッセージからお待ちしております。
