プロアスリートの引退後の年収格差はなぜ起きる?「選ばれる」存在になるためのキャリア戦略
あなたは、引退後のキャリアを見据えた時、自身のキャリアをどのように考え、日々行動を積み重ねていますか?
プロアスリートにとって、競技人生はキャリア全体の一部に過ぎません。
また、アスリートのキャリア支援に携わる方であれば、どのように添い遂げ続けるべきなのでしょうか?
実現可能なキャリア戦略なのか、実現不可能なキャリア戦略なのか。自身の答え合わせを兼ねて、この後を読み進めてくださいね。
仕事は「選ぶ」ものではなく「選ばれる」もの
会社経営をしてきた中で、仕事は「選ぶ」ものではなく、「選ばれるもの」という価値観が新たに芽生えました。これは、自分の「好き」や「やりたいこと」だけを追求するのではなく、社会や他者から「あなたにお願いしたい」と求められる存在になることこそが、事業推進・拡大する上で重要なピースであったからです。
多くのアスリートは、幼い頃から「好き」を原動力に競技に打ち込んできたはず。その結果、プロになるという夢を叶えるわけですが、そのキャリアは永遠ではありません。
多くの元アスリートがキャリアの壁にぶつかるのは、この「好き」を仕事にするという考え方の延長線上で、セカンドキャリアを捉えていることが、大半を占める印象です。
例えば、「バスケットボールが好きだから、バスケットボールコーチになる」という発想は自然ですが、そこには需要と供給の視点が欠けている。コーチになりたい人は数多く存在し、そのポジションにも限りがあるため、当たり前ですが、その中で「選ばれる」存在にならなければ、仕事として成立させることは困難ですよね。
「Will-Can-Must」から「Will-Can-Desired」へ
従来のキャリア論では、「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(やらなければならないこと)」の3つの円が重なる部分に理想のキャリアがあるとされています。
しかし、マネジメント経験からアスリートのキャリア形成においては、「Must(やらなければならないこと)」ではなく、「Desired(求められること)」の視点を持つことが大切であると感じています。
Will(やりたいこと): アスリート自身の情熱や興味の源泉。
Can(できること): 競技を通じて培ったスキル、経験、身体能力。
Desired(求められること): 社会や企業、他者がそのアスリートに何を期待しているか。
現役時代は、「Can(圧倒的な競技力)」が「Want(勝利や感動)」と直結しているため、この3つの円は自然と重なりますよね。
しかし、引退すれば「Can」の価値は変化し、これまでと同じようには「Desired」と結びつきにくくなります。だからこそ、アスリートは現役時代から自身の「Can」を多角的に捉え、社会の「Desired」と接続する努力が求められるのです。
例えば、単に「サッカーがうまい」という「Can」だけでなく、「目標達成のために計画を立て、実行する力」、「チームをまとめるリーダーシップ」といった、どの職場や環境にも持ち運び可能なポータブルスキルに分解することができれば、ビジネスの世界でも求められる「Desired」と結びつけられる可能性は、格段に高まるのです。
まずは得意なことを徹底的に磨くべし
そもそも得意なこととは、「自分の労力の割に、周りに感謝されること」。つまり、自分では当たり前且つ簡単にできてしまうことが、周りからするとめちゃくちゃ重宝されること。それこそが得意なことであり、ビジネスにおける貴重な最初の提供価値にもなるのです。
そうなると、「やりたいことを仕事にするのは、諦めたほうがいいの?」と、いう声が聞こえてきそうですが、答えはNOです。
得意なことを徹底してやり続ければ、自ずと専門性やスキルが磨かれ続け、長期的な視点で見れば、やりたいことに携われる機会が巡り巡ってきます。
私の場合、昔から全体を俯瞰し、戦略・戦術を立てたり、人々の間に立って仲介役になることが多く、対立している人たちの間に立って仲裁をしたり、ばらばらな意見をまとめたりすることが得意であり、苦ではありませんでした。
現在、プロアスリートのマネジメントにおいて、プロジェクトが大きくなればなるほど、パートナー企業・アライアンス企業などの関わる仲間が増えました。
マネジメント選手の想いや得意なことを最も尊重し、どのように目的を達成できるかを考え、それぞれ想いや意見を汲み取り業務を遂行する。気がつけば、私自身のポータブルスキルになっていたのです。
さらに、有難いことに、ご紹介からご縁は広がり続けて、プロアスリートの方々に留まらず、経営者や起業を志す方々に添い遂げる機会が増えました。
そして、創業支援〜事業推進・拡大の相談に乗りつつ、専門家の方々とプロジェクトチームを組成し、完遂までをディレクションすることで、結果的にプロアスリートのマネジメントとの事業シナジーが生まれる状況までになったのです。
自分がやれる範囲が広がると、やりたいこと自体もアップデートされ、次に果たすべき自分の使命が見えてきます。それは、やりたいとか得意とかでもなく、自分はこういう形で社会の役に立っていきたいという志みたいなものです。
これは、私たちがマネジメントを手がけるプロアスリート自身も同様に、心境の変化や転機が訪れています。
結論、アスリート一人ひとりが、自身のキャリアの経営者となり、社会から求められる「Desired」を的確に捉え、自身の「Can」を磨き続けること。それこそが、変化の激しい時代を生き抜くプロアスリートに求められる、キャリア戦略であり、キャリアオーナーシップなのです。
人生100年時代の歩み方として、1、2年の短期的なスパンではなく、5〜10年ぐらいの中長期的なスパンで、得意なことをコツコツと磨いていきましょう。
より踏み込んで、自分で思考してみたい方は、上記もご覧ください。
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