アルロンさんの創作大賞応募作ぜんぶ読んだ《感想》
アルロンさんの創作大賞応募作をすべて読んだので感想を書いていきます。
(※2025/06/22時点応募分)
『ウチの潜入捜査くん』
あらすじ:才駆論高校に転校してきた添光成は、正義感は強いが力加減がバグっている問題児。転校早々不良を殴り飛ばし、生徒会に目をつけられるが、学内で続く不審な事件の捜査に自ら名乗りを上げて、仲間とともに謎に迫る──。
亜麻布みゆさんの感想文で気になっていた作品。
読み終えて改めてみゆさんの感想があまりにも良すぎてわたしが書く意味はあるのだろうか……? と思っているところ。読み手としてわくわくする魅力はみゆさんの記事に詰まっているので……
わたしは、趣向を変えて「書き手として学ばせてもらったこと」を書いてみようと思う。
ほかの方の感想文もいくつか読んだけれど、『ウチの潜入捜査くん』の作中には、名前や技といった名称に「言葉遊び」が入っている。
ここから書き手として学びを得るきっかけにもなったのでシェアしてみたい。
わたしはこの6年ほど、短編長編問わず、毎日10作品以上の”異世界Web小説”を読んでいる。読んだ作品は、単純計算でも2万作品を超えた。
その中で、人名が言葉遊びになっているものは、どうにも物語に没入できない作品も多かった。
だからこそ驚いた。
アルロンさんの作品では、この言葉遊びこそがたのしい!
気になるどころか、登場人物が多いにもかかわらずいきいきとした姿で記憶に残る仕掛けにすらなっていた。
では没入できなかったものとはなにがちがうのだろう……と考えてみた。
そうして気づいたのは、物語序盤の雰囲気と名前との”温度差”だ。
以前わたしが没入できなかった作品は、いずれも冒頭からシリアスな展開だったのではないかという仮説を立てた。
異世界ものによくあるように、国外追放や処刑などが重々しく描かれているのだけれど、その中に唐突に現れる人名が「クズリーノ伯爵」とか「マルデ・アーホ男爵令嬢」のようなイメージだ。
こんなふうに、深刻な展開の中で、突然「言葉遊び」が強く前に出た人名が出てくると、どうしても現実に引き戻されてしまうことがあるのだった。
その点、アルロンさんの作品では、序盤にコミカルな雰囲気がある。
名前を含めた世界観を理解し、没入してから進むことができた。そのため、途中でシリアスさが滲んでも名前が浮かなかったのだと思う。
また、ひと目でわかるものではなく、読み方や本文を読んではじめて「あー!」と気づかされるものも多く、名前の言葉遊び自体が謎解きのようで楽しさがあったのだ。
これは新感覚だった!
この作品は、気軽に読めて、ところどころでくすっと笑えるところがいちばんの魅力だと思う。だから、いまちょっと落ち込んでいるなあというときにタップしてみてほしい。
きっと元気になれると思う。
『ラスター王国物語【ADVゲーム】』
これはnote記事そのものが「アドベンチャーゲーム」になっている、まったく新しい試み。ぜひ最初から試してみてほしい。
1月のある日。ねむたい午後だった。
ぼんやりとnoteを開くと「フォロー中」の画面がすべて『ラスター王国物語』で埋め尽くされていた。ぱちっと目が覚めた。──何事?
この作品は、1記事1記事が、ゲームの分岐点になっている。
うまく説明できないのでやってみてほしいのだけれどnoteそのものがゲームになっているのだ。
すごい。新しい。
一度はまるとやめられないタイプのゲーマーのわたしである。すぐにやってみた。古く懐かしきRPGを進めているようなレトロな楽しさに夢中になった。
▼リィさんのラスター王国のプレイ記録もたのしい。
『祖父に引導を渡した日』
この作品を読んだのは、子どもが帰ってくる時間に合わせて乗ったバスの中だった。はじめに言っておきたいのは、人がいないところで読んだほうがいいっていうこと。
バスの中にいるのに視界が滲んでしまった。
すぐそばで見ていて、声や息遣いまで聴こえてきそうな錯覚をする、ていねいな描写。(みかんをむくシーンが好きだ)。
そして、「引導を渡す」という言葉の意味。
きっとこの先何度も思い出すことになる、忘れられないエッセイだと思う。
『北海道民が東京で名探偵コナンスタンプラリーに挑戦してみた』
北海道にお住まいのアルロンさん。
北海道から東京、そして名古屋へ移動することになった。その空き時間におもに関東を中心に行われている「名探偵コナンスタンプラリー」に挑戦してみたというはなしだ。
このスタンプラリー自体を知らなかったのだけれど、関東や長野の一部の駅に、コナンに登場するキャラクターのスタンプが設置されているのだという。(※6/22までで終わっている)
都内に長く住んでいたこともあり、「あー」とうなずきながら読む場面が多くおもしろかった。いっしょに回っているような気分になれた。
『あすけんアプリで100点を取ったときの食事を分析してみた』
ダイエットアプリであり、食事管理がしやすく人気の「あすけん」をダウンロードしたアルロンさん。
あすけんアプリを運用して5日目、とんでもないことが起きた。
このアプリでは、一日の食事を『健康度』という指標で評価してくれるのだが、なんと100点満点の100点だったのだ。
わたしも使っていた時期があるけれど、100点は難易度が高いのですごいとおもう。
アルロンさんは点数を出して終わりではなかった。この日の食事内容を分析している。
つまり、この日の食事がとても理想に近いものだったということだ。それならば、その内容を分析することで、自分に足りないもの(あるいは過剰に摂取しているもの)を理解し、より健康的な食生活に近づくことができるのではないだろうか。
この発想はなかった。分析することで、「勝ちパターン」が見えてきそうで面白いと思った。
じつは、5年前にあすけんアプリを使って食事記録をしていたら、5ヵ月で10kg痩せることに成功した。痩せてほくほくしていたわたしは、2つしか年の変わらないママ友に「年取ってるのに痩せてみっともない。これ以上ダイエットしないほうがいい」と言われてこころが折れて、8kgリバウンドしたのだった。
(わたしも大概不憫では)(みっともないって言葉、人生ではじめて言われてびっくりした……)
おわりに
まとめて読んでみて思ったのは、アルロンさんの作品には、
コミカルな楽しさ・面白さ
ほかの人とはちがう新しい発想
初見でも読みやすいていねいな設計
があるなということだった。ジャンルの違う記事をいろいろ読んでみたけれど、どの作品もとてもたのしめました!
あと1ヵ月、まだ書かれるのでしょうか。たのしみにしています。
▼わたしも創作大賞挑戦中です。全部門応募しました。まだまだ書くので、あまり読みに行けていないのですが……7月はたくさん読めたらいいなあと思っています。
▼どの作品もがんばったけれど、いちばん産みの苦しみを味わったお仕事小説がお気に入りになりました。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます♡