理学療法士の未来をどう見るか(私の一年間の思考の変化)
今回は、現在の自分と1年前の自分の理学療法士の未来予測に、どのような変化が生じたのかを確かめるために考えてみました。
1年前の私は、理学療法士の未来を主に「個人の専門性」という視点から考えていました。理学療法士が増え、給与の上昇が期待できない状況であっても、医療の現場で知識・経験・技術を磨き、「これが私の理学療法だ」と言える専門性を持つことが、将来の価値につながるとハッキリと考えていました。つまり、価値の源泉を理学療法士個人の中に置いていたのだと思います。また、世界水準の教育が日本に導入されることで、自らの理学療法をより明確にできる可能性にも期待していました。
しかし1年間考え続ける中で、問いは少しずつ変化していたようです。現在では、個人がどのような技術を持つかだけでなく、「そもそも何を価値とするのか」「その価値を誰が評価するのか」という、専門職を取り巻く構造そのものに関心が移っています。国際標準についても、それを目指すこと自体を目的とするのではなく、科学的方法や倫理などを共有するための手段として捉え、日本固有の社会課題に応じて理学療法の目的や価値を考える必要があるのではないかと思うようになっています。
この視点からベテラン理学療法士の未来予測を見ると、異なる階層から同じ未来を捉えていることが分かります。ベテランの予測は、理学療法士の増加によってこれまで成り立っていた希少価値の低下を起点に、求人減少、報酬低下、雇用形態の流動化、養成校の淘汰など、労働市場と職業構造の変化を描いています。一方で、現在の私の関心は、その変化によって既存の価値基準そのものが揺らぎ、理学療法士の価値を定める評価軸や専門職の役割自体が再構成される可能性に向かっているという流れにあるのだと感じました。
1年前の私は「理学療法士としてどう生き残るか」を真剣に考え続けていましたが、今は「理学療法士という存在を、社会の中でどう位置づけるか」を考えているよに思われます。
つまり、1年前は「自分は何を身につけるのか」を考えていました。そして現在は、「何を価値とする社会をつくるのか」を考えています。変わったのは理学療法への関心ではなく、価値を見る位置そのものなのだと思いました。
