ぶどう飴 御菓子司山善 盛岡市 和菓子なスクチャイ200 2025.12.03
和菓子なスクチャイ200 岩手県 > 盛岡市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
ぶどう飴 御菓子司山善 盛岡市




1.盛岡駅ビル「山善」で買った
これは山善の他の和菓子、すでに紹介した「豆銀糖」「からめ飴」「すあま」「利久饅頭」「かぼちゃ饅頭」「もちもち焼き」「もりおか絵巻」と一緒に、その場に並んでいた商品から思いつきで買ったものだ。
4個入りで値段は税込550円だった。。
中身の写真を見て山形の「のし梅」のようと思って買ったのだが、やっぱりそうで、飴と言っても固くてしゃぶる飴ではなく、かと言って「のし梅」のような柔らかくて簡単に切れるゼリーでもなく、粘りがかなり強い固めの水飴の固まりという感じだった。
2.ナガノのくまが囓った跡

粘りが強いので噛み切ったり千切ったりすることが困難で、いつも写真に撮るときにやる、「ナガノのくま」が食べたようにお菓子の片隅を削ったり千切ったりするのだが、今回の「ぶどう飴」は粘りが強すぎて千切るのが難しかった。
なお、自分で齧ったら早いのだが、人が齧った断面を見せるのは見る人によっては不快感を催させる恐れがあるので吾輩はこれまでもそうしていない。
ただ、あたかも齧ったような形状にしているので本当に齧って写真を撮っていると思う人もいるかもしれない。
ここで改めて言っておくが、これまで見せ続けている齧った断面は本当に吾輩が齧っているのではなく、ぬいぐるみが感じったように見えるような断面にわざと千切ったり切ったり削ったりしているのだ。
3.歯にくっつく系
それはともあれ食べる時は当然自分で齧っているのだが、今回の「ぶどう飴」は見事に歯にくっつく系であった。
これまでも何度か書いたが、ヌガーやキャラメルなど「歯に付く系」は吾輩は苦手なのだ。
しかしこの「ぶどう飴」はそんなにひどくはなく、すぐに歯から取れることもわかった。
味は、ほんの少しぶどうの風味があるかないかの甘い水飴と言った感じだ。
表面はべとつくこともなく、サラサラの状態で指でつまみやすく、齧る時は弾力はあるが齧り切れないこともない強力な水飴を食べているような食感だった。
4.原材料にオブラート?


原材料名には、水飴、砂糖、山葡萄果汁、寒天そしてオブラートと書いてあり、妙な添加物は使っていないのだ。
・・・と思ったが、最後の「オブラート」だけが気になった。
そんなもの使ってないやん?
オブラートで包んだお菓子と言えば九州のボンタンアメを思い出すが、それは誰もが見てすぐにわかるように「オブラート」で包んでいてそのまま食べる飴ちゃんだ。
ちなみに今の人(例として中高生)は「オブラートに包んで話をする」などの表現は使うものの本物のオブラートを知らない子が多いのだ。
オブラートで薬を飲むこともない時代なので無理もないが、そんな子たちにはとりあえず「ボンタンアメ」を買って見てみてから食べろ、と言うしかない。
丸くて薄い紙の箱に何枚も重なって入っているオブラートが家に常備されているとは到底思えないからだ。
それで、この「ぶどう飴」のどこにオブラートが使われているのかが気になってきた。
ともかくこの「ぶどう飴」には見る限りオブラートで包まれていないのだ。
今は冬なので使わなくていい?
高温多湿になる夏季だけオブラートで包む?
勝手な吾輩想像だけでここには書けないので、吾輩は山善本店に電話で問い合わせてみた。
5.山善本店に電話問い合わせ
すると・・・電話に出たおばちゃんは(女将さんか従業員かは確認しなかった)「オブラートは使ってますよ〜」と言った。
(どこに!? ないやん!)
吾輩は手元の「ぶどう飴」を触りながら、自分の目の真にあるやつはオブラートでは包まれてないですよ、と言ってみた。
するとおばちゃんは、
「表面についてますよ〜。表面、サラサラでしょ? それがオブラートなのですよ〜」
と言った。
言われてみればキラキラと光る粉っぽい粉状のものが表面についていて、そのおかげか表面はまったくべとつかないのだ。
おばちゃんによると、
「昔からこのぶどう飴にはこんな感じでオブラートを使っているのですよ!」
とのことだった。
製菓の材料を扱う業者からこの粉状のオブラートを仕入れているのだそうだ。
そのようなオブラートの存在を知らなかった吾輩は大いに勉強になった。
おかげでベタつかないし、食べる時もボンタンアメのようにオブラートがカサカサ口の中で邪魔しないのでいいではないか!
そうするとボンタンアメはなぜこのような粉のオブラートを使わないのだろうか?
ボンタンアメは好きだが、あのオブラートのカサカサ感が少し苦手だったのだ。
かと言ってボンタンアメにオブラートはめくって剥がすわけにもいかない。
幼少時から何度も剥がそうと試みて、絶対に全部は剥がれないと悟って諦めたこと多しなのだ。
そんなわけで写真でも見える表面のキラキラ輝く粉っぽいものがオブラートだとさ。
吾輩てっきり砂糖か片栗粉のような粉をまぶしてあると思っていたのだ。
わざわざ電話をかけて訊いてみて良かった。誤解のまま書いたり人に話したりしなくて良かったと思った。
6.「庭のぶどう」
山善の「ぶどう飴」の最大の特徴はその原料にあり、それは山善の店舗の裏庭には立派な「山ぶどう」を育てていて、その山ぶどうを収穫して搾った果汁を使うのが昔からの山善流なのだ。
その山ぶどうを手絞りし、水飴や寒天と煮詰めて作る。
「山ぶどう」は岩手県(特に久慈地域など)の特産品であり、滋養強壮に良いと珍重されてきた歴史がある。
7.「飴」なのに「ゼリー」
「ぶどう飴」という名前だが、実際には「飴」と「ゼリー」の中間のような独特の食感を持っている。
寒天でしっかり固めた一般的なゼリー菓子(長野県にみすず飴など)に比べ、山善のものは水飴の比率が高く、ねっとりと伸びるようなコシがある。
噛むと、断面から宝石のような深い赤紫色の光沢が顔を出す。
着色料ではなく、天然の山ぶどうならではの「本物の色」なのだ。
8.新デザイン「MOYANE(モヤーネ)」
このぶどう飴は100年以上の歴史がありますが、最近では「MOYANE(モヤーネ)」というプロジェクトを通じて、新しい世代にも注目されている。
2022年に若手デザイナーとのコラボレーションでパッケージを一新した。
ぶどうの実が連なっているような可愛らしい形状のパッケージで「第9回新東北みやげコンテスト」のデザイン特別賞を受賞した。
4個入りのパッケージには持ち手(紐)がついており、まるで「ぶどう狩り」をして持ち帰るような楽しさが演出されている。
9.季節限定
山善の公式サイトなどの情報によると、この「ぶどう飴」は季節限定(秋から春先、10月上旬〜4月末頃まで)での販売となることが多いようだ。
山ぶどうの収穫時期に合わせ、最も美味しい状態で届けたいという職人のこだわりが感じられる。
冬の盛岡で、暖かいお茶と一緒にこの甘酸っぱいぶどう飴をいただくのは、地元の人にとって格別のひとときなのだろう。
10.盛岡藩主への献上菓子
「ぶどう飴」のルーツは古く、江戸時代に盛岡藩のお殿様に献上された茶菓子であったとも伝えられている。
素朴な外見ながら、かつては高貴な人々が滋養のために口にした「歴史あるサプリメント」のような存在だったのかもしれない。
(おわり)
