利久饅頭 御菓子司山善 盛岡市 和菓子なスクチャイ185 2025.12.03
和菓子なスクチャイ185 岩手県 > 盛岡市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
利久饅頭 御菓子司山善 盛岡市




1.朝食後のおやつ続き
盛岡駅の山善で朝食後に食べる生菓子を買ってまずは「すあま」を食べたことは前回記事にした。
吾輩はそれだけで済まず、その後さらに買っておいた生菓子を食べたのだ。
次に食べたのは「利久饅頭」だ。1個税込150円だった。
なぜ利休なのかは後回しにして、ともかくその利久饅頭も美味しかった。
どこかの温泉饅頭にも見えるし、ありふれたお土産用の饅頭にも見える饅頭だ。
しかし見て食べるだけではなかなかわからない謂れがあるのだ。
2.「利久饅頭」について
山善「利久饅頭」は盛岡の茶の湯文化と職人のこだわりが詰まった名品だ。
前回の「すあま」に続いてこのお饅頭にもいくつか興味深い話がある。
2.1.なぜ「利久」という名前か?
「利久饅頭」という名前は誰もが想像するように茶聖千利休に由来している。
これには大きく分けて2つの「茶人らしい」理由がある。
2.2.千利休が好んだ形と味
利休が茶会の席でお茶請けとして出した、あるいは非常に好んだと言われる「黒砂糖を使った小ぶりなお饅頭」のスタイルを総称して利久饅頭と呼ぶ。
2.3.茶褐色の皮
利休は華美なものを嫌い、わび・さびを重んじた。
黒糖を使ったこのお饅頭の独特な茶褐色(利休色)がその質素で深い精神性を象徴していると言われているのだ。
3.山善の利久饅頭のこだわり
3.1.皮の「コシ」
山善の利久饅頭を食べて気づくこととして、皮が非常にしっとりとしていて薄いながらも心地よい弾力があるのだ。
黒糖の風味を活かしつつ蒸し上げた時にパサつかず、口の中で餡と一体化するように絶妙な配合で生地が作られている。
3.2.こだわりのこしあん
中には雑味のないさらりとしたこしあんが詰まっている。
この「黒糖のコク」と「こしあんのキレ」のバランスこそが老舗の技術の見せ所だ。
これだけの特徴があるとまた食べたくなってくるものだ。
そんじょそこらの饅頭とは違うのだ。
4.盛岡と「利久」の意外な繋がり
盛岡は非常に茶道が盛んな街だ。
盛岡藩の藩主(南部家)が茶道を嗜んでいたことから、城下町として質の高い和菓子が求められてきた。
山善が材木町という歴史ある場所に店を構え、この「利休」の名を冠したお饅頭を作り続けているのは、盛岡が持つ「お茶文化のプライド」を象徴しているとも言える。
5.もっと美味しくなる「利久饅頭」の楽しみ方
名前が「利久」なので、やはり濃いめに淹れた熱いお抹茶や煎茶が最高に合うのだ。
黒糖の香りがお茶の苦味を引き立てるのだ。
もし食べ切れずに余ってしまったら(あるいは味変として)、衣をつけてさっと油で揚げて「揚げ利久」にするのも通の間で愛される贅沢な食べ方だ。
外のカリッとした食感と中の温かいあんこが絶品になるとのことだ。
6.日常の「すあま」と伝統の「利久饅頭」
「すあま」が日常の優しさを表すお菓子だとしたら「利久饅頭」は少し背筋が伸びるような、でもどこか落ち着く、伝統の深みを感じさせてくれるお菓子なのだ。
7.「利久」と「利休」
饅頭の名前だけではなく、商品名や店名などで千利休の「利休」を表す場合、縁起を担いで「利久」と書く場合がある。
山善の「利久饅頭」もそのひとつで「利久」は千利休の「利休」を表している。
(おわり)
