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究極のミニマリスト本に出会う

稲垣えみ子「寂しい生活」を読んだ。

今回は、印象に残った箇所や感想について書いていこうと思う。



「個人的脱原発」をきっかけにミニマリストへ

著者の稲垣えみ子さんは、2011.3.11の福島原発事故後の節電をきっかけに「個人的脱原発」を始める。掃除機、電子レンジなどを手放し、最終的に広い家と会社勤め、冷蔵庫やガス契約なども手放したそう。(ホテル住まいやノマドライフではなく、自宅はある)

家にある家電は電灯、ラジオ、パソコン、携帯のみで、ほぼ電池生活らしい…

え、どういうこと!?

稲垣さんは家電メーカーに勤める父親を持ち、幼少期から最新の家電に囲まれて育ったという。しかし福島原発事故以降、電力やモノを消費しまくる生活に疑問を抱き始める。

当たり前に所有していたモノを手放していくなかで、「欲とは何か」「豊かさとは何か」という問いに行き着く。本著では、そのプロセスなどが綴られている。

買わされる時代に生きて

高度成長期真っ只中の1970年代、「電通戦略十訓」という標語が作られたそうた。本著ではそのことにも触れられている。

もっと使わせろ
捨てさせろ
無駄使いさせろ
季節を忘れさせろ
贈り物をさせろ
組み合わせで買わせろ
きっかけを投じろ
流行遅れにさせろ
気安く買わせろ
混乱をつくり出せ

私たちが必要だと思っているモノやコトのほとんどが、本来はいらないモノなのかもしれない。


食生活もまた同じ

稲垣さんは、冷蔵庫を手放したことで自然と江戸時代のような食生活になっていったそうだ。

(中略)ご飯、味噌汁、漬物っていうのは、日本人にとってはやっぱりもう基本である。基本というのは毎日同じものを食べても飽きないということだ。毎日の食事は本当はうますぎてはいけないのかもしれない。
 うまいものは飽きる。だから毎日うまいものを食べていると、毎日違うものを食べなきゃいけなくなる。それを私は豊かさだと思ってきた。

これ…!四毒抜きをしている私にも深く頷ける部分であった。

モノも食生活も、結局はシンプルが一番快適!


これは、単なるミニマリスト系の本ではない

本著はミニマリストになりたい人、モノを減らしてスッキリしたい人には当然のごとくオススメしたい。

しかしながら、本著はミニマリストジャンルにとどまらない。人間本来の「生きる力」であったり、そもそも「生きる」とはどういうことか、ということにまで深く掘り下げられているからだ。

稲垣さんは、冷暖房器具を使わない生活にシフトした。すると、真夏の猛烈な暑さの中にも涼しさを感じる五感を取り戻したそうだ。掃除機を手放したら、面倒くさかったはずの掃除が「楽しいこと」に変わってしまった。

え、なんでそうなるの?って思いますよね…


このあたりの心境変化の描写が面白いのも必読ポイントだと思っている。

個人的には、災害が頻発する今の時代、読んでおくと心強いのではないかとも感じた。「そうだったそうだった。人間、どんな環境でも生きていけるものなんだよね〜」と感じられるからだ。


以上、稲垣えみ子「寂しい生活」の感想文でした。


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