見出し画像

緑と信仰、そしてやさしさの宝光社

山と水の気配を辿る|戸隠五社参拝記 その1

2026年5月16日。
朝、思い立って戸隠神社へ向かうことにした。

なぜだかわからないが、午前5時前、痒みと痛みを感じて目が覚めた。
どうやら手の甲を蚊に刺されたらしい。

かゆみ止めを塗りながら、ふと思う。

「戸隠神社へ行ってみようか」

思いつきに近い感覚だった。
けれど、不思議と迷いはなかった。

そういえば、ここ数日、戸隠神社を妙によく目にしていた。

YouTube。
インターネットの記事。
自分でも少し検索していた。

けれど、こういう「なんとなく」の感覚で神社へ向かうのは、ずいぶん久しぶりだった気がする。


最初、目的地は中社にしていた。

しかし、思っていたより早く到着できそうだったので、最もふもとにある宝光社へ向かうことにした。

着いたのは午前8時すぎ。

20台ほど停められる駐車場には、1台分だけ空きが残っていた。

「これはありがたい」

そんなことを思いながら車を停める。

境内前の道路には、例祭の旗が立っていた。

そこに書かれていたのは、

「愛亦既深」
「敬亦既篤」

という言葉。

「深い愛情を持ち、なおかつ敬意も厚い」

そんな意味らしい。

地域の方々と神社との関係、そのもののようにも感じられた。


宝光社・鳥居前

鳥居をくぐると、目の前に石段が現れた。

長い。

それが最初の印象だった。

ただ、あとになって思えば、この石段の長さにも意味があったのだと思う。

ゆっくりと手すりを伝いながら登っていく。

朝の空気はまだ少し冷たく、木々の緑もどこか湿り気を帯びていた。

登りきった先には、静かな拝殿が待っていた。

この日、朝6時30分から神楽が奉納されていたようだが、今はちょうど朝の準備が始まったところだったらしい。

静かに拝殿の扉が開き、その内部が少しずつ見えてくる。

まだ人の少ない時間帯の神社には、独特の静けさがある。

正面へ進み、静かに拝礼する。

二礼、二拍手、一礼。

ふと拝殿内を見上げると、天井近くに十二支の彫刻が飾られていた。

四方に三支ずつ。

自分の生まれ年の干支を探してみるのも、なんだか少し楽しかった。


宝光社・拝殿

参拝を終え、社務所の方へ足を向ける。

そこには、戸隠神社・五社参拝のパンフレットが置かれていた。

社務所の窓口は午前9時から。

まだ少し時間がある。

それなら一度、火之御子社と中社を回ってから戻ってこようか――。

そんなことを考えていた。

その時だった。

ふと、「神道」と刻まれた石柱が目に入った。

あとで知ったのだが、これは戸隠古道に置かれた三十六石のひとつで、拓本用の石柱なのだという。

五社参拝のパンフレットには、

「火之御子社 徒歩約15分」

という案内があった。

「あ、それなら歩いて行けそうだ」

そう思い、私はそのまま戸隠古道へと足を踏み入れた。

もっとも――。

その時の私は、
この道がどこへ続いているのか、
正確にはわかっていなかった。

ただ、
「神道」という文字と、
十五分という距離表示だけを頼りに、
そのまま歩き始めていたのである。


宝光社・神道石柱(拓本用)
向かって左側の出っ張りが拓本用の彫刻部

次回、
「伏拝所。神道は、神様の道だった」へ続く。


《関連リンク》

戸隠神社

ながの観光 net
戸隠古道ウォーキング拓本集印


【関連投稿】

牡牛座新月によせて
戸隠神社・中社参拝の様子を一足先に投稿しました。

伏拝所。神道は、神様の道だった|戸隠五社参拝記 その2

小さきながらも美しき、火之御子社|戸隠五社参拝記 その3

中心としての風格、中社|戸隠五社参拝記 その4



✍️ この記事を書いている人が気になったら──

筆者ふじけんのことが、少しずつわかる自己紹介noteも置いておきます。
投稿を続けてきた節目ごとの記録です。

So作家宣言|連続投稿444日目(2026-06-10)
🎰 777の日に、自己紹介してみた(100日投稿を超えて)(2025-07-07)
気づけば続いてた。40,000views、ChatGPT1周年、そして256日連続。(2025-12-04)


#戸隠神社  #戸隠五社参拝記 #宝光社 #戸隠 #長野 #神社巡り #山歩き #古道 #初夏 #季節を感じる

いいなと思ったら応援しよう!

ふじけん先生 読んでくださってありがとうございます。 最後までお付き合いいただけて感謝です。 いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!