【メモ】誰か……誰か【トライアル①】
僕のPCには座敷牢がある。
以前に記事にしたことがあるが、たくさんの未完成原稿の欠片が、そこで釈放を待っている。
書き始めたはいいが、何となく筆が止まったもの。特定のシーンだけが書きたくて、中途半端に書いたもの。そんなものが「まだ世には出せない形」で溜まっている。
それでもたまに、日常の出来事をきっかけとして、続きを書きたくなることもある。偶然にも僕の目に留まった罪人は、上手いこと書きあがれば、という条件で晴れて仮釈放となる。まあ、ほとんどは完成稿とはならず再収監されるのだが。
今日、ここに記したいのは実験である。
実験好きなお月さまは、空で静かに笑っているだろうが。僕はあえてここで、ある試みを実施したいのである。
実験①
座敷牢の罪人は、他人の手によって釈放されることがあるのだろうか。
実験②
複数の人の手で釈放された場合、その罪人の色はどれほど変わるのか。
ここまで書けば、皆さんは察しただろう。
「ああ、こいつ、中途半端な文章の続きを誰かに書かせようとしているな」
そうだ。そのとおりだ。僕が釈放できなかった罪人。彼らは「僕の無能さ」ゆえに更生の機会を失い、社会復帰できないでいるのかもしれない。僕はそれが知りたいのだ。
本実験は、誰か一人でもお応えしてくれれば成功とする。できれば何人かが罪人の社会復帰に手を貸して頂けるとありがたい。
鼻毛と乾杯の挨拶は長いと嫌われる。
今回紹介する罪人はこれだ。
十二月の校舎は鉄の箱のようだ。雨風を防ぐ代わりに、それ自体が保冷材のように冷気を帯びている。足元から、壁の芯から、僕の真ん中の熱まで奪おうと手を伸ばしてくる。無数の冷たい手から逃れるため、僕はできるだけ廊下の中心を歩いて部室へ向かう。
この季節、入口の扉が閉まっていると身構えてしまう。部室の金属製のドアノブは、人の手による干渉を火花と破裂音で拒む。誰か来やしないかと振り返るが、灰色に染まった通路には猫さえ見当たらない。
意を決して火花を喰らおうとしていたときだった。
「川島くん」
背中から、鈴森春子の声がした。
ーーが、冷たい廊下には、僕と、僕を呼ぶ声しか存在していない。
首を傾げる僕に、その声は続ける。
「あ、ごめん。私、朝起きたら透明になってて」
冒頭フックだけ書いて、そのあとの展開が浮かばず懲役刑となった罪人A。こいつは半年くらいの雑居房生活をしており、仮釈放の目途すらたっていない。
どなたか、この罪人に更生の機会を。
30字でも、2万字でもいいので、続きを。
記事のタイトル、内容、形式問わず。
なんなら冒頭すら改変してOK。
もし社会復帰に成功した場合は、本記事のリンクだけ貼って頂ければ、私は保護観察官の顔で読みに行きます。
実験の成功を祈りつつ、アディオス!
