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【🎨海外・展覧会レポ】サンフランシスコ近代美術館「Matisse's Femme au chapeau: A Modern Scandal」ほか

【#351、約5,900文字、写真約140枚】
サンフランシスコ近代美術館に初めて行き、常設展や企画展「Matisse's Femme au chapeau: A Modern Scandal」などを鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。

▶︎ 結論

サンフランシスコに行ったら絶対に行くべき美術館でした!それは主に、1)MoMAより広く、センスの高い展示空間で快適に鑑賞できる、2)巨大な作品や、有名で質の高い作品が膨大にある、3)アメリカの寄贈文化に触れられたことによります。チマチマした日本と違い、とにかくすべてのスケールが段違い!普段とは違ったアート体験ができること間違いなし!

留意点は以下です。
・じっくり見るなら3時間以上必要
・普段は17時閉館、木曜のみ20時まで開館
・観覧料は$30(約4,500円)と若干高額
オリジナルグッズの種類は事前に要確認

おすすめ度:★★★★☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★★☆☆
展覧会名:「Matisse's Femme au chapeau: A Modern Scandal」ほか
場所:サンフランシスコ近代美術館
会期:May 16–September 13, 2026
休館日:水曜日
開館時間:10時00分~17時00分(木曜日は20時まで
住所:151 3rd St, San Francisco, CA 94103, USA
入場料(一般):$30(常設展)
事前予約:不要
所要時間:2時間以上
撮影:すべて可能
URL:こちら


▶︎ アクセス

サンフランシスコ近代美術館(以下、SFMoMA)は、サンフランシスコの中心市街地にあります。付近を歩くと『ベイマックス』『ミニオンズ フィーバー』などを思い出しました。

ジェットコースターのような坂道
奥に見えるのはフェリー・ビルディング
Supreme
カリフォルニア州旗をモティーフにしたDUNK SBを思い出す
キースの屋外アート
街の中にポーン!と出現

▶︎ サンフランシスコ近代美術館とは?

✔️ 日本にある美術館との共通点

1935年、西海岸で初めて20世紀の芸術品のみを扱うサンフランシスコ美術館がオープン(ビルの4階ワンフロア)。そして1975年、作品群の充実により、サンフランシスコ⚫︎⚫︎美術館(San Francisco Museum of Modern Art、通称:SFMoMA)にレベルアップ。

美術館は何度か移転を経験。一番の転機は1995年、マリオ・ボッタによる象徴的な建物が完成したことでした。

どこかの美術館に似ている…

日本にあるマリオ・ボッタの建物は、ワタリウム美術館。中心に入った筋や、水平に入った模様がそっくりでした。

ワタリウム美術館(画像引用

▼ Leeum美術館(韓国)もマリオ・ボッタの設計

✔️ 改装で大幅パワーアップ!

2016年、建築家ユニット・スノヘッタによる増築で再オープン。正面からの見た目は変わらず。

印象的な丸い吹き抜け

しかし、階層が5階建てから10階建てに、展示スペースは約3倍(約6,500㎡→約15,800㎡)にアップグレード。それにより、SFMoMAは、NYのMoMA(2019年リニューアル後の約15,300㎡)を超える面積になりました。

後ろから見たSFMoMA

また、後ろからの様子も劇的に変わりました。サンフランシスコ特有の霧と波から着想を得た白いファサードが備え付けられました。

正面と表情が全く違う裏側(画像引用

そのほか、入り口を複数にしたり、巨大な無料公開スペース(約4,180㎡)を追加したり、各階に屋外ギャラリーを増やしたりしました。

新設された入り口

✔️ GAPと深い関係

2016年にフィッシャー・コレクションが一般公開(今年で10年目)

SFMoMAで特徴的な点が、フィッシャー夫妻(GAP創業者)によるコレクション。ドナルド・フィッシャーは、生粋のサンフランシスコ生まれ、サンフランシスコ育ち。GAPの1号店も本社もサンフランシスコにあります。

フィッシャー・コレクションは膨大で、3〜6階で、テーマ別に展示されていました。代表的な作品は、カルダー、リヒター、キーファー、ウォーホル、リキテンスタイン、ソル・ルウィットなど。それら1,100点以上の作品は、100年の寄託契約により預けられているそうです(2009年)。

“San Francisco is where we raised our family and opened our first Gap store, and we want to give back to the city we love by sharing the art that means so much to us,”

ドナルド・フィッシャーの言葉
⚫︎⚫︎ギャラリーがあちこちに

SFMoMAは寄贈・寄託によるコレクションが全体の95%を占めます。また、フロアマップを見ると、寄贈者の名前がついた展示室は数十あります。寄付文化が根付いていると、美術館の運営方法も変わるのが興味深いです。

たくさんの資金や作品をもっている場合、GAPのように信頼できる地元の美術館に寄託するパターンもありますし、ニトリやイオンのように自ら美術館を建てる場合もあります。

▼ イオンの創業者による美術館

ファーストリテイリングの創業者であり会長の柳井正もそのような考えがあるのでしょうか。個人への年間配当金だけでも年間311億円あります(48,621,852株 x 640円)。今後の動きに注目です👀

✔️ 観覧料は約4,500円!

現在、観覧料は$30。日本円で約4,500円!SFMoMAの帰り道、マクドナルドで比較的安めのバリューセットを注文したら、$14.22、日本円で2,339円でした。物価は日本の2〜3倍です。

日本で4,000円超えの展覧会は行きませんが、円安とアメリカの物価を考えると、約4,500円の観覧料も妥当かな、と思いました🥲

ちなみに、2021年のSFMoMAの観覧料は$18。5年で値段が約2倍になるとは、アメリカの物価高騰は日本とは比べ物にならないですネ。むしろ、日本が異常なのか?

▶︎ 展覧会 感想

SFMoMAでは入館料を払えば、膨大な常設展を見ることができます(企画展は別料金)。当日は7階は展示替え中だったため、6階〜2階の展示室で鑑賞しました。どのフロアもボリューム満点!

展示内容一覧

私は木曜日の18時から20時までを使って鑑賞しました。閉館まで時間が限られているため、サクサク見ていたつもりでも、最後はかなり駆け足で、全部は見切れず。ゆっくり楽しみたい人は、3時間は確保した方がいいです。

私は6階から順々に降りて鑑賞しました。作品数が膨大なので、以下、気になった作品を中心にピックアップ。

✔️ 6階

6階では、第二次世界大戦後の美術を中心に展開。主に、キーファーやウィリアム・ケントリッジなどの作品がメインでした。ちょっと怖い系の作品が多かったです。

6階すべてフィッシャー・コレクション
ウィリアム・ケントリッジ
シュールな作品が多い
キーファー
SFMoMAの良さを活かした大規模作品ばかり
リヒター
ウォーホル
ルイーズ
Rebecca Horn
急に現れるイサム・ノグチのコメント

✔️ 5階

5階もフィッシャー・コレクション。主に、カルダー、エルズワース・ケリー、ソル・ルウィットを扱います。フィッシャー夫妻が最もお気に入りのアーティストだったそうです。

この階には特に大規模な作品が多く、6階と違ってポップで明るい雰囲気でした。また、遊べるスペースもありました。

これは…、ソル・ルウィット?

光が多く入り、休めるスペースが多いため、快適に過ごせます。ここは、大人も子どもも、様々なカタチを使って楽しめる「COLAB」。

みんな遊びに夢中
ソル・ルウィット

2026年、東京都現代美術館での展覧会が記憶に新しいソル・ルウィット。私は行きませんでしたが、多くの方がnoteで投稿していたため、興味が高まっていました。

部屋のスケールが大きい!作品間のスペースもたっぷり取られているため、ゆったりした気持ちで鑑賞できました。狭い空間にたくさん置いてあると、情報量が多くなるため、1つの作品へ集中しづらいです。

枠のような作品は、原美術館で楽しんだ記憶が蘇る
壁7面を大きく使った作品
ふざけた長いタイトル(笑
エルズワース・ケリー

彼の作品はDIC川村記念美術館で見ました。この展示室の作品もすべてスケールたっぷり。見ていて楽しいです。

抽象的で大きな作品ばかり
語り合う人たち

SFMoMAで印象的だったことが、1人で来る人が少数派だったこと。また、複数で来ている場合は、作品の前や、ベンチに座って朗らかに感想を話し合っていることでした。

日本では、1人で美術館に来る割合は多めで、一緒に来ている人と話し込んでいる様子は少ない印象です。サンフランシスコでは、普段から美術に親しんでいるからこそ、感じたものを言葉にして伝える習慣があるのかな、と思いました。

また、館内では動画撮影もOK。アメリカの駅構内では楽器を演奏している人もいるくらいなので、日本のように「他のお客様が…」と細かいことは気にしないのでしょう。

カルダー
美術館の正面に設置されている、ちょっと怖い作品。
Rose B. Simpson《Behold》
入る時は黒いトンネルが、
戻る時は、精華なパープル。
オラファー・エリアソン《One-way colour tunnel》
下から見た様子
5階はカフェも併設
中庭もあり、大きな作品が5つ展示
ドラえもんに登場しそう
下の階ではプライベート・パーティが開催中

✔️ 4階

4階もフィッシャー・コレクション14名のアーティストの作品が部屋を分けて展示されていました。

英語だと何だかオシャレ

このフロアも有名どころがズラリ。一つひとつ鑑賞したかったものの、このままだと閉店までに全部見切れないと思い、鑑賞のペースを早めました

それぞれの人物紹介のキャプションの近くで、動画が埋め込んであるのはわかりやすかったです。キャプションと写真だけでは、伝わり切らないものがあります。

面白かったのが、Chuck Closeの作品
近づくとモザイク仕様
夜の美術館を仲間と楽しむ人たち
Dan Flavin

▼ テート美術館展でもDan Flavinを鑑賞

リヒター
ウォーホル
リキテンスタイン
Sigmar Polkeの作品。
タッチが日本人っぽい
トゥオンブリー

✔️ 企画展「Matisse's Femme au chapeau: A Modern Scandal」

マティスの企画展が開催中でした。また、当日は会員のみが入れる「Member Previews」の日。しかし、なぜか私も入れました。旅行者っぽいアジア人へのお情けなのか「木曜の夜だし適当でいいや」という感じだったのか、真相はわかりません。$10得してラッキーでした(笑。

▼ 直前(〜5/3)まではKAWSの企画展…行きたかった!

マティス、マルケ
企画展のメインビジュアル作品

サンフランシスコ美術館の開館2年目、初の展覧会はマティスでした(1936年)。また1990年、マティスが妻・アメリーを描いた《Woman with a Hat(帽子の女)》が寄贈されました。

これが描かれたのは1905年。当時は、大胆すぎるタッチや色使いでアート界隈に衝撃を与えたそうです。この収蔵は、SFMoMAの年表にも掲載されているメモリアルな作品です。

今見ても挑戦的な絵画

NHK『3か月でマスターする西洋美術』でも、マティスのこの作品は「色は自由でいい、と新しい絵画へ踏み出した作品」として紹介されていました。

展示室内は、1905年の「サロン・ドートンヌ」を再現。マティスのほか、ドラン、マルケ、ヴラマンクなどの絵画が並んでいました。

✔️ 3階

3階には、SFMoMAでも重要なコレクションである写真作品が展示

写真展示のほか、Claes Oldenburg + Coosje van Bruggenの部屋もありました(これもフィッシャー・コレクション)。

日常のありふれたものを巨大化させる彼らの作品は、サンフランシスコにもキューピッドの弓矢があり、親しまれているそうです(場所)。東京ビッグサイトの近くにあるノコギリも彼らの作品です。

《Cupid's Span》(画像引用

また、3階にはカルダーなどの屋外作品も展示されていました。

なお、この明るさで19:30!明るすぎて、体内時計が狂いそうです。

赤いストライプは、Barbara Stauffacher Solomonによる作品

✔️ 2階

チケット売り場がある2階でも、まだまだ続くコレクション展。ここでは主に、20世紀初頭から現代までの近代美術が並んでいました。

「modern means new」という明朗回答
デュシャン
ブラック
ロスコ
新収蔵品に岡田謙三の作品があってビックリ!

▼ 岡田謙三記念館を併設する秋田市立千秋美術館

桂ゆき(新収蔵品)
インディアナ、ウォーホル
Barry McGee《Untitled》

まだ2階や1階に見ていない作品が残っていましたがギブアップ

✔️ ミュージアムショップ

最後に1階のミュージアムショップへ。ここも展示室同様に広い(笑。

SFMoMAのロゴが入ったステッカーなどのシンプルなグッズを探していたものの存在せず。また、オリジナルグッズが売り場内に点在(1カ所にまとめてほしい!)。グッズ情報は前もって確認した方が良いと後悔しました。

最終的に、ポストカード(税込$2.17)とピンバッジ(税込$14.06…2,315円…高い!)を購入し、20時ギリギリに美術館を後にしました。

▶︎ まとめ

購入したグッズ

いかがだったでしょうか?サンフランシスコに来たら、絶対に行くべき美術館でした。有名でクオリティの高い作品、巨大な作品が膨大な数で展示されています。また、美術館自体もとても鑑賞しやすい快適な環境でした。日本円換算だと若干高額な観覧料だったものの、強くオススメです。ゆったり鑑賞する場合は、3時間は必要でした!

▶︎ 次回予告

次回は、東京都写真美術館の展覧会「TOPコレクション 明日の食卓」「TOPコレクション Don't think. Feel.」を投稿する予定です。

▶︎ 今日の美術館飯

★3.2/McDonald's Restaurant #36677 (米国/サンフランシスコ) ー Spicy McCrispy Meal ($14.22)

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