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【海外・展覧会レポ】ストックホルム近代美術館「常設展」「Katalin Ladik Ooooooooo-pus」

【#278、約5,200文字、写真約75枚】
スウェーデンにあるModerna Museetストックホルム近代美術館)に行き、常設展や企画展を鑑賞しました。その感想を書きます。

※ 企画展の会期はすでに終了しています。

▶︎ 結論

スウェーデンの首都・ストックホルムから歩いていける近代美術館です。世界的に有名な作家の作品も多いため、アートに興味がある人も、観光で訪れた人も楽しめます。私は、キュレーションや作品群から、スウェーデンの国民性が垣間見られた点が最も印象に残りました。海外に行った際、現地の歴史や価値観を知る目的で美術館へ行くのは大いにアリです。

おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★☆☆☆
展覧会名:「Katalin Ladik Ooooooooo-pus」ほか
場所:Moderna Museet(ストックホルム近代美術館)
会期:9.11 2024 – 18.5 2025 ほか
休館日:月曜日
開館時間:10時-18時(火曜日、金曜日は20時まで)
住所:Skeppsholmen, Stockholm. Main entrance: Exercisplan 4
アクセス:ストックホルム中央駅から徒歩で約30分
入場料(一般):150 SEK(約2,000円)
事前予約:不要
所要時間:約1時間半
撮影:すべて可能
巡回:未確認
URL:こちら


▶︎ アクセス

王冠で有名なシェップスホルメン橋

ストックホルム近代美術館へは、ストックホルム中央駅から徒歩で約30分(約2km)。風光明媚な景色を見ながら歩いていても、楽しいです。美術館近くにバス停があるため、バスを使っても行けます。

島の中には4つの美術館・博物館がある

▶︎ ストックホルム近代美術館とは?

ストックホルム近代美術館は、国立の美術館です。収蔵作品は、20世紀初頭を中心に合計約13万点(ピカソ、ダリ、ラウシェンバーグなど)。そのうち、写真作品が約10万点を占めます。

1958年、ストックホルム国立美術館から、シェップスホルメン島の旧海軍練兵場へ作品を分けて、開館。現在の建物は、1998年、旧美術館の敷地に隣接して完成しました(スペインの建築家ラファエル・モネオの設計)。

Moderna Museetモダーナ・ムセエット」は、スウェーデン語で「Modern Museumモダン・ミュージアム」の意味。すなわち「近代美術館」です。

2009年、スウェーデン南部のマルメに分館として、マルメ近代美術館も開設しています。

ストックホルム近代美術館に「ArkDes」が隣接しています。建築をメインに取り扱う国立博物館です。「ArkDes」とは「the National Centre for Architecture and Design」の略。

もともとはスウェーデン建築博物館(1962年)だったものが、何やかんやあって、2024年9月「ArkDes」としてストックホルム近代美術館の横に移設しました。私は、時間の都合上、入場しませんでした(入場無料)。

そのほか、美術館内には、グッズ売り場やカフェ、レストランも充実していました。

楽しげなニキ・ド・サン・ファルの屋外作品
/ ピョーン! \
アレクサンダー・カルダーの巨大なモビール作品

▶︎ 常設展 感想

チケット

常設展は3つ開催されていました。150 SEK(約2,000円)で常設展と企画展が見られます(常設展だけの料金はない)。

常設展は、横並びの平屋空間が3つ連続しています。建築は全体的にシンプルで単調でした。

展示室をつなぐ廊下

撮影は自由でした(現地の人で、作品を写真に撮る人はあまり見かけませんでしたが)。

館内マップ

1)The Subterranean Sky -Surrealism in the Moderna Museet Collection-(26.10 2024 – 11.1 2026)

ストックホルム近代美術館が強みをもって収蔵(一部レンタルも含む)するシュルレアリズム作品を扱う常設展です。

入って早々感じたのは「スウェーデンの作品は(精神的に)暗い!」ということ。明るい作品はほぼありません。これは国民性なのでしょうか。

Joan Miró《Head of Catalan Peasant》
Joan Miró《The Red Creature》
Alexander Calder《The Forest is the Best Place》
Giuseppe Arcimboldo《The Four Seasons: Spring, Summer》《The Four Seasons: Autumn, Winter》
Giuseppe Arcimboldo《The Trojan Horse》
若干、気色悪い
Odilon Redon《Everywhere the eyes are blazing...》
パナソニック汐留美術館でも人気だった「ルドン展」(2025.4.12-6.22)

日本であれば「浮世絵」といった垢抜けたジャンルがあります。一方で、スウェーデンでそのような作品はほぼ皆無。トーンが全く違うと感じました。

▼ 浮世絵の展覧会@北海道立近代美術館

Man Ray《 Obstruction》
Marcel Duchamp《Fountain》
私の好きなデュシャンの「泉」を見られて感動!
Louise Bourgeois《 Quilting》
だから怖いって…

▼ ルイーズ・ブルジョワの展覧会@森美術館

Rebecca Horn 《Ostronpiano》
Niki de Saint Phalle《 Two Guns and One Knife》
サンファルは「射撃絵画」を含め、サディストな面がある
René Magritte《 The Red Model》
怖い…
動画作品もあります

2)Pink Sails -Swedish Modernism in the Moderna Museet collection-(17.6 2023 – 31.8 2025)

ストックホルム近代美術館の収蔵作品から、1900〜1940年代に制作された作品を中心に紹介。当時のスウェーデンでは、大都市からの影響により、農業社会から工業社会に移り変わります。そこでは、戦争への不安などが作品にも反映されました。

Axel Petersson《 The Funeral》
お葬式の様子。だから暗いってば
Ninnan Santesson《 Girl's Head》
悲しそう

美術館の前には、楽しそうに踊るニキ・ド・サン・ファルの屋外作品が展示されていました。しかし、館内の暗い作品たちとの対比がすごかったです。

対話式のプログラムが実施

3)Yet Another Morning ーDrawing in the Moderna Museet Collectionー(22.2 2025 – 10.5 2026)

「ドローイング」に焦点を当てたコレクション展。さまざまなテーマや技法によるドローイングが、彫刻、映像作品とともに展示されていました。

展覧会の趣旨に則り、会場内ではドローイングを試みる人がチラホラいました。日本ではあまり見かけない試みです。むしろ日本では「模写禁止」とする美術館もあるほどです。国によって、美術館の運営姿勢が違う点も興味深かったです。

▼ 模写禁止を鑑賞者に求めるアーティゾン美術館

Yoko Ono《 Touch Poem》
Cy Twombly《 Roman Notes,》
Lena Svedberg《 The Sow》

中には、同性愛を表現した作品も多かったです。日本では「ここが同性愛のゾーン!ウチの美術館は多様性にもしっかり配慮してまっせ!」というアピールが強いです。

一方で、ストックホルム近代美術館では、そのような作品が何のアピールもなく、他の作品と並列して展示されています。このあたりに、そもそもの多様性に対する意識の差が現れていると感じました。

Louise Bourgeois《 Blue Is the Color of Your Eyes》
休憩スペースから見える風景

noteで展覧会の感想をまとめていると、多少なりとも知識が積み重なっていきます。ストックホルム近代美術館でも「あ!コレは誰々のアレかぁ〜」という場面が多かったです。ただ見るだけではなく、noteで振り返りを記録しているからこそ、脳に定着していると実感しました。

Egon Schiele《 Self-Portrait in Crouching Position》
東京都美術館でも大人気だった「エゴンシーレ展」(2023.1.26~4.9)
Alberto Giacometti《 Grande figure》

ストックホルム近代美術館で初めて見た取り組みとして、携帯式のイスがありました。このイスは鑑賞者が自由に持ち出してOK。作品の前に置いて、ゆっくりと鑑賞できます。日本でそんな取り組みを実施したら、一部の人から「邪魔だ!」とクレームが来そうです。

携帯式のイス
対話式プログラムでも使用

▶︎ 企画展「Katalin Ladik Ooooooooo-pus」感想

開催期間は9.11 2024 – 18.5 2025。Katalin Ladikは、セルビア生まれの女性(現在、82歳)。音、写真、パフォーマンスアートを得意とするようです。

詩の作品からは、カール・アンドレと同じ雰囲気を感じました。

▼ カール・アンドレの展覧会@DIC川村記念美術館

会場内では「Ooooooooo-pus」という不気味な声が反復されていました。どれも前衛的な作品だったため、草間彌生的な印象でした。常設展と同様に「怖い、暗い」と思わせるキュレーションと作品群でした。

▶︎ 美術館で国民性を垣間見る

ヒルマ・アフ・クリント(スウェーデン人)のグッズ

常設展と企画展を含め「暗い!」と感じました。美術館の建築に関しても、シンプル・質実剛健という印象でした。

スウェーデンでは、長く寒く暗い冬、短い日照時間などが影響して「内向き」な傾向があるそうです。また、スウェーデンでは「Lagom」といって「謙虚・ほどほど」が重視される考えがあるそうです。そのような背景から、美術館のキュレーションや収蔵作品にも国民性が現れていた点が興味深かったです。

なお、ぱっと見、スウェーデン人は「冷たい」ように感じました。しかし、一度話すと、楽しくコミュニケーションしてくれることも多かったです。

企画展でチケットを見せた時、受付のお姉さんは「どうぞ」といったクールな対応でした。企画展を出た後「作品がめっちゃ怖かった」と一言伝えると「そうでしょ!他の人もみんなそう言うのよ!ウー!」的な楽しい反応が返って来ました。

ちなみに、スウェーデンの有名な企業では「Volvo」「Spotify」「H&M」があります。また、アーティストで言うと、国立近代美術館の展覧会が大人気だったヒルマ・アフ・クリントがいます。確かに、妖精的なクリントの作品を見ると「スウェーデンっぽいなぁ」と感じました。

▼ ヒルマ・アフ・クリント展の感想

▶︎ まとめ

買ったポストカード。Marcel Duchamp《Fountain》

いかがだったでしょうか?美術館に収蔵された作品を見るのも楽しかったですが、最も印象に残ったのは、キュレーションや作品群からスウェーデンの国民性が読み取れたことでした。アートとは、思想・感情が表現されたものです。当然、国柄によって性質も左右されます。現地の考えを知るには、美術館に行くのも有効な手段だと思いました。

▶︎ 今日の美術館飯

★3.3/MAX Hamngatan (スウェーデン/ストックホルム) ー Classic '68 Cheese Jr meal (63.00 SEK)
★3.2/Espresso House Västerlånggatan STO (スウェーデン/ストックホルム) ー Fika (79 SEK)
★3.3/Tradition (スウェーデン/ストックホルム) ー KLASSISKA KROPPKAKOR (245 SEK)

▶︎ そのほかスウェーデンでの気づき

ストックホルム市街地のユニクロ
  • 電車はクレジットカードのタッチ決済で乗れるため便利

  • 鉄道・バスが発達しており移動が容易

  • 建物が質素で無機質

  • 街はどこも静か

  • 情報が氾濫しておらず質素

日本と違ってシンプルな広告
  • エレベーターは誰も歩かない

エスカレータは誰も歩かない
  • スウェーデン人は服装に気を使わない。手ぶらが多い

  • 食事しながらケータイを見るのはアジア人だけ

ストックホルムで最も幅が狭いモーテン・トローツィグ・グレン通り
  • 朝が早く、カフェも早朝から営業している

フィンランド教会の「Iron Boy」
  • 電車の中は静か。しゃべっている人は旅行者のみ

幸運・魔除けなどに使われるダーラヘスト

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