研修が「眠い時間」で終わる人へ『講師・インストラクターハンドブック』が教えてくれる、“参加者主体”の研修デザインとは
研修講師、手話通訳士の横山熊太郎です。
AIを活用しながら、シニア向けの情報や、書籍やガジェットの紹介などをしています。
「一生懸命説明しているのに、受講者の反応が薄い」
「研修後のアンケートは悪くない。でも、現場で行動が変わらない」
「話して終わりの研修になってしまう」
講師や研修担当をしていると、こうした悩みにぶつかることがあります。
実は私自身も、手話通訳や研修講師として活動する中で、「伝えたつもり」と「伝わった」の違いに何度も悩んできました。
そんな中で出会ったのが、
『講師・インストラクターハンドブック 効果的な学びをつくる参加者主体の研修デザイン』
という一冊です。
この本は単なる「話し方の本」ではありません。
“どうすれば、人は本当に学ぶのか”
を、実践レベルで徹底的に考え抜いた本です。
特に、
・研修講師
・企業研修担当
・学校教員
・手話講師
・インストラクター
・ファシリテーター
・オンライン講座運営者
には、かなり刺さる内容だと思います。
この記事では、この本の魅力を、現場経験者の視点も交えながら深掘りしていきます。
この記事を読むことで、
・なぜ研修が「退屈」になるのか
・参加者主体の研修とは何か
・すぐ実践できる改善ポイント
・講師として成長するための視点
が見えてくるはずです。
なぜ、多くの研修は「聞いて終わり」になってしまうのか
研修には、不思議な現象があります。
講師は一生懸命話している。
内容も間違っていない。
スライドもきれい。
なのに、参加者の記憶に残らない。
これは、講師の能力不足だけが原因ではありません。
実は、人間の学習構造そのものに理由があります。
「受け身」の学習は、定着しにくい
教育分野では昔から、
「人は、聞くだけでは忘れる」
と言われています。
アメリカの国立訓練研究所(NTL)が示した“ラーニングピラミッド”では、
・講義だけ → 定着率5%
・読む → 10%
・視聴覚 → 20%
・ディスカッション → 50%
・実践 → 75%
・人に教える → 90%
という考え方があります。
数値自体には諸説ありますが、
「参加した方が学びは深くなる」
という本質は、多くの現場で実感されています。
この本がすごいのは、
その“参加型学習”を、理論だけではなく、具体的な研修設計として落とし込んでいる点です。
この本の最大の価値は「講師中心」からの脱却
多くの講師は、
「自分がうまく話さなければ」
と考えます。
しかし本書では、むしろ逆の視点が示されています。
主役は「講師」ではなく「参加者」
本書で繰り返し語られるのは、
「参加者が動くこと」
の重要性です。
例えば、
・隣同士で話す
・短時間で意見交換する
・自分で考える
・体験する
・アウトプットする
こうした要素を入れることで、研修は一気に“自分ごと”になります。
これは、手話学習とも非常によく似ています。
手話も、見るだけでは身につきません。
実際に手を動かし、
間違え、
修正し、
相手とやり取りする中で初めて定着します。
つまり、
「参加すること」
そのものが学習なのです。
講師が陥りやすい「説明しすぎ問題」
この本を読んでいて、個人的に非常に刺さったのが、
「講師は話しすぎる」
というテーマです。
不安な講師ほど、情報量を増やしてしまう
経験が浅いほど、
「もっと説明しなければ」
と思いがちです。
しかし参加者側からすると、
情報量が多すぎると、逆に集中力が切れます。
これは手話通訳でも同じです。
全部を詰め込むと、
かえって伝わらない。
だからこそ必要なのが、
「削る力」
です。
本書では、
・短く区切る
・参加を挟む
・問いを使う
・考えさせる
・沈黙を恐れない
など、現場で使える具体策が非常に豊富です。
読んでいて、
「これは明日から使える」
と思える内容が多いのが魅力です。
オンライン研修時代だからこそ価値が高い
最近はZoomなどを使ったオンライン研修も増えました。
しかしオンラインは、
対面以上に“受け身化”しやすい。
つまり、
ただ話すだけだと、
一気に集中力が落ちるのです。
オンラインこそ「参加型」が重要
本書の考え方は、オンラインと非常に相性が良いです。
例えば、
・チャットを使う
・リアクションを促す
・短いブレイクアウトを入れる
・書き込みをさせる
・短時間で区切る
など。
つまり、
「講義」ではなく、
「参加設計」
が重要なのです。
これは今後、AI時代になるほど重要になると思います。
なぜなら、
知識だけならAIが教えられるからです。
その中で人間の講師に求められるのは、
「場を作る力」
になる。
この本は、その本質にかなり近いところまで踏み込んでいます。
手話講師・福祉研修にも応用できる理由
私はこの本を読みながら、
「これは手話講座でも非常に使える」
と感じました。
“覚えさせる”ではなく、“体験させる”
例えば手話講座で、
単語だけを延々と説明すると、
受講者は疲れます。
しかし、
・ペアワーク
・ロールプレイ
・読み取り
・表情の違い
・空間表現
を入れると、一気に集中力が変わります。
つまり、
人は“参加”すると学ぶ。
これは福祉研修でも同じです。
認知症理解。
障害理解。
コミュニケーション研修。
どれも、
一方通行では限界があります。
だからこそ、
この本の考え方は、手話・福祉・教育分野と非常に相性が良いのです。
この本をおすすめしたい人
この本は、特に以下の人におすすめです。

逆に、
「自分が話したい」
だけの人には向かないかもしれません。
なぜなら、この本は、
“講師が主役になる方法”
ではなく、
“参加者が主役になる方法”
を教える本だからです。
まとめ|これからの講師に必要なのは「話術」だけではない
昔の研修は、
「知識を伝えること」
が中心でした。
しかし今は違います。
AIで情報は簡単に手に入る。
動画もある。
検索もできる。
だからこそ、
これからの講師に必要なのは、
「学びを設計する力」
なのだと思います。
『講師・インストラクターハンドブック 効果的な学びをつくる参加者主体の研修デザイン』は、
その本質を非常に実践的に教えてくれる一冊でした。
特に、
・研修が盛り上がらない
・参加者の反応が薄い
・もっと学びを深くしたい
・オンライン研修に悩んでいる
という人には、大きなヒントになると思います。
講師として伸び悩んでいる時ほど、
「もっと上手く話そう」
と考えがちです。
でも本当に必要なのは、
「どうすれば、参加者が動けるか」
を考えることなのかもしれません。
もし今、
あなたが研修づくりに悩んでいるなら、
この本はかなり強力な“視点の転換”を与えてくれるはずです。
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