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さくらんぼしごと③ ごほうび

6月のフランスは、なかなか暮れない。
鎧戸の隙間からの光が、棚の瓶詰を長く照らし、
きらきらと返る。
リラはその前を、行ったり来たりする。

きょうのことが、まだ胸に残っている。
種を抜いたときの手の緊張。
シロップが赤く染まるときのときめき。

「さあ、もう、おやすみなさい。」
マスールがリラの背中をそっと押す。

「あした、一瓶だけ開けましょうね。」
その言葉だけを持って、部屋へ向かう。

廊下にはまだ、夕陽がのびている。
長い一日、きょうはよく手伝った。

につづく

リラ|ある修道院の果樹園で
第一話 さくらんぼしごと ①②



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