エッセイ集「少年期たち」①
二歳から十二歳までを過ごした鹿児島の町、常盤町。
少年の日々を彩ったのは、何気ない風景や人との出会いだった。
遠い日の、たおやかな風。
その中に漂う、雨の音や朝の光、陽だまりの中の小さな花。
ある日ふいに浮かび上がってきた、様々な景色たち――。
そうした記憶の断片を書き留めてみたかった。
そこには、少年の日の自分が見つめていた風景があり、
言葉にできなかった心の揺れがある。
そして、そのすぐそばには、いつも母の姿があった。
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