書くことと真剣に向き合った一冊|Kaoriさん「書く人の幸福論」 文学フリマ購入本
みなさん、こんにちは。
生きづらさ研究家、春野ましゃこです。
今日は、文学フリマ京都10で購入させていただいた中の一冊、Kaoriさんの本をご紹介します。
文学フリマ京都10で購入させていただいた、Kaoriさんのエッセイ「書く人の幸福論」。
実は現在、発売停止になっていて、ペーパーバックではなくハードカバーでの出版を予定されているそう。
まだ誰も読んだことのない本を読ませていただけるなんて、わたしはとてもラッキーだと思う。

ライター名は「山王かおり」さん。
Kaoriさんは、30年近くもフリーランスで活動されているプロのライターさん。
なんと、以前noteのコンテストでもグランプリをとられたこともある、超実力者なのだ。
「書く人の幸福論」というタイトル通り、ライターとしてKaoriさんが「書くことで得られた幸せ」についてのエッセイである。
と同時に、これはKaoriさんの「自叙伝」と言っても過言ではないと思う。
いや、すでにそのつもりでKaoriさんは書かれたのかもしれないが……。
本当に真剣に、ひたむきに「書く」という仕事に向き合うKaoriさん。
自然に読む側も、姿勢を正される。
ピン、と背筋を伸ばして、ゆっくり少しずつページをめくっていく。
しかし内容に惹き込まれて、3日で読了した。
本当にパワー溢れる本だった。
わたしがこの本で特に推したいのは、第三章。
Kaoriさんの仕事に対する、とても大事な姿勢が凝縮されていると思う。
特にこの部分。
「書いてよい真実」を選択して文章としてまとめあげること。それは「虚構」ともいえる。「嘘」はダメ。
かといって単なる「事実」を書けばいいわけでもない。
実は「事実」や「嘘」を書くのは簡単で、「虚構」を書くことがもっとも難しく、それをできる人がプロのライターなのだと思う。
p132
そして、こちらも。
「事実」というのは聞いたこと、思ったことをそのまま出した言葉。
あなたはもっと「虚構」を書けるようにならないとあかんね。
「虚構」というのは、決して「嘘」ではないからね。
「虚構」にはちゃんと「真実」があるから。
その「真実」を自分の中で「虚構」に変えて言葉にすることが、プロのライターの仕事じゃないのかな。
あなたの書いている記事に「嘘」はないけど、これは「事実」でしかない。
「事実」ではない「真実」を書くことが「虚構」で、そこには物語性がある。
あなたは「虚構」を書けるライターにならんとあかんよ。
p132~133
後者の引用は、Kaoriさんが取材で出会ったある社長さんの言葉。
その言葉が、最初の引用のとおり、Kaoriさんを「本当の」プロのライターへと突き動かす。
ここでいう「虚構」って、なんだろう。
わたしはライターの経験なんてゼロだし、わかるはずもないのだけど、すごく考え込んでしまった。
ライターだからこそ「虚構」が必要なのか、それとも書くこと全般において「虚構」が必要なのか。
「虚構」という言葉の意味を確認しながら考えみたけど、わからない。
(Kaoriさん、いつかコソッと教えてください)
この記事にも「虚構」が必要だったことのかもしれないけれど、もしそうだとしてもわたしには書けなかった。
そしてKaoriさんは、2021年にガンを発症されて、ご自分と向き合うことを決断される。
そこで、こう気付かされたという。
病気になるまで、自分が無理をしていたことにも気づかなかった。
いや、気づかないふりをしていた。
でも、ガンになって立ち止まって、「自分の生き方」を見つめ直す機会をもらえた。
そうしたら、初めて焦りがなくなった。
しばらくして、ガンを治すために生きるのではなく、「ガンを治してどう生きたいのか」が大事だと気づき、その答えを考えた時、やっぱり私はただ、「書きたい」のだとわかった。
p50
その後も、ご自分のペースではあるが、ライターとしてのお仕事は続けられている。
とはいえ、今もガンサバイバーとして毎日病気と闘っておられる日々だ。
やはりKaoriさんは、ご自分の「書きたい」思いをしっかり持っておられる。
だから先が知りたくて、グイグイ読めてしまうのだ。
読み終えても、余韻でしばらくなにも手につかなかったほど。
Kaoriさんもおっしゃっているのだけれど、わたしも最近同じことを考えていた。
それは、「書く」においては技術云々よりもまず、自分は何を伝えたいのか、を強く持っていることが大事だということ。
そう思って書いたものは、必ず読んだ人の心を打つのだと思う。
だからこそ、わたしはこの本を読んで強く感銘を受けたのだ。
そして、最後にこの部分も紹介しておきたい。
書くのは孤独だ。
誰も助けてくれないから。
自分が書かなければ、一文字も、一文も生まれない。
p81
この部分は、「書く」人なら誰でも共感できるのではないだろうか。
だからこそ、書き終えたときの達成感も大きい。
わたしは、その達成感を味わうために、毎日書き続けているような気さえする。
この本の編集を手がけられたのが、最近わたしの記事によくお名前が出てくる、へんいちさん。
ということで、このKaoriさんの本は「へんいち文庫」というレーベルから出版されている。
ぜひみなさんも「書く人の幸福論」、販売開始されたら読んでみて欲しい。
「書く」人なら、絶対に共感できる部分があるはずだから。
生きづらさ研究家として、このKaoriさんの本を読ませていただいたこと。
そして、感想文が書けたこと。
その両方に、大きな意義があると思っている。
Kaoriさん、拙い文章になりましたが、おこがましくも感想を書かせていただきました。
今の自分に書ける精一杯が、これでした。
お会いできたことも、本当に嬉しかったです。
そして、感想文をご本人に届けられるというありがたき幸せ!
「感想を聞かせてください」
と素敵なきっかけをいただいて、本当にありがとうございました。
どうかお身体のほう、くれぐれもお大事になさってください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ぜひ併せてご一読くださいね。
【Kaoriさんのプロフィール記事】↓↓↓
こちらの記事を読めば、Kaoriさんについてより深く知れると思います。
【文学フリマ参加前】↓↓↓
【文学フリマ参加後】↓↓↓
わたしが生きづらさ研究家を名乗った経緯はこちら。
生きづらさ研究家としての、今年の目標はこちら。
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