【文学フリマ京都10】出店を終えて
文章を書きたい人、本を作りたい人、本を読みたい人。昨日は、この世の中にはそんな人たちがたくさんいるんだと、実感した1日だった。
初めての文学フリマ。会場に足を運ぶのも初めてだというのに、まさか自分が本を出店する側で「文学フリマデビュー」するとは思ってもみなかった。
noteで出会った「へんいちさん」のお力を借り、なんとか間に合わせたペーパーバック版の私の本。それを他の方の作品と一緒に「へんいち文庫」のブースに並べてもらうことができた。

目標は10冊。それくらい売れたら十分だと思っていたが、ありがたいことに予約が次々に入り、19冊のご予約をいただいた。慌てて追加で本を発注し、10冊増やした。全部で30冊。
結果的に、予約していない方からのお買い上げもあり、わりと早い時間に完売。なんと、わざわざ来てくださった方を手ぶらで帰すことにまでなってしまった。
本当に申し訳なかった。
「だから、あと10冊仕入れとけって、俺言ったよなー」とドヤ顔の夫。今回ばかりは夫が正しかった。
私は12時開場と同時に販売員担当だったので、急いでブースに行ったが、荷物を下ろす間にもう予約の方が並び始めた。
そこからはもうバッタバタ!!
実際に会ったことのある友人ではなく、noteのまちで知り合った方がほとんどだったので、お顔を見てもどなたかわからず、「あー、◯◯さんでしたか!」みたいな感じで、はじめましてのご挨拶。
本当はお一人ずつともっとゆっくりお話したかったのだが、私が販売員の時間に集中して来てくださったので、挨拶とちょこっと話すのがやっと。
わざわざ来てくださったのに、と思い、申し訳ない気持ちでいたが、どんどん人は来るし、ブースからはみ出てスタッフから注意を受けるしで、どうにもならなかった。
来てくださった方、本当にありがとうございました!お話する時間がとれなくてごめんなさい。
また、生まれて初めて「サイン」というものを頼まれた。
朝、夫と冗談で「サイン練習しといたほうがいいんちゃうん?」なんて話していたのだが、まさか本当にすることになるとは!!
子どもの頃、多くの人が自分のサインを考えて練習したことがあると思う。私も例に漏れず、しっかり練習していた。「かおり」の「り」の最後がハートマークになるという、ちょっとイタイやつだ。一瞬、あれを書くか?!と調子に乗った考えが頭をよぎったが、すぐに冷静になり、普通に名前を書いた。(引かれるところだった。あぶなかった)

それから、お花やお菓子、お茶などもたくさんいただいた。素敵なお手紙もあった。
「出版おめでとうございます」と言われ、こんな自費出版でも「おめでとう」って祝ってもらえることなんだなぁと不思議な気がした。
だって、私の自己満足だから。これはおめでとうということなのかなと、身に余るような言葉に感じた。
でも、それを夫に言うと、「誰でもできるって言うけど、やれる人は少ない。カタチにできるってすごいことやねんで」と言われて、そうなのかと受け入れた。
少なくとも自分はようやくカタチにできたことが嬉しかったし、それをみんなが共に喜んでくれてるんだなぁと思うと、感謝の気持ちでいっぱいになった。

かわいい🩷
来てくれた方の中には、20年以上、私の書くものを読み続けてくれていた人もいて。昔やっていたブログ時代からの読者さん。
駆けつけてくれてありがたかった。
旧友、という言葉が浮かんだ。
そんな楽しい時間はあっという間で、販売員を交代。ほとんど立ちっぱなしで、人の熱気にもやられたようで、ちょっとふらついていた。
うーん、ちょっとまずいなと思ったが、今度は友人が二人来てくれていたので、とりあえず合流した。
日によるのだが、尿管ステントの関係か、立ちっぱなしだと変な痛みが出ることがある。座っていたらなんともないのだけど。すぐにあの痛みだとわかったので、友達に「とりあえず座らせて」とお願いし、ベンチのようなところに座って話をした。
少しマシになったので、御手洗育さんのブースだけ行って、本を買わせていただいた。聡明で優しそうな方。noteのイメージ通りだった。
その後も友達と一階のカフェでお茶をしながら話していた。本当はいろいろ見てまわりたかったのだが、痛みが出ているので無理だった。座っていると少しずつよくなっていった。
しばらく休憩して体調も戻ったので、友達と別れて夫と合流することに。
友達二人は、私の本は「3月のソフトカバー版が欲しい」と言って、来たのに買わなかったが、記念だからとわざわざ見に来てくれたことが嬉しかった。
(このうちの1人が本の表紙をデザインしてくれた人だ)
カフェ前で夫を待っていると、声をかけられた。見るとnoteで知り合ったmuさんだった。
もちろん本も買ってくださったのだが、ブースではろくに話もできなかったので気になっていたから、ここで再会できたことは本当にラッキーだった。
muさんも「もう少しかおりさんとお話したかった」と後で再びブースを訪れてくれていたとのことで、互いの想いが通じ合ったとしか思えない。
しばらく立ち話することができた。
よかった。
遠くからわざわざ来てくださったのだ。お話できて嬉しかった。
そのうち夫が来たのでmuさんともお別れ。
「いろいろ見たい」と言ってようやく会場をまわり始めたが、やはり歩いていると痛みが出てきて動けなくなってしまった。
結局またベンチ。
最後までいて片付けを手伝いたかったし、いろんなブースを見たいし、気持ちはあるのにまた体が言うことを聞かない。
もう歩けないとわかったので、あきらめて帰ることにして、へんいちさんのところに挨拶だけしに行った。
へんいち文庫への差し入れがあったようで、「これはかおりさんの分」とお菓子などを分けていただき、さらにへんいちさんの作った「いかなごの釘煮」と缶バッヂまでいただいた。
(このいかなごは幻の逸品と名高い。前から気になっていたが、まさかもらえるとは!)
ブースにいた皆さんに挨拶して先に帰らせてもらった。
夫が車で送り迎えしてくれたので助かった。最近は夫の世話になってばかり。一人では動けないことが多いのでありがたい。
車の中で、夫は何度も「かおりってすごいなー」と言っていた。「俺なんか一人もファンがおらんのに、あんなたくさんの人に来てもらえるんやなぁ」と羨ましそうだった。
もう私はこの状況を「ありがたい」としか言いようがないのだ。
何にもない人間だけど、昔から書くと誰かが私の文章を好きだと言ってくれた。「書くこと」は私の味方で、私の親友で、私の武器でもある。
おかげでたくさんの人と知り合えたし、こんな素敵な時間を過ごすこともできた。
さて、次は3月初旬に『書く人の幸福論』のソフトカバー版を発行する。それに向けての作業に取り掛からなくては。
記事を2本ほど新しく書き下ろしで入れる予定だ。あと、実は今回のペーパーバック版には4箇所も誤字脱字があるのです。ちょっとしたことなので気づかない人もいるかもしれないが、次はそこもすべて修正する。
文字校正は私の役割だったので、自分の責任。あと一回、自分の目で確認できたらよかったのだけど、しんどい時で無理だったことが悔やまれる。
(ペーパーバックをご購入いただいた方、誤字脱字に気づきましたか?ごめんなさい!)
それから今年の目標として、2作目となる本『がんの人の幸福論』も出版予定ではある。今度は文学フリマに出すなどの予定はないので、ぼちぼち体調をみながら書いていこうと思う。
個人的にはいろいろ反省もあった、初めての文学フリマ。でも、へんいち文庫としては大成功だったと思う。それはメンバーの皆さんの作品のできや当日の接客、そしてへんいちさんの細やかな準備によるものだ。
元気だったら、終わった後でパーっと打ち上げでもしたい気分だった。
こういう楽しいことがあると、強く思う。
もっと元気になりたい。早く元気になりたい、と。もっともっとやりたいことのできる自分を取り戻したい。
そんなことを思いながら、今もまた病院にいる。
今日はキイトルーダの点滴入院で、明日は恐ろしい尿管ステントの入れ替えもある。
しんどいけど、でもまた楽しい時間のために、がんばろう!
文学フリマにお越しいただいた皆さま、ありがとうございました。
また、へんいち文庫メンバーの皆さん、お疲れ様でした!
