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6月のオプション取引まとめ──"取りにいかない月"の作り方

ホイール戦略は毎月プレミアムを取りにいくものなのに、取りにいかない月があっていいのか?

毎月オプションを回していると、ときどきこの問いにぶつかります。6月は、その取りにいかないを選んだ月でした。

結論:6月は、資金が空いても新規のプット売りを1本も足さず、すでに持っているポジションの回収に絞った月でした。 空いた資金はすぐ使わず、次の仕込みに備える待機資金として温存しています。

合計プレミアム:約$125.10(手数料控除後・3銘柄合計/総額$132)

今回整理したいのは、6月にいくらプレミアムを取れたかよりも、あえて取りにいかない判断のほうです。どの銘柄をどう扱ったかを整理しようと思います。

この記事は「ホイールを毎月回せるようになってきて、そろそろ"取りにいかない月"の作り方を考えている方」向けの判断ログです。投資判断は自己責任でお願いします。

先月の取引記録はこちら:


戦略ルール(おさらい)

基本ルールは変えていません。

ホイール戦略として、CSP(キャッシュ・セキュアード・プット)とCC(カバードコール)を使い、デルタ0.25前後・IVランク30%以上を目安にプレミアムを積み上げます。銘柄は固定せず、価格・IV・セクターバランス・流動性で判断し、最終的にはディフェンシブ2〜3銘柄、シクリカル2〜3銘柄で景気循環4局面をカバーする形を目指しています。

※用語:プット売り=CSP/コール売り=CC。

やっていることや考え方をまとめた記事:

6月満期(6/18)ポジションの結末

5月に仕掛けた6/18満期の4ポジションがどうなったかを整理します。結果的に、プット売りは全て成立、コール売りはKVUEのみ成立したことになります。

【今月変化があった銘柄】

  • GAP(CC 24C)権利消滅
    6/18までに株価は一時$24を超え、5月に狙っていた$24付近での回収が射程に入りました。が、結局株価は$24を外れて、株は手元に残りました。ホイール継続です。

  • T(CSP 24P)割当
    $24で100株を取得し、株式保有へ移行しました。今月の23C CCは、この割当株に対するものです。

  • KHC(CSP 23P)割当
    $23で100株を取得(5月の23P 0.24売りを踏まえた実質取得単価は約$22.76)。こちらも今月23C CCへ移行しています。

  • KVUE(CC 18C)権利行使
    $18で100株が売却され、ポジションが解放されました。これは想定どおりの出口です。

GAPだけが消滅で継続保有、TとKHCは割当で株式保有へ、KVUEはコールアウトで解放、という結果です。つまり今月は、割当2銘柄+継続保有1銘柄に対してCCを回し、1銘柄は解放して資金化したという構図になります。
ホイールは順調に回っていることになります。

6月時点のポジション概要

【今月CCを回した銘柄】

  • ギャップ(GAP:一般消費財):24C消滅・継続保有のまま、株価下落を受けて22Cへ切り下げて回収継続

  • AT&T(T:通信):24P割当からの23C。守りの回収(配当込みで損失圧縮)

  • クラフト・ハインツ(KHC:生活必需品):23P割当からの23C。早期回収・資金解放狙い

【解放した銘柄】

  • ケンビュー(KVUE:生活必需品):18Cでコールアウト。買収イベントを警戒し、回収優先で資金化

個人的にここからKVUE解放資金を充てなかったことがポイントだと思っています。

【継続】

  • ホーメルフーズ(HRL:生活必需品):プレミアム原資で5株買い増し(計34株)

6月の取引結果(一覧)

※いずれも手数料$2.30控除後の実質受取額ベースです。利回りは行使価格×100に対する単月換算。デルタ・IVは約定時点の値です。

  • GAP:CC 22C/指値 $0.45
    → 約定 $0.42/受取プレミアム $39.70/満期 2026/07/24/約定時デルタ 0.3032・IV 37.70%/利回り 約1.80%

  • T:CC 23C/指値 $0.36
    → 約定 $0.39/受取プレミアム $36.70/満期 2026/07/24/約定時デルタ 0.3226・IV 27.13%/利回り 約1.60%

  • KHC:CC 23C/指値 $0.50
    → 約定 $0.51/受取プレミアム $48.70/満期 2026/07/24/約定時デルタ 0.4213・IV 27.84%/利回り 約2.12%

※利回りは拘束資金(行使価格×100)に対する単月換算。

今月の合計プレミアム収入:約$125.10
(総額$132・税引前・ドル建て)

3本とも、約定自体はスムーズでした。ただ、すべての銘柄が約定までスムーズだったかというとそうではなかったです。

米国市場のオープン前に指値を指していたのですが、銘柄ごとに指値の上振れや切り下げが必要となりました。この寄り前に引いた指値と寄り後の実態のズレは、今月の地味な学びどころだと思っています。

GAP|24Cが外れて、22Cへ切り下げて回収継続

今月のGAPは、5月から続けている、取得単価より下での回収運用の続きです。

5月時点のGAPは、$26で持たされた100株に24CのCCを売り、実質取得単価を約$24.6まで下げて、$24付近での回収を待つ局面でした。6月は、その出口に一瞬手が届きました。6/18満期までに株価は一時$24を超え、24Cでの回収が見えたのですが、そこから急落。24Cは外れて、株は継続保有のままホイールに戻りました。

問題は、急落の度合いです。約定時点でGAPは$20.58まで下げており、5/28の$24.48・6月中の一時$24超えから見ると、明確に水準を切り下げています。ここで売ったのが22CのCCです。

  • 行使価格:22C(株価$20.58に対してOTM)

  • 指値$0.45 → 約定$0.42(寄り後の下げを受けて切り下げ)

  • 受取プレミアム:$39.70(グロス$42・手数料$2.30)

  • 約定時のデルタ:0.3032/IV:37.70%

オープン前のGAPのチェーンの状態。ここから大きくずれることになる。
GAPのIV・デルタの状態

出来高の乏しさが気になります。

今回の判断した時に大事だと思ったことは、22Cを下限に置き、21.5C以下へは切り下げないと決めたことです。株価が下げるたびにコールの行使価格も下げていくと、回収の出口がズルズル遠ざかり、損失を確定し続けるだけになってしまいます。
そのため、もし今後株価がCSPの権利確定の価格まで回復しない展開が続く場合、どこかで株価の回復を諦めて見切りをつける必要が出てくるでしょう。

これは確立したルールではなく、運用しながら検証が必要でしょう。下限を$21.5に置くのが妥当なのか、そもそも下限を固定するやり方が回るのかは、今後数ヶ月の結果を見ないと分かりません。ズルズル下げないという方向性は維持しつつ、具体的な水準は仮置きとしておこうと思います。

GAPの約定の記録


GAPの手数料の記録


T|24P割当からの23C、守りの回収

Tは、6/18で24Pが割当になり、$24で100株を持たされた状態からのスタートです。ここに23CのCCを売りました。

  • 行使価格:23C

  • 指値$0.36 → 約定$0.39(寄り直後に上振れ約定)

  • 受取プレミアム:$36.70(グロス$39・手数料$2.30)

  • 約定時のデルタ:0.3226/IV:27.13%


オープン前のTのチェーンの状態
TのIV・デルタの状態


Tは寄り直後に指値$0.36に対して$0.39で約定しました。4月のSIRIと同じく、寄りで板に乗せられたパターンです。23C近辺の総建玉も174枚あり、流動性で困る位置ではありませんでした。

性格としては、これは守りの回収になります。Tは24P割当からのCCなので、5月に書いたとおり、23Cでコールアウトされると単体ではまだ小幅な損失が残り得ます。ただし、7月の配当を含めれば損失はかなり圧縮されます。TはCCで一気に取り返す銘柄ではなく、配当+CCプレミアム+次回以降のホイールで、時間をかけて回収する銘柄です。

Tは過去に一度ホイールを完走させた、値動きの癖もデルタの感覚も分かっている銘柄なので、割当からの立て直しも勝手が分かっています。今回は配当の権利日も近く、無理に高いプレミアムを取りにいくより、保有を前提に着実な回収を進めることを優先しました。

Tの約定の記録
Tの手数料の記録

KHC|23P割当からの23C、早期回収して資金を解放する

KHCも、6/18で23Pが割当になり、$23で100株を持たされた状態からのCCです。ただ、こちらはGAP・Tとは出口の性格が違います。

KHCのチェーンの状態
KHCのIV・デルタの状態
  • 行使価格:23C

  • 指値$0.50 → 約定$0.51(上振れ約定)

  • 受取プレミアム:$48.70(グロス$51・手数料$2.30)

  • 約定時のデルタ:0.4213/IV:27.84%

KHCの約定の記録
KHCの手数料の記録

KHCは5月に23Pを0.24で売って割当されているので、概算の実質取得単価は 23.00 − 0.24 = $22.76。ここに23Cを$0.51で売ったので、23Cでコールアウトされた場合は、

23.00 − 22.76 + 0.51 = 約 +0.75 / 株

となり、コールアウトされてもプラスで抜けられる位置です。

だからKHCは、損切りではなく早期回収して資金を次に回す取引です。23Cでコールアウトされれば、その資金は次回CSPのスクリーニング原資に乗ります。デルタは0.4213とGAP・Tより高めですが、これはデルタ基準を狙ったというより、回収と資金解放を優先した結果です。

KVUE|18Cコールアウトで解放。買収前に役割を全うする

KVUEは、6/18で18Cが権利行使され、$18で100株が売却されて解放されました。プレミアムを最大化せず回収を優先したのには、はっきりした理由があります。キンバリー・クラーク(KMB)による買収です。

今月、無事18Cのコールアウトで実際に解放されました。

KVUEの購入時の記録と展望:

これは利益確定というより、当初の設計どおりに降りたという整理です。買収が進めば株価はイベントに引っ張られ、デルタやIVから打つホイールの前提が崩れていきます。再現性が落ちる前に、期限付きと位置づけてきた役割を全うして資金化する。2月→5月→6月とつないできた伏線を、ここで回収した格好です。

KVUEが抜けたことで、生活必需品のディフェンシブ枠は当面KHC一本+育成中のHRL、という構成になります。後継の考え方は次回以降の課題です。

今月は新規CSPを足さなかった──KVUE資金の温存

今月いちばん意識したのは、4本目を足さなかったことです。

KVUEの解放で資金が空きました。普段なら、ここに新規CSPを1本入れて月のプレミアムを積み増したくなる場面です。 低単価の銘柄を1本足せば、月$150にプレミアムの獲得も見えました。でも今月はそれをせず、KVUE解放資金を7月の追加資金とあわせて、次回CSPの待機資金に置こうと思います。

目的は、今月のプレミアムを最大化することではなく、次回以降に株価レンジを一段上げて、より効率の良い銘柄を選べる状態を作ることです。HPEやSIRIのような急騰後銘柄を追わず、KHC・T・GAPの既存ポジション整理に絞ったのも、5月にリスクが増えた月は手数を絞ると書いた判断の延長です。

新規を足さないことも判断のうち、という月でした。

HRL|プレミアム原資で5株買い増し、計34株に

KVUE解放資金は温存に回した一方で、プレミアムの一部は予定どおりHRLへ回しました。HRLは毎月の現物買い集め枠で、今月も粛々と積んでいます。

HRLの取引の記録(1回目)


HRLの取引の記録(2回目)

今月は$24.18で1株、$24.34で4株、計5株を買い増し、5月時点の29株から計34株になりました。HRLは、複利の流れを淡々と積み増していくことを続けます。

景気循環4局面への対応(振り返り)

  • ①業績相場(一般消費財、資本財、エネルギー、素材)
    GAP(一般消費財・回収フェーズ)

  • ②逆金融相場(公益、生活必需品)
    KHC

  • ③逆業績相場(ヘルスケア、生活必需品)
    KHC

  • ④金融相場(情報技術、不動産、金融)→ 今月も空白(HPEの見送りを継続)

通信枠はT(ディフェンシブ寄り)で②③を補強、という構成です。

④は5月に続いて空白のまま(HPE見送りを継続)。これは意図的です。加えてKVUEが買収で退出したため、生活必需品の枠は当面KHC+HRL(買い集め中)になりました。④の補強とKVUE後継の選定が、次回以降の宿題です。

今月の評価と、月間目標について

安定的にプレミアムを稼げるようになってきたので、自分なりに月間のプレミアム目標を引いてみることにしました。とりあえず以下のラインを目安にしてみます。

  • 月の最低ライン:$100

  • 次に狙う水準:$150

今月は総額$132、手数料を除くと約$125なので、$100のラインは超え目標達成です。$150には届いていませんが、これは4本目を足さなかった結果ですし、7月への備えです。つまり、いつでもポジションを構築できるように備えておくという前向きな理由によるものです。無理に目標プレミアムを積むのではなく、自分なり水準としていこうと思います。

6月のまとめ

  • GAP:24C消滅・継続保有。株価$20.58まで下げ直し、22Cへ切り下げて回収継続(実質取得単価 概算$24.2/21.5C以下にはしない下限を暫定設定)

  • T:24P割当からの23C。守りの回収(配当込みで損失圧縮)。寄りで上振れ約定

  • KHC:23P割当からの23C。コールアウトされてもプラス(損益分岐点22.50)で抜ける早期回収

  • KVUE:18Cコールアウトで解放。KMB買収前に期限付き役割を全う

  • 新規CSP:今月は足さず。KVUE解放資金+7月資金を次回の待機資金へ

  • HRL:5株買い増し、計34株(残り66株)

次回へのルール化

  • リスクが増えた月・仕込み段階の月は、無理に新規を足さない

  • 寄り後に実態がずれたら、最適価格より即約定(指値を動かす)

  • 取得単価より下の回収CCは、moomoo「戦略最大利益」で性格を確認してから出す

  • イベント進行銘柄は、再現性が落ちる前に降りる

  • 暫定の下限ルールは、機能するかを数ヶ月かけて検証する

今月を一言でまとめるなら、攻めの新規はゼロ、3本の回収に絞り、KVUE解放資金を温存して次の仕込みに備えた月です。

4月が「実行で迷わない」、5月が「いつ攻めて、いつ引くか」だったとすれば、6月は「取りにいかない月の作り方」でした。ホイールは毎月回すことで機能しますが、回す手数を絞り、空いた資金を次に温存するのも、同じ回し方の一部だと整理できた月です。

次回は、KVUE解放分と7月追加資金を使って、CSP候補の株価レンジを一段上げてスクリーニングする段階に入ります。

同じように毎月は回せるようになったけど、取りにいかない月の作り方に迷うという方の参考になれば嬉しいです。

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