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2月のオプション取引まとめ── 銘柄を"渡り歩く"判断基準と、ホイール1回転の通算損益

「ホイール戦略って、同じ銘柄で回し続けるものじゃないの?」

オプション取引のホイール戦略の解説ではよく「1銘柄でプット売り→コール売り→プット売り…を繰り返す」と説明されます。でも実際にやっていると、株価が動いてIVが合わなくなったり、セクターバランスが偏ったりして、「この銘柄で続けていいのか?」と迷う場面が出てきます。

2月は、まさにその判断を迫られた月でした。

AT&T(T)のカバードコールが権利行使されてホイール1回転が完了し、通信セクター枠をSIRIに引き継ぎ。

エネルギーセクターではHAL(ハリバートン)に代わってCVE(セノバスエナジー)を試したものの、流動性で痛い目を見ました。

今月の判断の軸は「銘柄に固執せず、セクター枠で管理する」ということ。 そしてその判断が正しかったのか、数字で振り返ります。

この記事は「ホイール戦略を始めたけど、銘柄選定のタイミングや基準に悩んでいる方」向けの判断ログです。投資判断は自己責任でお願いします。私に起こったことは記録しますが、将来の結果までは保証できません。

先月の取引記録はこちら:


戦略ルール(おさらい)

2月も前提ルールは変えていません。

ホイール戦略として、一ヶ月おきにプット売りまたはコール売りを繰り返します。指標は「デルタ0.25 × IVランク30%以上」で考えています。

銘柄は固定せず、価格・IV・セクターバランスで判断します。最終目標はディフェンシブ2〜3銘柄、シクリカル2〜3銘柄で景気循環4局面をカバーすることです。

やっていることや考え方をまとめた記事

<用語の略称>
キャッシュ・セキュアード・プット:プット売り。以下、CSP
カバードコール:コール売り。以下、CC

2月時点のポジション概要

【今月変化があった銘柄】

  • AT&T(T) → カバードコールが権利行使。ホイール1回転完了、通信セクター枠を卒業

  • シリウスXM(SIRI) → Tの後継として通信セクター枠でCSP開始

  • セノバスエナジー(CVE) → エネルギーセクター枠でCSP開始

【先月から継続している銘柄】

  • ケンビュー(KVUE) → CSPによるプット売り継続

  • ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE) → 保有株に対するカバードコール継続

  • ホーメルフーズ(HRL) → プレミアムの一部を現物株に再投資

2月の取引結果(一覧)

※いずれも手数料控除後の実質受取額ベースです。手数料は全て$2.29

  • CVE:CSP(21P)/受取プレミアム $12.71/満期 2026/03/20/利回り 約0.61%

  • SIRI:CSP(20P)/受取プレミアム $34.71/満期 2026/03/20/利回り 約1.74%

  • KVUE:CSP(18P)/受取プレミアム $18.71/満期 2026/03/20/利回り 約1.04%

  • HPE:CC(23C)/受取プレミアム $60.71/満期 2026/03/20/利回り 約2.70%

※利回りは拘束資金(行使価格×100)に対する単月換算。

T(AT&T)|ホイール1回転完了 ── 通算損益を公開する

今月最大のイベントは、Tのカバードコール(25C)が2/20に権利行使され、100株が$25で売却されたことです。

これでTのホイール戦略はCSP→権利行使→CC→権利行使の1回転が完了しました。高速回転したHPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)の除けば、PFE(ファイザー)に続いてのホイール完結になります。


ホイール全期間の履歴

CSP期間(2025年8月〜10月):

  • 2025/08/26:26P 09/19満期/約定 $0.07/手数料 $2.24/実質受取 $4.76

  • 2025/09/24:27P 10/17満期/約定 $0.16/手数料 $2.24/実質受取 $13.76

  • CSP合計:$18.52

→ 2025/10/17に27Pが権利行使。$27で100株取得(参考コスト$26.86)。

CC期間(2025年10月〜2026年2月):

  • 2025/10/20:28C 11/21満期/約定 $0.34/手数料 $2.24/実質受取 $31.76

  • 2025/11/24:28C 12/19満期/約定 $0.09/手数料 $2.24/実質受取 $6.76

  • 2025/12/23:25C 01/23(W)満期/約定 $0.20/手数料 $2.20/実質受取 $17.80

  • 2026/01/26:25C 02/20満期/約定 $0.27/手数料 $2.24/実質受取 $24.76

  • CC合計:$81.08

配当(2026/02/03):

  • 配当金:+$27.75

  • 配当金源泉税(国外):-$2.78

  • 配当金源泉税(国内):-$5.05

  • 配当手取り:$19.92

通算損益

  • CSPプレミアム:+$18.52

  • CCプレミアム(4回分):+$81.08

  • 配当(税引後):+$19.92

  • 株式売買損($25売却 − $27取得):−$200.00

  • 通算:−$80.48

拘束期間は2025年8月末〜2026年2月20日の約6ヶ月間。結果としてはマイナスです。

PFEの時との違い ── なぜ取得単価より下でCCを売ったのか

PFE(ファイザー)の時は、$23で取得して$25のカバードコールを売っていました。取得単価より上に行使価格を置けたので、株式売買でも利益が出る構造でした。

ただ、Tは違います。$27で取得した後、株価は$23台まで下落。28Cを売っても$0.09しかプレミアムが取れない状況(2025年12月)になりました。ここで選択肢は2つ。

  1. 取得単価$27以上にこだわってCCを売り続ける → プレミアムがほぼゼロ

  2. 行使価格を$25に下げて、プレミアムを確保する → 株式売買損を受け入れる

私は12月に2を選びました。「株価回復を待つより、CCでプレミアムを積み上げて時間を味方にする」判断です。結果的に、プレミアム+配当で$119.52を回収し、$200の損失を$80.48まで圧縮しました。

「ホイール戦略は万能ではないが、損失をコントロールする仕組みとしては機能した」というのが、Tから得た実感です。

なぜTを手放してSIRIに切り替えたのか

ここが今月の記事で一番のポイントです。

Tが権利行使された2/20以降、株価は$28まで上昇しています。「$25で手放さなければ...」と思う場面ですが、それはホイール戦略のルール通りの結果です。

問題は「Tで再エントリーするか」でした。$28水準でCSPを売り直すと、行使価格が高くなり拘束資金が増えます。同じ通信セクターで、より手頃な価格帯のSIRIに切り替えた方がセクター枠としての効率が良いと判断しました。

ホイール戦略には「銘柄固定型」と「セクター枠ローテーション型」の2つのアプローチがあります。

銘柄固定型は同じ銘柄でずっと回し続けます。銘柄の値動きに慣れるメリットはありますが、IVが下がっても惰性で続けてしまうリスクがあります。

セクター枠ローテーション型は、同じセクター内で、その時点の条件(価格・IV・流動性)が最も良い銘柄を選んで回します。ホイール戦略の収益源はプレミアム(時間価値)なので、IVが高い銘柄で売る方が効率的です。

私は後者を採用しています。T単体で見れば−$80.48ですが、通信セクター枠のホイールはSIRIに引き継がれて継続中です。「失敗して撤退した」のではなく、「セクター内でローテーションした」という判断ですね。

CVE(セノバスエナジー)|エネルギー枠の新顔、ただし反省あり

CVEはHALの代替としてエネルギーセクター枠で採用しました。

HALはもともと$20〜22台でCSPを仕掛けていましたが、10月以降に急騰し、2月末時点で$36。行使価格$21近辺ではデルタもプレミアムも条件を満たさなくなったため、同価格帯のエネルギー銘柄として切り替えた形です。

ただし、ここには失敗もあります。

チェーンの記録行使価格が$21なら0.45のプレミアム、しかし…
デルタとIVの水準の記録
約定の記録j

最初、CSPを$0.45で指値していたのですが、約定しませんでした。仕方なく成行で注文したところ、$0.15で約定。実質受取$12.71と、かなり薄いプレミアムになってしまいました。

これは「値ごろ感」で銘柄を選んだ結果です。 CVEは流動性が低く、スプレッドが広い。価格帯が合うからといって飛びつくと、価格がスリップします。

実は似たような経験は初期にもしています。7月にHALで成行注文を出した際、$0.77の想定が$0.57で約定してしまったことがありました。あの時は出来高が1(自分だけ)でした。流動性リスクは繰り返し出てくるテーマなのに、同じ失敗を繰り返してしまった反省点です。

教訓:銘柄選定の基準に「流動性(オプションの出来高・スプレッド)」を明示的に加える必要がある。

SIRI(シリウスXM)|通信セクター枠の後継

SIRIはTからの切り替えとして通信セクター枠で採用しました。

プレミアムの記録
デルタとIVの記録
注文の記録
手数料の記録

$20の価格帯で、CSPの条件(デルタ0.25前後、IVランク30%以上)を満たしていたことが選定理由です。プレミアムは$34.71で利回り約1.74%。Tの後半のCC($6.76〜$24.76)と比べると、新規CSPとして悪くない水準です。

3月満期の結果を見て、このまま通信セクター枠として継続するか判断します。

なお、T単体の損失−$80.48に対して、SIRIのCSPが月$35前後のペースなら、同水準のIV環境が続く前提ならば、約3ヶ月で通信セクター枠として回収可能な計算です。「銘柄単位では負け、セクター枠単位では回収途上」という見方ですね。

KVUE(ケンビュー)|CSP継続、ただし買収で出口が近づく


約定の記録

KVUEは引き続きCSP(18P)でプレミアムを取りに行きました。実質受取$18.71、利回り約1.04%。

先月の記事でも書いたとおり、KVUEはキンバリー・クラーク(KMB)による買収が進行中で、1月には株主投票で承認済み、2026年後半のクローズが予定されています。

買収が進むにつれて株価がイベント主導になり、オプション戦略の再現性が下がる可能性があります。KVUEは「期限付き・条件付きの役割」と位置づけていましたが、いよいよ乗り換え先の検討が必要になってきました。

乗り換え先は引き続き検討中ですが、同じ生活必需品セクター、もしくは同質のディフェンシブセクターから選ぶ予定です。

HPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)|CC継続、高速回転は健在


約定の記録

HPEは$22.5で取得した100株に対して、23Cのカバードコールを継続中です。

2月は、1月に売った23C(02/20満期)が権利消滅で終わりました。株価が$23を下回ったまま満期を迎えたため、株は手元に残り、プレミアム$22.71だけを受け取った形です。その後すぐに23C(03/20満期)を新規売りして、$60.71を受取。

HPEの全取引履歴と累積プレミアム

ここでTとの対比のために、HPEの通算損益も整理しておきます。

第1サイクル(2025年10月〜12月):CSP→権利行使→CC→権利行使

  • 2025/10/21:CSP 21P 11/21満期/約定 $0.29/手数料 $2.30/実質受取 $26.70

  • 2025/11/22:21P 権利行使 → $21で100株取得

  • 2025/11/25:CC 23C 12/19満期/約定 $0.56/手数料 $2.29/実質受取 $53.71

  • 2025/12/19:23C 権利行使 → $23で100株売却(株式売買益 +$200)

第2サイクル(2025年12月〜継続中):CSP→早期権利行使→CC→権利消滅→CC継続中

  • 2025/12/23:CSP 22.5P 01/23満期/約定 $0.24/手数料 $2.29/実質受取 $21.71

  • 2026/01/21:22.5P 早期権利行使 → $22.5で100株取得

  • 2026/01/26:CC 23C 02/20満期/約定 $0.25/手数料 $2.29/実質受取 $22.71

  • 2026/02/21:23C 権利消滅 → 株は手元に残る

  • 2026/02/23:CC 23C 03/20満期/約定 $0.63/手数料 $2.29/実質受取 $60.71

HPE通算損益(確定分)

  • プレミアム合計(5回分):+$185.54

  • 株式売買益(第1サイクル:$23売却 − $21取得):+$200.00

  • 通算:+$385.54

期間は2025年10月〜2026年2月の約4ヶ月間。第2サイクルは継続中で、現在$22.5取得の100株を保有しています。

TとHPEの対比 ── ホイールの回転速度が生む差

同じホイール戦略でも、結果はここまで違います。

  • T:6ヶ月で通算 −$80.48(プレミアム+配当で損失を圧縮)

  • HPE:4ヶ月で通算 +$385.54(高速回転×株式売買益)

この差はボラティリティの違いから来ています。HPEはIVが高く、CSP→アサイン→CC→権利行使のサイクルが2〜3ヶ月で回ります。Tは低ボラティリティで、CCのプレミアムが薄く、行使価格を下げざるを得なかったです。

どちらが「良い銘柄」という話ではなく、ポートフォリオの中での役割が違います。HPEは攻めの高回転枠、Tは(結果的に)守りの低回転枠でした。大事なのは、両方を経験して「自分のポートフォリオにどういう銘柄を組み合わせるか」の判断材料が増えたことだと思います。

HRL(ホーメルフーズ)|プレミアム再投資で9株に

HRLは獲得したプレミアムを元手に粛々と買い集めています。

約定の記録


100株揃わないとコール売りには回せないため、先は長い作業です。ただ、プレミアム→現物→将来の配当+CCプレミアムという複利の流れを作ることが目的なので、焦らず続けていきます。

2月のまとめ

  • T:ホイール1回転完了。通算−$80.48。プレミアム+配当で損失を圧縮

  • SIRI:Tの後継として通信セクター枠でCSP開始

  • CVE:エネルギー枠でCSP開始。流動性の低さで反省

  • KVUE:CSP継続。買収クローズに向けて乗り換え先の検討が必要

  • HPE:CC継続。高速ホイール回転が健在

  • HRL:4株買い増し、計9株

景気循環4局面への対応(振り返り)

  • ①業績相場(一般消費財、資本財、エネルギー、素材)→ CVE(エネルギー)

  • ②逆金融相場(公益、生活必需品)→ KVUE(※買収により期限付き)

  • ③逆業績相場(ヘルスケア、生活必需品)→ KVUE(※同上)

  • ④金融相場(情報技術、不動産、金融)→ HPE

先月は①業績相場が空白でしたが、CVEを加えたことでカバーできました。一方、②③のKVUE枠が買収によって期限付きとなっているため、ディフェンシブ枠の後継銘柄選定が次の課題です。

銘柄変遷の全体像

ホイール戦略を始めてから、銘柄は以下のように変遷してきました。

  • ヘルスケア(卒業):PFE → ホイール完了

  • エネルギー/素材(①):HAL → DOW(つなぎ)→ CVE

  • 通信(ディフェンシブ寄り):T → SIRI

  • 生活必需品(②③):KVUE(期限付き)→ 次の候補を検討中

  • 情報技術(④):HPE

  • 生活必需品(将来枠):HRL(買い集め中、9株)

銘柄が変わっているのは場当たりではなく、「今その価格で割り当たっても困らないか」「セクター分散として偏りがないか」「IVとデルタの条件を満たしているか」という基準で、その時点で最も条件の合う銘柄を選んでいる結果です。

今月の学び(持ち帰れるポイント)

1. ホイール戦略の損益は「銘柄単位」ではなく「セクター枠単位」で考える

T単体では通算−$80.48。しかし、通信セクター枠としてのホイールはSIRIに引き継がれています。銘柄に固執するとIVが低いまま惰性で売り続けるリスクがあります。「銘柄固定」か「セクター枠ローテーション」か、自分のスタイルを決めておくと判断がブレにくくなります。

2. 取得単価より下のCC行使価格は「あり」だが、通算損益で管理する

PFEでは取得単価以上でCCを回せましたが、Tでは株価下落で不可能でした。行使価格を下げてプレミアムを確保する判断は、CSP時のプレミアムも含めた通算で評価すべきです。CC期間だけを見て「損した」と判断するのは片手落ちです。

3. 銘柄選定基準に「流動性」を加える

CVEで指値$0.45→成行$0.15のスリッページを経験しました。7月のHALの時にも同様の経験をしています。IVやセクターだけでなく、オプションの出来高とスプレッドの確認を選定フローに組み込む必要がありますね。

3月以降も、価格・IV・イベント・セクターバランス・そして流動性を見ながら、ホイールを回していきたいと思います。

余談ですが、今月から資金効率を考えて、オプション取引はmoomoo証券に一元化しました。

moomoo証券でのオプション取引に興味を持った方のために、紹介リンクを置いておきます。


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