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『写生の探究─作品4種』3 現代語俳句集 30句

俳句の作品集です。

俳句の「現代化」など
について実作を通して模索しています。

現代語・現代仮名遣い・現代的切れ字(候補)
を基本に詠んでいます。

今回は、

◇写生の探究=写生を基本に詠む現代語俳句

をテーマに詠んだ作品をまとめました。

楽しんでご覧いただければ幸いです。


ー写生の探究ー

『水鏡』
現代語俳句集


「日ざし」

初蝶よ花だん日あたるいしだたみ


大手町バスにも日の斑木の芽どき


ビルの群れかげ落としあう春雲よ


風船かビルへゆうひへかぜのそら


通天閣その文字にも陽はるのくれ


テーマ∶都市写生


「野鳥観察」

風切ってかげのほそさよ初つばめ


雁帰る池の水ばしゃばしゃにして


屑千々に散らかす春のきつつきが


飛ぶかぜにあおられがちよ雀の子


うぐいすのはしゃぐ羽こそ水浴場


テーマ:自然写生1


「桜貝」

やどかりよ引く波を呑む寄せる波


さくら貝夕日をうつすなみのあと 


みつばちの花いちりんよ牛の群れ


蛙鳴くいけのみなもをふるわせて


そのうえを急ぎゆく瀬よのぼり鮎


テーマ:自然写生2


「騎馬」

騎馬で行くビルの谷間よ春まつり


朝ざくらバス拭き上げる手の空に


タンカー来るオイルロードを春岬


スポイトの一滴やがて春ゆうばえ


ゆらゆれておぼろ月夜よ瀬戸大橋


テーマ:生活写生


「水鏡」

おみくじよましろくむすぶ八重桜


こぼれては背つたうしだれ桜こそ


水かがみ虚実のさくらはらはらと


過ぎてゆく桜ふぶきのてのひらよ


ぼんぼりよひとりこぼれて夜の桜


テーマ:心理写生


「春の航」

オイルタンカー水平線上春のくれ


エスコートボートしたがえ春の航


工業地帯けむり絶やさず鳥かえる


炎塔よコンビナートも春ゆうばえ


はるの灯の瀬戸とホルムズ海峡と


テーマ:写生混合


写生の探究4につづく 


今回使用した
「切れ・間を生む語の候補」

よ、か、と、に、ず、が、て、こそ


▽前回までの作品集▽

『写生の探究①─現代と言葉』
現代語俳句集 30句


『写生の探究②─4つの写生』
現代語俳句集 30句


『都市風詠 100句』
2025年
現代語俳句集


◯詠んでみた感想

現代語俳句集のシリーズでは個人的に、

俳句の「現代化」など
について実作を通して模索しています。 

ふだん読み書きする現代日本語を基本に、「575の型、季語、切れ字、切れ」までを活かして詠む俳句を探究しています。

旧来の俳句の理念・思想である「写生」「花鳥諷詠」「人間探究」などの作品にあえて取り組んで新旧を比較検証することで、現代語で詠む俳句に、俳句としての「基本性」「継承性」「発展性」「将来性」などがどの程度備わっているのかについても探っています。


また「伝統俳句」と「現代俳句」を二項対立で分断してとらえることはせず、

「俳句の伝統、定義、形式、技法、理念、理論、思想、批評、様々な作品」などの叡智が、時代ごとの継承や革新を多様に繰り返しながら「ひと続きの広い歴史」として今現在に至っている、といった視点や考え方を基本に、作品づくりなどを楽しんでいます。


今回は前回に引きつづき、

◇写生の探究=写生を基本に詠む現代語俳句

の取り組みの中の、

・都市写生 ・自然写生
・生活写生 ・心理写生

についてそれぞれの作品をまとめました。


この試みは、

・客観写生
・花鳥諷詠
・人間探求

など俳句の伝統的な理念や思想を尊重、重視、基本としつつ、それらを応用して、

特に「現代語の俳句における写生」を探究することを目的としています。

それによって
どのような作品が得られるのか、

また「俳句の基礎・基本」を確認しなおし、学びなおし、型を磨きなおすことで、その後の作品づくりに変化が生まれるのかなど、実作を通じて検証しています。

今後も少しずつ取り組んでいきたいと思います。


◯俳句における写生について

俳句における写生は「写実」や「リアリズム」などの考えに基づいて、

・現代を現在のままに写す

・対象や事物をありのままに観て置く

・感情を直接語らず黙る

・そこから読者の感受を引き出す

などの態度や方法論だそうです。


◯現代語俳句による多様な写生について

①「都市写生」

「都市風景の美」などを写す写生の仕方です。

現代語を基本に詠むことで、より現在に即した表現もできそうです。

▷ ビルの群れかげ落としあう春雲よ


②「自然写生」

「四季自然の美」などを写す写生の仕方です。

現代語を基本に詠むことで、対象の見方や表現の仕方、作品の印象なども変わってきそうです。

▷ さくら貝夕日をうつすなみのあと


③「生活写生」

「人間生活の真」などを写す写生の仕方です。

現代語を基本に詠むことで、四季の生活をより現在的に表現することもできそうです。

▷ 騎馬で行くビルの谷間よ春まつり


④「心理写生」

「人間心理の深」などを写す写生の仕方です。

「人間心理」を直接言わず、対象や事物に託して写す方法です。

▷ はるの灯の瀬戸とホルムズ海峡と


この他にも、写生の対象・仕方は少なからずあると思いますが、現在はこの4つの写生について、個人的に探っています。


◯使用している言葉について

現代語・現代仮名遣い・現代的切れ字(候補)
を基本にして詠んでいます。

また小説、詩、短歌などと同様に、主に「現代の書き言葉」表現をメインに詠んでいます。

「現代の話し言葉」表現の作品も適宜詠みこんでいます。


◯文語・口語の大まかな図

下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です

◇文語俳句ー文語体ー古典語ー古い時代の文体

◇口語俳句ー口語体ー現代語ー書き言葉
           ∟ーー話し言葉

◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い

より詳しく細かいことは、書籍・ネット等でしらべてみてください


◯使用している切れ字の候補について

下記は、現代語の俳句で
切れ・間を生むための語を探った記事です

「現代切れ字の候補」
よ・か・ぞ・と・に・へ・せ・で・まで
ず・れ・け・た・が・て・は・な・こそ、等

これらは「現代の言葉」で俳句を詠む際に切れ字のような役割を果たす語はないのか、

「間」を生み出すために必要な「句を区切るための語」が現代の語にはないのかを探ったものです


◯俳句と俳詩の取り組みについて

2025年10月から、より検証的に、

「俳句」と「俳詩」の2つに取り組みを分けたため、「俳句」のほうでは現代語を用いて「575の型・季語・切れ字・切れ」をはじめ、基礎・基本に立ち返って作品を詠んでいます。

一方、「俳詩」のほうでは、俳句を母体とした「詩」として、575の型、季語、現代語などを用いて、より自由な表現や詩情、工夫、挑戦などを探り行っています。


◯俳詩の探究

俳詩として、俳句の基本を母体に
より深い「詩性」「思想性」等を探っています


◯俳句の目標

下記について、毎日の投稿などで
月日をかけて探っていければと思っています

「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」

「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」 

「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」

「三物一句」「風情の継承」「平明深遠の詩」


*個人的な俳句の探究を楽しんでいます

*解説について至らない点、十分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください

*俳句については個人・団体によって様々な考え方や見解があります


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