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暮らしの森|穏やかな時間を歩く3話

今日の気分で歩く3つの物語

今日ご紹介するのは、
何も急がない日の3話です。

暮らしの森らしい時間をどうぞ。

□ 1. モコのひとやすみ

森の奥から、柔らかな光が差し込む。

昼の風は少しあたたかくて、
葉が揺れるたび、さわさわと音を立てる。

そんな穏やかな昼下がり、
モコは木の実の袋を抱えて歩いていた。

「ふぅ……おもいモコ」 

袋の口いっぱいに集めた木の実は、
今にもこぼれそうだ。

湖に着くと、袋をどすんと置く。
モコは大きく息を吸い、背伸びした。

「がんばったモコ」

そう言って、
肩をゆっくりと回しはじめた。

ぐる……
ぐる……

後ろ回し。それから前回し。

肩の奥がじんわり温まり、
疲れがほどけていく。

その時、ぽちゃん、と小さな水音。
カモが一羽、こちらをじっと見ている。

そして──

ぐる……
ぐる……

翼(のつもり)を、ゆっくり回しはじめた。

「わ!まねしてるモコ!?」

モコはぱっと笑う。
ぐる〜んと、大きく回す。

カモも、負けじとぐるーり。

「わー楽しいモコ〜」

湖面の光が、ふたりの動きに合わせてやさしく揺れる。まるで湖ごと、準備体操をしているみたいに。

肩がゆるむと、体もふわっと軽くなる。

「なおったモコ」

カモは満足げにひと声鳴き、
丸い波紋をひろげた。

モコはぺこりとお辞儀する。

「いっしょにやってくれて、ありがとモコ〜」

湖は今日も穏やか。
モコの午後もまた、ゆるやかに流れていく。


🌿モコのひと休みメモ
✔︎今日も天気がいいモコ
✔︎伸びると気持ちいいモコ
✔︎カモと一緒だと楽しいモコ〜
(※森限定)


□ 2. 今日は私が森を案内するね

メイ:
「今日はさ、私が暮らしの森を案内するね」

カレン:
「森の中って、気持ちいいですわね」

「でしょー。あ、でもこの辺、足元ゴツゴツしてるからさ、気を付けて。」

「あ、ねえ見て見て」

「まぁ。大きな蝶々」

「んー、アゲハかな」
「これがアゲハ蝶ですの!初めて見ましたわ」

「こういうの、楽しいですわ」

「でしょー」

「街も楽しいけどさ、森もいいよね」

◆ ◆ ◆

そして話題はこないだのケチャップ事件

「うわ、ケチャップ?
お気に入りのワンピに?やばー」

「泣きそうになりましたわ」

メイはマカロンをほおばりながら笑う。

「でもさ、落ちて良かったじゃん」

「ええ。その時に初めて、
シミ抜きにもルールがあると知りましたの」

メイは少し考えてから、肩をすくめる。

「シミ抜きなんて、改めて考えたことないな。
私いっつもテキトーだよ」

「シャワー入りながらさ、
ボディソープでゴシゴシやっちゃう」

カレンの手が、ぴたりと止まる。

「あら?お湯はよくない場合がありますわ。
ゴシゴシも……」

「えっ?」

メイは慌ててスマホで調べる。

「うわ、本当だ……。見た目は落ちたように見えても、繊維の奥で固まり……え、こわ!」

「知っているだけで、慌てなくて済みますわ」

「……次から気をつけるわ。でも、今は食べよ〜」

「そうですわね」

後日──

「早見表、ありますよ」「分類すれば簡単です」
詳しく知りたい方は画像タップ🫧

□ 3. お日さまの匂い

森の空気は、春の日差しでふわふわしていた。

「よーし、今日はちゃんと洗ったぞー!」

メイは大きな洗濯カゴを抱えながら、
えっちらおっちら歩いていた。

「……ん?」

「今日なんか、重くない?」

少し首を傾げながら、カゴを抱え直す。

「ま、いっか」

そのまま木の近くまで運び、シーツを広げる。

ぱんっ。
シーツが風を含んで大きく膨らんだ。

「うわー、いい天気〜」

次はタオル、その次はシャツ。
洗いあがった洗濯物からは、
石けんとおひさまの混ざった匂いがした。

「よしよし、いい感じ」

ぱちん。ぱちん。

洗濯バサミを止めながら、メイは満足そうにうなずく。でも、その手が途中で止まった。

「あれ?」

カゴをのぞく。

「洗濯バサミ足りないや」

「んー、取ってくるかぁ……」

そう言いながら、一度家の方へ戻っていった。

白いシーツが、風に揺れて
ふわり、ふわり。

その横に置かれたままの洗濯カゴが、
もぞもぞと動き出した。

「……ぷはっ」

突然、モコがぴょこっと顔を出した。

きょろきょろと辺りを見回す。

風に揺れるシーツを見つけると、そのまま近づいていった。

モコはシーツへ顔を埋める。

「おひさまの匂いがするモコ」

ふわり、と風が吹く。

シーツが揺れて、モコの顔を包んだ。

「ふわふわモコ〜」

嬉しそうに笑いながら、モコはそのまま両手でシーツを掴む。

ぷらーん。

「わあ! 」

もう一回。ぷらーん。

「わーい!」

そこへ、通りかかったハヤトが足を止めた。
しばらく無言で眺める。

「モコ……何してるの?」

「ブランコだモコ!」

なるほど、と思いながら、ハヤトはモコの手元を見る。

「それ、手が辛いだろ。
ちゃんと結んだらもっと楽かも」

「ほんとモコ!?」

ハヤトはシーツの端を二箇所結び直した。
即席の布のブランコができあがった。

「すごいモコー!」

モコは目をきらきらさせた。
そのまま、ぽすん、と座る。
ハヤトが後ろから軽く押した。

ゆら。ゆら。

「わーーー!たのしいモコー!」

楽しそうな声が、森へ広がる。

その時。

「洗濯バサミあったよ……と……」

戻ってきたメイが固まった。

風に揺れるシーツと、即席ブランコ。
満面の笑みのモコと、その横で笑ってるハヤト。

「ちょっ!?!?」

モコは揺れながら笑っている。

「たのしいモコー!」

ハヤトもちょっと笑っている。

「ははっ。うまく行った」

メイの声が森に響いた。

「もーー!せっかく洗ったのにーーー!!」

でも、風に揺れるモコを見ているうちに、だんだん怒る気が抜けていく。

「んー……」

メイは頭を軽くかいた。

「でも楽しそうだし……ま、いっか」

シーツは太陽の匂いがして、
モコは楽しそうで、
森の空気はのんびり暖かかった。



今週の『森の散歩道』はいかがでしたか?

メイが好き。モコの話をもっと見たい。
そんな感想もお待ちしています☺️

🍃

『森の散歩道』では、
過去の物語を3話ずつご紹介しています。

気になる住人を見つけたら、
そこから寄り道してみてください🐾

それではまた。
次の3話でお会いしましょう。

🌳森の管理人 こより


次は誰の道に進む?

🌳この森はどの道からも歩けます

🌰モコルート   

🔍ハヤトルート 

🧋メイルート

👒カレンルート

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