朝を集めるヤマネ

まだ街が眠っている時間。
ヤマネは、
小さなリュックを背負って、
そっと外へ出ました。

空は、
夜と朝のあいだの色。
冷たい空気の中で、
靴の音だけが響きます。

川まで来ると、
水が静かに流れていました。
「今日は、
どんな朝に会えるかな」
ヤマネは、
手帳を開きます。

橋の上で、
立ち止まります。
風が、
ページを一枚だけめくりました。

パン屋さんから、
焼きたての匂い。
まだ誰もいない道に、
小さな幸せが漂っています。

坂道を登ると、
街が少しずつ明るくなっていました。
遠くの山に、
朝日が触れています。

ヤマネは、
ベンチに座って、
手帳に書きました。
「今日の朝は、
パンの匂いがした。」

それだけで、
なんだか嬉しくなりました。

家へ帰るころには、
街はいつもの朝になっていました。
でもヤマネの手帳には、
今日だけの朝が残っています。

ヤマネは、
少しだけ笑いました。
「また、
集めにいこう。」
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【朝を集めるヤマネシリーズ】
②【雨の日の喫茶店】
③【山の向こうの小さな駅】
④夜明け前の展望台
【「朝を集めるヤマネ」を曲にしてみました】
【「朝を集めるヤマネ」を作るきっかけになった話】
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