【準優勝】陽はまた昇る! 苦手なゼルビアに勝利したが、優勝には一歩届かず|柏レイソル×FC町田ゼルビア(第38節)

運命の最終節。苦手のゼルビアに勝利したが……
最終節からあっという間に時間がすぎてしまった。思い返せばここ数年にない記憶に残るシーズンだった。その締めくくりの一戦としてnoteに残しておく。
柏レイソルにとって、徹底的にハイプレスとロングボールを使ってくるFC町田ゼルビアはもっとも苦手な相手。困難な試合が予想されるが、勝点1ポイント差で首位を追うレイソルが逆転優勝するためには、どうしても勝たなければならない試合だった。
日立台の満員のスタンドが黄色に染まり、バックスタンドに「一心同体」のコレオグラフィが浮かぶ。

選手入場で細谷真大の手を引いて入場したエスコートキッズは、背番号9の黒いユニフォームを着た工藤壮人さんの娘さんだった。遠目で見てもブカブカだったので、おそらく2015年のACLで工藤さんが使ったユニフォームなのだろう。
試合は両チームの個性がはっきり現れた好ゲームに。ゼルビアボールのキックオフ直後、相馬勇紀が戻したボールはセンターサークル内で中山雄太が2度トントンとリフティングしてレイソル陣内へ高いボールを蹴り上げた。見たことのないキックオフスタイルに、やはりゼルビアはひと筋縄では行かない。

見どころは激しい競り合いやボール奪取か。試合を通してさまざまな局面でぶつかり合う。この日の主審はちょっとやそっとじゃ笛を吹かず、時間を追うごとに激しさが増していく。
そんな中でもリーグ戦全試合にフル出場した古賀太陽は、シーズン随一のできだった。ゴール前でゼルビアの攻撃を跳ね返し、時にはセンターサークル付近まで上がってボールを奪う。小島亨介も含む最終ラインでボールを保持し、ゼルビアの隙をうかがう。
前半を0-0で折り返したが、停滞感はまったく感じない。
そして63分、セカンドボールを拾った中川敦瑛がくるりと反転して攻め上がる。自陣中央から相手陣の中央まで、50メートル近くドリブルしたんじゃないか。そこから右のスペースへパスを送って、瀬川祐輔が折り返したボールがオウンゴールを生み出した。
スタジアムは一気にイケイケの空気に包まれる。直後には2回連続してポストを叩くシーンも。しかし1点差のまま終盤へ。最終盤にはゼルビアらしいロングボールやコーナーキックなどのピンチもあったが、レイソルの守備陣が跳ね返して勝利を掴んだ。
レイソルは勝点3を得て、勝点を75まで伸ばすことができたが、鹿島アントラーズも勝利したことで準優勝となった。
日立台に帰ってきた中山雄太。大ブーイングに笑みがこぼれる
2011年、中学3年生からレイソルのジュニアユースに入り、2018年までレイソルに所属した中山。ヨーロッパを経て2024シーズンの夏にゼルビアに加入したが昨年の日立台でのレイソル戦ではメンバー外だったので、今回久々に日立台に帰ってきたことになる。
前半、ゼルビアがコーナーキックを得て、中山がコーナーへ向かう際、スタンドから大音量のブーイングが起こる。レイソルサポーターはみんな中山が大好き。だからこそ起こったブーイングだった。
そんな愛ある(?)ブーイングに、中山は笑顔を浮かべる。

個人的には、いつか中山がレイソルに戻ってきたらいいのにと思うけど、きっと年棒が高くて取れないんだろうね。でも戻ってくるといいな。そんなことを思いながらボランチとして存在感を見せる姿を眺めていた。

劇的に変わった一年。タイトルはまた来年へ
試合直後、DAZNのインタビューで古賀は悔しさをにじませながら「勝点1という差をどれだけ埋められるか、来年以降につながるシーズンになった」と、今シーズン重ねてきた経験を自信に変えるコメントを残している。
ゼルビア戦に勝利して、6連勝でシーズンを締めくくった。最終戦績は21勝12引き分け5敗。最後に負けたのは8月のアウェーファジアーノ岡山戦だった。
今シーズンJ1の20クラブの中でもっとも負け数が少なかったが、優勝には届かなかった。私は昨シーズンまでの現実的なサッカーも嫌いじゃなかったけれど、今年のレイソルのサッカーは、期待感あふれる楽しさがあった。
浦和レッズ戦やルヴァン準決勝川崎フロンターレ戦のように、日立台で「猛攻モード」に入ったら、スタンド含むすべてが一体になり、誰にも止められない空気に一変した。スタジアムであの楽しさを味わえば最後、また次も観に行きたくなってしまうことだろう。日立台へ来たことのない人には、ぜひ一度、あの空気感を味わってほしい(チケットがなかなか取れないという問題も起きているけれど……)。
2026年はシーズン移行による特別シーズンから始まる。降格というリスクのないシーズンだから、どのクラブもいつも以上にチャレンジングな試みをしてくるのでは。
その点で、2025シーズンに変化を遂げたレイソルはすでに一歩先を行っている。2026シーズン、さらなる魅力も加えつつリカルドロドリゲスのサッカーをどう高めていくのか、楽しみは増すばかり。KIIRO ZINEも変わらず、ゆっくり追っていこうと思う。
【スタッツ】
柏レイソル × FC町田ゼルビア
2025年12月6日(土)14:00 KICK OFF 三協フロンテア柏スタジアム
1−0
得点者:オウンゴール(63分)
[KIIRO ZINE]は、柏レイソルの試合を年間25試合ほどスタジアムで観戦するエディターが、「スキを楽しむ」をテーマに試合の感想やその他レポート、アイテム紹介などさまざまな記事をアップしていきます。
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