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行政書士の当たりまえ?|なんとなく「無料相談」やってませんか?

こんにちは、元公務員行政書士のK.G.です。

さて、今回は、営業戦略編ということで、
結構話題に上がる
「無料相談」
についてお話していきたいと思います。

行政書士などの士業事務所にとって、相談料の設定は集客戦略における重要な要素だと考えています。

多くの士業事務所において「初回相談無料」という言葉を目にする機会は多いと思います。

これから開業されようとしている方や現在「無料相談」を提供している方においては、

「なんとなく」
「どこもやっているから」

といった感じでやっていませんか?

商品によって、集客方法によって、
様々な要素が絡み合うので、正解をお伝えすることはできませんが、

なぜ無料にするのか、有料との違いは何なのかなど、

私なりの理解をお伝えできればと思います。


まずフロントエンドとバックエンドの復習

行政書士は、物品を販売するビジネスとは異なり、専門知識をもとにサービスを提供する知識集約ビジネスです。

そのため、ビジネスの流れは
「相談→依頼→受任」
という段階を踏むのが一般的です。

この構造について、私は、

マーケティングにおける「フロントエンド商品」と「バックエンド商品」の関係だと考えています。

もし下記の記事を読まれていない方は、こちらも是非お読みいただくと、イメージ掴みやすいと思います。

簡単に解説しておきますと、

フロントエンド商品とは、顧客との最初の接点となる商品で、利益よりも顧客獲得を目的とします。
バックエンド商品は本命の商品で、利益の大部分を生み出します。

一般的には、

相談がフロントエンド、実際の受任業務がバックエンドと考えます。

本記事でも、基本はこの形をベースに話していきます。

なお、上記の記事でも書きましたが、
あくまで一般的な考えであって、
商品設計によって様々な構成が可能と考えてますので、
ご自身の商品設計と向き合われてみるとよいと思います。

ちなみに、「相談」がバックエンドとなるビジネスも存在していますからね。要は設計次第です。

初回相談無料の戦略的意義

さて、それでは、前段でお話した「初回相談無料」について、
どういった意義、狙いがあるのかを考えていきたいと思います。

①顧客の心理的ハードルを下げる

その最大の目的は、見ず知らずの顧客が持つ心理的ハードルを下げることにあります。

全く面識のない行政書士に対して、いきなりお金を払って相談することに抵抗を感じる人は少なくありません。

「本当にこの人に相談して大丈夫だろうか」
「お金を払う価値があるだろうか」

という不安を解消するために、まずは無料で相談を受け、自分のサービスの価値を実感してもらうのです。

②マーケティング要素

これは、事務所の場所や競合によると思いますが、
・近所の事務所や専門業務競合先が無料相談をやっているので、
 無料相談をやらないと集客が見込めない
・逆にそれらの先が有料相談ばかりなので、選んでもらうために
 無料相談をやる

といった、マーケティング要素を踏まえて実施を検討しているということもあります。

その他にも意図はあると思いますが、
とりあえず大きく分けるとこの二つかなと思います。


2回目以降の相談料設定

多くの事務所では、初回は無料でも2回目以降は相談料が発生する仕組みになっています。

その理由として、
①既に一度無料相談をしているので心理的ハードルが下がっている。
②マーケティング要素として既に効果は果たしている
 (他の事務所も言っていると思われるが)

加えて言えば、
「ご依頼いただければ相談料は割引します」
といった説明をしておき、

2回目の相談に来る方のほとんどは依頼前提で訪れるため、
相談料が実質的に発生しないケースも多かったりします。
(もちろん、2回目からしっかりもらう先生もいます。)

この辺りは各事務所の方針やお客様との関係性によって異なりますね。

無料相談のデメリット

無料相談は、いいことばかりではありません。
むしろデメリット部分が目立つというか、よく話題にあがります。

①情報泥棒(時間泥棒)

これが一番典型的な悩みでしょうか。
依頼をちらつかせながら、
・手続きの流れ
・必要書類
・注意点 など
を聞き出すことが目的で、結局依頼をしないというパターンですね。

関連として、
「ただの雑談や愚痴を聞いてほしいだけ」
「他の事務所に依頼をしようと思っているが、
 その前に情報知っていこうとするだけ」
とか、様々な状況や心理がありますが、
いずれにせよ、対応する時間の無駄になるわけです。

②クレームリスクが高い

これも共感いただける方も多いかもしれませんが、
無料相談で来る顧客はクレームリスクが高い傾向にあります。

あまり言い方ではないですが、
「顧客の質が悪い」
という感じですね。

こうした顧客に限って、
・回答が気に入らない
・もっと教えてほしい
・法律の抜け道を教えてくれ
といった過剰な要求なども多いですし、

それに対応しなかった場合、
書士会や都道府県への懲戒なんて話も・・・・

➂損をするケースも

開業初期あるあるかもしれませんが、
丁寧に説明しすぎて

「自分でもできるじゃん」

と思われて、依頼に繋がらないケースもあります。
①と同じ情報泥棒ではありますが、
ここは経験値でカバーですかね。

業務内容による戦略的な使い分け

無料相談のデメリットが目立つところではありますが
これら全て「考え方」次第だと思っています。

なんとなく「無料相談」にするのではなく
戦略的にフロントエンドとして設計することを意識することが大切です。

相談料は投資である

相談を受けている時間は、当然ながら他の業務に充てることができたはずの時間です。

したがって、無料相談は一種の宣伝広告費、つまり投資として捉えることができます。

この投資が見合うかどうかは、
その先にある本命商品(バックエンド商品)や
顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)を見据えることで、
変わってきます。

例えば、高額サービスには無料相談を

例えば、その相談の先に非常に高額なバックエンド商品が控えている場合や、
将来にわたって継続的に高い価値をもたらしてくれる顧客が見込まれる場合、

無料相談というコストは十分にペイする可能性が高いです。

あまり見ないのですが、
「この業務であれば無料相談します」
という形で、
戦略的に業務を選んで無料相談を提供することも有効です。

あくまで広告・投資であるという考え方をすることにより、
その投資(無料相談)の効果測定を粛々と行えばよいのです。

デメリットばかり嘆いても何も生まない

SNSなどを見ていると、先ほど挙げたデメリットを嘆く方も多いです。
その方々の多くは、
「無料相談が生み出した効果」を図っていないと思います。

チラシや広告など、依頼に繋がらなかった広告費のことは
あまり目を向けないのに、
無料相談においては、コストと捉えず、
デメリットばかり嘆くのです。

あくまで投資効果として、PDCAサイクルを回してみたら、
実は一番効率のよい広告なのかもしれませんよ。

無料顧問という選択肢

さらに進んだ形として、「無料顧問制度」を設けている事務所もあります。

簡単な相談であれば何でも無料で受け付けるという仕組みです。

これにより顧客との継続的な関係を構築し、大きな案件が発生した際に依頼してもらえる可能性を高めます。

顧客にとっては「何かあればあの先生に相談できる」という安心感が得られ、事務所にとっては将来の大型案件獲得につながる、Win-Winの関係を築くことができます。

更に広告効果も期待できるかもしれません

顧問数〇〇件!

というHPを見たことがありますが、
広告効果はかなり高く思えますよね

中を覗くと、
ほぼ全て「無料顧問」だったなんて話も。
(いいか悪いかはご自身でご判断を・・・)

もちろん、時間拘束されたり、責任を負わされたりといった
デメリット部分もありますので、これが正解とまでは言えませんが、
ご自身のサービスに合うのであれば一考の余地はあるのではないでしょうか。

有料相談に切り替えるタイミング

無料相談から有料相談に切り替えるという先生の話もチラホラ聞きます。
そのあたりも解説しておきます。

事業が安定してきた段階

開業当初や顧客基盤が十分でない時期は、無料相談で間口を広げることが有効です。

しかし、十分にお客様が集まり、新規顧客を全力で獲得する必要がなくなってきた段階では、有料相談に切り替えることも選択肢の一つです。

事業が安定し、既存顧客からの紹介や口コミで新規依頼が入ってくるようになれば、無料相談というコストをかけ続ける必要性は低下します。

顧客の質をコントロールする

無料相談と有料相談では、集まる顧客の質が変わるという重要な違いがあります。

無料相談の場合、
「とりあえず無料だから相談してみよう」
「無料で済ませたい」
という動機の方も一定数含まれます。

また、金額だけを重視し、サービスの質を適切に評価できない方が来ることもあります。

有料相談の場合は、お金を払ってでも相談したいという明確な意思を持った方、つまり依頼を前提として真剣に検討している方が中心になります。

言い方は良くないかもしれませんが、有料にすることで「質の低い顧客」をある程度フィルタリングできるのです。

開業時・成長段階別の推奨戦略

開業初期

開業したばかりの時期や、まだ顧客基盤が十分でない段階では、基本的に「初回相談無料」から始めることをお勧めします。

これは周りが多すぎて顧客側もそれを期待している面がありますので。

この段階では、まず認知度を上げ、実績を積むことが最優先です。

多少のコストをかけてでも、顧客と接点を持つ機会を増やすべきでしょう。

安定成長期

ある程度顧客が集まり、事業が軌道に乗ってきたら、相談料の見直しを検討するタイミングです。

すべての相談を有料にする必要はありませんが、以下のような基準で判断すると良いでしょう。

  • 顧客の質 無料相談で来る顧客の質を観察し、依頼につながる割合や顧客とのやり取りの質を評価する

  • 相談内容 どのような相談が多いか、その先にどのような依頼が見込めるかを分析する

  • 時間コスト 相談対応に費やす時間と、そこから得られる受任の比率を計算する

ご自身の商品を踏まえて、フロントエンドとバックエンドを含めた利益構造を見つめなおすことも大事です。

これらを総合的に判断し、
一部の業務は有料相談に切り替える、
特定の業務に限って無料相談を継続する
といった戦略的な判断を行います。

成熟期

事業が成熟し、紹介などで十分な依頼が入ってくるようになれば、基本的に有料相談に移行しても問題と思います。

この段階では、質の高い顧客との深い関係構築に注力すべきです。

ただし、既存顧客からの紹介や、将来大きな価値をもたらす可能性のある顧客に対しては、柔軟に無料相談を提供するなど、状況に応じた判断が求められます。



最初にも言いましたが、
商品設計によって様々な構成が可能であって、
「正解」はありません。

まずは、「なんとなく」やっていた無料相談について、
考えるきっかけにしていただければ幸いです。


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また、私のNOTEでは、

・公務員時代の悩みや退職時の考え
・元公務員がもつ圧倒的な競合優位性
・独立開業の準備等
・開業してからの営業方法 など

様々な情報を紹介していきますので、他の記事もお読みいただき、
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