移動平均線14本を、インジケーター枠1つに。TradingViewの上限に困っている人へ

チャートに出す情報は、少ないほどいいと思っています。
線を増やせば増やすほど、判断は遅くなります。だから普段は、必要な線だけを残して、あとは消しています。
それでも困ることがあります。線を減らしたいのではなく、枠が足りないという場面です。
移動平均線1本で、枠が1つ埋まる
TradingViewでは、チャートに追加できるインジケーターの数に上限があります。無料プランは2つまで。
厄介なのは、移動平均線を1本追加しただけでも「インジケーター1つ」として数えられることです。
RSIのような複数の計算を含む指標も、たった1本の移動平均線も、消費する枠は同じ。20EMAと50EMAを表示した時点で、無料プランの枠は埋まります。200SMAを足したければ、どちらかを消すしかありません。
私はこの入れ替え作業を、数えきれないほど繰り返してきました。
14本を、1枠にまとめました
Multi MA Ribbon Pro
移動平均線を最大14本、インジケーター枠1つで表示する補助ツールです。
移動平均線を14本表示すると、通常なら14枠を消費します。無料プランでは当然入りきりません。このツールなら消費する枠は1つです。無料プランでも、14本を表示したうえで、まだ別のインジケーターを1つ追加できます。
冒頭の話に戻ります。線を14本出したいわけではありません。 必要な線だけを、枠を気にせず選べる状態にしたい。そのための道具です。
1本ずつ、消せます
「14本も出たら画面がうるさくなる」——そう思われた方へ。先に書いておきます。
14本それぞれに、表示・非表示のチェックボックスが付いています。
使わない線はチェックを外せば消えます。そして何本消しても、枠の消費は1つのままです。
たとえば 20 / 50 / 200 の3本だけを表示する、という使い方ができます。見た目は普通の移動平均線3本と変わりません。それでも枠は1つしか使いません。空いた枠には、RSIでもMACDでも好きなものを入れられます。
冒頭に書いたとおり、私はチャートに出す情報は少ないほどいいと思っています。このツールは「線を増やすため」ではなく、「枠を気にせず線を選べるようにするため」のものです。
色も太さも変えられます
見た目の調整も、必要なものは開放しています。
表示 / 非表示 … 14本すべて個別。チェックボックスを外すだけです
期間 … 14本すべて個別。数値を入力するだけです
色 … 14本すべて個別。または基準色を1つ選ぶと、6段階の濃淡が自動で作られます
線の太さ … 短期グループ・長期グループごとに1〜4段階
移動平均の種類 … 短期・長期グループごとに EMA / SMA / WMA / RMA / HMA から選択
計算に使う値 … 終値・始値・hl2・hlc3 など
設定画面は、1行に「表示のチェック・期間・色」が横並びになるよう組んであります。14本あっても縦に伸びすぎず、変えたい行にすぐ届きます。
設定画面の項目名はすべて日本語です。
色を見るだけで、状態がわかります
このツールの中心はここです。
移動平均線が14本あると、上下関係を目で追うのが大変です。その並び順を判定して、色に置き換えています。
背景の色
チャート全体の背景が、状態に応じて3色に変わります。
緑の背景 … 移動平均線が上昇の並びで揃っている状態
赤の背景 … 移動平均線が下降の並びで揃っている状態
黄色(橙)の背景 … 線の集まりが狭くなっている状態。上にも下にも揃っていない
背景なし … 上のいずれでもない状態
ざっくり言えば、緑と赤は「方向が揃っている」、黄色は「方向感がない」という区別です。 値動きが行ったり来たりしている場面では黄色になります。
黄色が最優先されます
ここは重要なので、はっきり書いておきます。
線の集まりが狭いとき(黄色)は、並び順が揃っていても背景は黄色になります。 緑や赤は出ません。
理由は単純です。移動平均線が順番どおりに並んでいても、14本がぎゅっと固まっていれば、それは方向が定まっていないからです。並び順だけを見ると「揃っている」と判定されてしまう場面で、実態は方向感がない。この食い違いを、色の優先順位で潰しています。
背景の色を見る順番は、こうなります。
黄色 → 線が狭い。方向感がない
緑 → 上昇の並びで、かつ広がっている
赤 → 下降の並びで、かつ広がっている
色なし → 並びが崩れている
リボンの色
背景とは別に、線の集まりそのものにも色が付きます。短期6本の帯と、長期6本の帯です。
緑のリボン … そのグループが上昇の並びで揃っている
赤のリボン … そのグループが下降の並びで揃っている
グレーのリボン … そのグループの並びが崩れている
短期リボンと長期リボンは、それぞれ独立して色が変わります。
だから「短期リボンは緑だが、長期リボンはグレー」という状態が普通に起こります。これは短期だけが揃っていて、長期はまだ揃っていないという意味です。故障ではありません。
背景色が出ていなくてもリボンだけ色づく、という場面もあります。背景は「両方のグループが揃ったか」を、リボンは「そのグループ単体が揃ったか」を見ているためです。
色は自由に変更できます
初期設定は緑・赤・黄色ですが、3色とも設定画面から変更できます。 透過度も調整できるので、背景色が濃くてローソク足が見にくい場合は薄くできます。背景色そのものを消すこともできます。
何が表示されるか
移動平均線 14本
初期設定は GMMA(Guppy Multiple Moving Average)の構成です。
短期グループ 6本 … 3 / 5 / 8 / 10 / 12 / 15
長期グループ 6本 … 30 / 35 / 40 / 45 / 50 / 60
追加の2本(任意) … 100 / 200(初期状態では非表示)
期間はすべて変更できます。GMMAを使わない方は、必要な本数だけ表示にしてください。
並び順の判定条件は4段階から選べます
「揃っている」の基準を、どこまで厳しくするかを選べます。
完全PO(初期設定)
短期6本が整列し、長期6本も整列し、さらに短期グループ全体が長期グループの外側にある。最も厳しい条件で、滅多に成立しません両グループの並び
並び順のみを見ます。グループ同士の位置関係は問いません短期グループのみ
短期6本の並びだけを見ます。最も成立しやすい設定です長期グループのみ
長期6本の並びだけを見ます
初期設定の「完全PO」は、短期の一番遅い線が長期の一番速い線より外側にある状態です。条件が揃った時だけ背景が色づくので、それ以外は無視するという使い方ができます。
背景が全然色づかないと感じたら、「両グループの並び」に緩めてください。
線の集まり具合を、数値でも表示
「狭い」の判定は、感覚ではなく数値で行っています。
長期グループの上下幅を、ATR(1本あたりの平均的な値幅)に対する比で計測しています。ATRで割っているため、ゴールドでもドル円でも日経でも、同じ設定値がそのまま使えます。 銘柄ごとに調整し直す必要はありません。
実測値は状態パネルに表示されるので、それを見ながら「狭い」の基準を決められます。
右端の期間表示
14本並ぶと、どれが何本の線か分からなくなります。各線の右端に期間の数値を表示します。不要なら非表示にできます。
状態パネル
チャートの隅に、現在の状態をまとめて表示します。位置とサイズは変更できます。
パーフェクトオーダー : 上昇PO ▲
短期グループ : 順行(上昇)
長期グループ : 順行(上昇)
グループの位置関係 : 短期が上
リボン幅 短/長 : 0.42 / 1.86
リボンの状態 : 拡散背景色を見て「なぜ今この色なのか」を確かめたいとき、この6行を見れば理由が分かります。
通知
5つの状態変化について、TradingViewの通知機能を設定できます。
上昇パーフェクトオーダー成立 … 上昇の並びが揃った時
下降パーフェクトオーダー成立 … 下降の並びが揃った時
パーフェクトオーダー崩壊 … 揃っていた並びが崩れた時
リボン収縮の開始 … 線の集まりが狭くなった時
リボン拡散の開始 … 狭い状態から広がった時
いずれも「いま画面がこう変わった」を知らせるものです。
向いている方・向いていない方
向いている方
インジケーターの枠が足りず、入れ替えを繰り返している
移動平均線を3本以上表示したい
GMMAを使っている、または使ってみたい
有料プランだが、枠を他の分析に回したい
向いていない方
移動平均線を1〜2本しか使わない
→ 標準機能で足ります。購入する必要はありません売買の判断そのものを示してほしい
→ これは表示のための道具です。矢印は出ません
導入のしかた
この記事の有料エリアに、そのまま使えるコードを掲載しています。
TradingViewを開く
画面下部の「Pineエディタ」を開く
有料エリアのコードをすべて選択してコピーし、エディタに貼り付け
「チャートに追加」をクリック
以上です。所要時間は1分もかかりません。無料プランでも動作します。
プログラミングの知識は必要ありません。貼り付けるだけです。設定はすべて、通常のインジケーターと同じように歯車マークの設定画面から変更できます。
アップデートを行った場合はこの記事を更新します。買い直しは不要です。新しいコードに差し替えるだけで最新版になります。
注意事項
売買の判断を示すものではありません。
矢印やエントリー位置は表示しません。移動平均線を効率よく表示し、その状態を色で可視化するための道具です。背景が緑になったからといって、この先の値動きが決まるわけではありません。あくまで「いま線がこう並んでいる」という状態の表示です。
再配布・転売はご遠慮ください。
ご購入者ご自身の利用に限ります。ご自身のチャートで使う分には、複数の端末・複数のアカウントでも問題ありません。
表示に時間がかかる場合があります。
線を14本描画するため、極端に古い端末や、非常に長い期間を一度に表示した場合、描画に時間がかかることがあります。使わない線を非表示にすると軽くなります。
プラン内容は変更されることがあります。
TradingViewの各プランのインジケーター上限数は変更される場合があります。ご自身のプランの上限は公式サイトでご確認ください。いずれのプランでも「1枠で14本」という点は変わりません。
投資助言ではありません。
本記事および本ツールは表示の補助を目的としたものであり、特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
本記事にはTradingViewの紹介リンクを含みます。
リンク経由でご登録いただくと、当方に紹介料が入ることがあります。ツールの動作や価格、掲載内容に影響はありません。
ほかに作っているツール
価格
980円
インジケーターを入れ替える手間が、これ以降なくなります。判断材料は以上です。
含まれるもの
コード全文(貼り付けてすぐ使えます)
全パラメータの解説(約40項目・初期値と調整の目安つき)
色の設定と挙動の詳しい説明
設定レシピ集(5種類)
通知の設定手順
表示がうまくいかない場合の対処一覧
アップデート版(買い直し不要)
よくある質問
Q. 無料プランでも使えますか。
A. 使えます。表示・設定変更・パネルはすべて動作します。通知の同時設定数のみ、プランによる制限があります。
Q. プログラミングの知識は必要ですか。
A. 必要ありません。コピーして貼り付けるだけです。設定画面も日本語です。
Q. 背景色がうるさいのですが、消せますか。
A. 消せます。背景色そのものをオフにする設定と、透過度を上げて薄くする設定の両方があります。色の変更も可能です。
Q. 14本も必要ないのですが。
A. 使わない線は非表示にしてください。3本だけ表示しても、枠の消費は1つのままです。むしろこの使い方のほうが多いかもしれません。
Q. GMMAを知らないのですが。
A. 問題ありません。GMMAは「短い期間の集まり」と「長い期間の集まり」を比べる見方というだけです。期間を好きな数値に変えれば、通常の複数移動平均線として使えます。
Q. MT4 / MT5版はありますか。
A. TradingView専用です。
Q. 15本以上に増やせますか。
A. 現在のバージョンでは14本が上限です。ご要望が多ければ拡張を検討します。
Q. 複数のチャートで使えますか。
A. 使えます。一度貼り付ければ、ご自身のアカウントのどのチャートにも追加できます。
Q. 返金はできますか。
A. お受けできません。ご購入と同時にコードの全文が閲覧可能になる仕組みのためです。判断材料として、この無料エリアに表示される内容をすべて記載しました。ご購入前にご確認ください。
最後に
「インジケーターの上限に達しました」という表示を閉じる作業に、飽きました。
同じことを思っている人がいると思って作りました。それだけの道具です。
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