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日清食品は、UFOソースラーメンのウマさをパッケージに記載した方がいい。


人は、時に自分でも説明が付かない失敗を犯すが、今の私はまさにそれに当てはまる。

湯切り前のUFOに、ソースを投入してしまったのだ。

何とかリカバーしたいが、今は出張中でここはビジネスホテルの一室だ。コンロでソースの水分を飛ばすなどのアイデアを、試すことさえ私には出来ない。

かと言ってこれを破棄するのは人として出来ないし…もうそのまま食べるしかないのだろうか?


激しい後悔の念を捨てきれず、ダメ元でネットで検索してすると、驚きの情報がヒットした。


UFOをソースラーメンとして食べるのだと…


しかも、紹介しているのはあのリュウジだ。


どうやら、世の中には『汁ありのソース焼きそば』や『ソースラーメン』なるものが既に存在するらしい。

それならば、UFOでソースラーメンも有りだろうとアレンジするのは、いかにもリュウジらしい創意溢れるアイデアだ。そして彼のレシピにハズレはないので、このソースラーメンもウマいに違いなかろう。


日清ファンを自負しておきながら、この6年も前の情報を知らなかったのは痛恨の極みだが、これで私は、心置きなくUFOのソースラーメンを楽しめる。

それにしても…あのおふざけ好きの日清食品ならば、リュウジの投稿に便乗して、いっその事UFOをソースラーメンとして食べるオプションをパッケージに記載する選択肢もあった筈だ。そうすれば、私も要らぬ後悔をせずとも良かったのに…

彼らには、私のようなウッカリさんを救う気持ちが無いのだろうか?




「部長、このリュウジがやってるUFOソースラーメンの件はご存知ですか?結構バズってるようなのですが…」

「ああ…それね。そりゃあマーケティング部の長として当然チェックしてるよ」

「そうですか…で、私も試したんですが、アレって普通にウマいんですよ!で….だったらいっその事、パッケージに『湯切り無しでソースラーメンもおすすめ!』って記載すれば良いと思うのです…」

「ほう…それはアレか?そうすれば、湯切り前にスープを投入してしまったウッカリさんを救えるとでも…」

「その通りです。実は私も、その失敗で悔しい思いをした事がありまして…」

「ほう…ではその時はどうしたんだ?」

「いや、もう結局どうしようもないから、そのまま食べましたよ…捨てる訳にもいきませんから…」

「で…どんな気持ちになったんだ?先程は、アレは普通にウマいと、自分で認めていたようだが…」

「いえ…それは…その時は正直不味いと思いました。何せ、ソースラーメンが有りだとは、全く知りませんでしたから…」

「うんうん。で、私が聞きたいのは食べた後だよ。取り返しのつかない失敗をして、焼きそばUFOを食べ損ねた君の心情は、その時どうなってたんだ?

「え…それはもう、近々リベンジしてやろうと思いましたよ…今度こそは湯切りして、本来の味を楽しみたいと…アっ!まさか…」

「そう…ようやく気付いたみたいだな…。リベンジを誓った君は、実際にUFOを早々に再購入した筈だ。つまり、取り返しの付かない失敗をした事で、君にとってのUFO購買頻度は上がった事になる…」

「しかし、私がソースラーメンのUFOもアリだと満足してしまえば、再購入のタイミングは後悔した場合よりも確実に後になってしまう…」

「そういう事だ。そしてUFOのソースラーメンを公式に認めた際の売上損失は、実に年間3.8%と予測されている

「え…そんなに影響があるんですか?」

「シンクタンクが算出した、全国で湯切り前にスープを投入するウッカリさんはおよそ、年間で20万人だ。それだけ多くのお客様が、UFOで悔しい思いをするのは忍びないが、その悲劇を折り込済みで我々は販売目標を立てている。だから、湯切り前にうっかりスープを入れてしまっても、実はソースラーメンとして楽しめるという事実は、社内でも公然のタブーと言っていい…」

「分かりました…何だか、申し訳ない気持ちになりますが…仕方ないですよね…アレ?でもそのシミュレーションが既にあるということは…誰かが、私と同じ提案を既に…え?まさか…」

「そう、私だよ…君の提案は、既に私が発案して先ほどの理由でとっくに却下されている。」


「…という事は、部長も…」


「そう…やっぱりアレ、ウマいよな〜?」




『いや…これは思ったよりイケるな…』

というより普通にウマい。リュウジのレシピのような追い調味料は入れてないが、このスープはソースならではの濃厚な旨味を存分に楽しめる。

そのスープの旨みを、同じくラーメンとして何の遜色もない麺がしっかりと受け止めている。そもそも、カップ焼きそばは全く焼いてないのだからこっちのラーメンとして食べる方が下手したら、自然なのではなかろうか…

そして、本来完食するはずだったソースは、スープと化す事で完飲しないという選択肢を与えてくれる。つまり、こちらの方が身体にも優しいという訳だ…


ええ…部長、確かにコレはウマいですよ…でも…やっぱり、パッケージに載せた方がいいと思いますよ?『湯切り無しでソースラーメンもおすすめ!』と…


『いやいや…だからそういう訳にはいかないんだよ…ホラ、君はもう、現に満足してしまっただろう?UFOのソースラーメンを食べたのだから、もう当面UFOは食べなくていいと…』


逆ですよ…部長…

UFOソースラーメンをパッケージに記載すれば、逆にUFOの売上は、より増加するに決まってます。

だって…失敗しなくても、試したくなるでしょう?公式に認められた食べ方ならば…


となると、年間ゆうに500万を超える人々が、UFOソースラーメンのウマさを知る事になる…そして、皆が今の私と同じ気持ちになるでしょう…


『ほう…それは、どんな気持ちだ?』


こんなの、UFOじゃない。

リベンジ購入は、無くなるどころか激増します。



最後まで読んでいただきありがとうございます。このnoteでは、多くの人が気付いているけど語るほどでもないと思ってる、身近な食の『美味しいこばなし』を発信してます。あなたが感じたこと、考えたことなど、コメントで教えていただけると嬉しいです。それでは、また次の記事でお会いしましょう!

まし

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