【連載小説】w 「あたしの道草」③
(三)
で、その最近彼氏ができたリエちゃんが、あたしに男の人を紹介してくれるっていうんだよね。
サカガミさんの高校の友達らしいんだけど、あたしのことを話したらあたしに会いたいんだって。
あたしも一応、彼氏は募集中だから会ってみてもいいかもって思った。しかもリエちゃんの紹介だしね。
サカガミさんの友達なら、いい人かもね。しかも年上っていうのもポイントだった。あたしは、年下よりは年上の方が合うと思ってたから。
サカガミさんは、なんでも、建築関係の仕事をしているらしくて、あたしからしたら、ある種の憧れを感じるくらい。
結構、もしかしたら腕とかに筋肉が付いてたりするのかなって勝手に想像してちょっと懐かしい気持ちにもなったりしてて、っていうのは、海外の人ってみんななんだか大きくてゴツいんだよね。
大学の友だちも、みんなヒョロヒョロってしてるから、ゴツい感じがなんだか懐かしいって感じてしまうの。
もちろん日本人でも筋肉質な人はいるんだけど、向こうの人は、やっぱり骨格からもうゴツいっていうね。
そんな人ばかりの環境にいると、どうしてもそっちがスタンダードになってしまうんだよね。
まあ、でもだから男の人としてどうかっていうのは、また違う問題だけど、それでも、リエちゃんに話を聞いたときにちょっと興味を持ったのは本当なんだよね。
なんとなく、勝手に懐かしいような気持ちになってしまって、会ったらもっとそんな気持ちになるのかも、ってよくわからない期待もしてしまったの。
あたしは、もともとフランス人と付き合いたかったんだけど、うまくいかなくて、そのあとアフリカ人と付き合いたいと思って友達のツテを辿ったりしてたんだけど、これもなかなかうまくいかなくて、、。
で、日本に帰ってきたら、日本人も意外にカッコいいよねってなって、それからは日本人で探してるんだよね。
でも、なかなかいい人がいなくて。
付き合ってって言われることはよくあるんだけど、いつのまにか友だちみたいになっちゃうんだよね。
たまに顔がかっこいい人もいたりするんだけど、なぜか段々ロボットみたいに見えてきて、なんだか特別感がなくなっていくっていうか、自分でもよくわからないんだけど、どうしても無理みたいってなってしまうの。
今でもみんな友達は友達なんだけどね。
あたしは、どういうわけか男の人に、特に日本人にはモテるみたいで、しょっちゅう声をかけられたりするんだけど、なかなかコレっていう人はいないんだよね。
デートみたいなのは何回もしてるんだけど、どうしてもそんな気にならないっていうか、まあ、ちょっと怖いっていうのもあったりして。
もちろん、相手からデートの後に「なんか思ってたのと違う」って言われたこともある。やっぱりあたしがちょっと普通じゃないっていうのが、合わないっていうか、嫌なんじゃないかな。
でもそれは、仕方がないよね。
夏に、大学の友達とお祭りに行ったときなんか、同世代の男の子たちにナンパ?されたこともあるんだけど、その時も「変わってるよね」って言われたんだよね。
その男の子、いきなりあたしにキスしてきたんだけど、あたしは全くその気にならなくて、やっぱりそういうことは好きな人としないとダメなんだなってそのとき思った。
あたしは帰国子女だし、普通の日本人とはやっぱりちょっと違うし、でも一応日本人ではあるから、日本的な部分もあるとは思うし、憧れもあるし、だから日本人でもあたしと合う人はいるとは思うんだよね、きっと。
あとは、やっぱり同じ大学とか、同じサークルの人は嫌っていうのがあって。
なぜなら、サークル内で、誰かが付き合い始めたときに、みんなの前で「私達、付き合うことになりました」って宣言しているのを見て、これは嫌だなって思ったの。
とにかく、それであたしは、リエちゃんにその建築関係の人に「会ってもいいよ」って言ったんだよね。
なにより、年上だし、大学関係じゃないっていうのが、あたしはいいと思ったのね。
「あたしの道草」④へ続く
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