『君の膵臓をたべたい』命の儚さを表わす、工場地帯の夜景のシーン
夜景の工場地帯が人気を集めています。
最近では、そんなミステリアルな、雰囲気を味わうためのツアーもあるそうで、インスタ映えする事から、人気を博しているようです。
『君の膵臓をたべたい』「劇場アニメ版」
そんな夜の工場地帯を背景にした物語が、『君の膵臓をたべたい(キミスイ)』の「劇場アニメ版」にありました。
『君の膵臓をたべたい(キミスイ)』では、夜の工場地帯や、それに類する工業的な夜景が印象的に描かれているのは、
2018年に公開の「劇場アニメ版」の終盤にある花火のシーンです。
実写映画版や原作小説とは異なり、アニメ版では独自のロケ地として、
富山県高岡市・射水(いみず)市周辺が舞台に選ばれており、そこで美しい工場地帯の夜景が描かれています。
それは立山連峰が一望できる二上山の守山城跡で、「僕」と桜良が二人で花火を見るシーン。
二人の心情を表す重要なシーン
それは物語の終盤、病気のため入院してしまったヒロインの山内桜良(さくら)が、主人公の「僕」を連れ出して病院から抜け出します。
二人が向かったのは、高台(ロケ地のモデルは高岡市の二上山周辺)でした。
そこから見下ろす夜景の中に、美しくきらめく臨海部の工場地帯(富山新港の工業地帯)と、ライトアップされた大きな橋(新湊大橋)が広がっています。
やがて夜空に大きな花火が打ち上がり、近未来的な工場の明かりと花火の光が、二人の行く末を照らすように美しく重なり合います。
このシーンが持つ重要な意味
この夜景・花火のシーンは、作中で最も切なく、そして二人の心が完全に重なる、最高潮の場面として登場します。
それは無機質で、どこか幻想的な工場の光と、
一瞬で消えてしまう美しい花火のコントラストが、残り少ない桜良の命の儚さを象徴し、命のきらめきと、無念の儚さとを対比しています。
「僕」の涙と、初めてのハグ
花火の大きな音が鳴り響く中、桜良は自分の死への恐怖の本音を「僕」に吐露します。
普段は感情を表に出さない「僕」が、彼女を失いたくないと言う強い思いから、ここで初めて涙を流して桜良を抱きしめます。
映像美としての特徴
アニメ版『キミスイ』は、光の描写が非常に美しい作品ですが、特に対象的なこの「夜の工場地帯×花火」のシーンは、
アニメーションだからこそ表現できた、圧倒的な映像美として、ファンの間でも屈指の名シーンとして知られています。
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