TALESランキング1位、稿 累華さんに焔ふぁいがインタビューしてみた!(創作大賞2026 特別企画)
あれっ、創作大賞の〆切って、7月8日……?
もうひと月ないじゃない!
わたし、今年は皆さまを応援するんじゃなかったっけ。
この焦りがすべての発端だった。
そうだ、YeKuさんに話を聞きに行って盛り上がろう。TALESの傾向分析もされてるし。
YeKuさんはnote界に住むやさしいお姉さん。以前、noteの続け方についてインタビューさせていただきました(役に立つ話が盛りだくさん)
しかし、意外にもYeKuさんの答えは、「適任者はわたしではないと思います(積極的に参加していないので)」だった。
「稿 累華さんにインタビューされてはどうでしょうか?」
稿 累華さんって……、あの?

TALESの総合ランキング、1位の方じゃないですかーーー!
無理でしょー。
雲の上の方ですよ?(わたしのランキング何位だと思ってるんですか)
――(YeKuさんと会話タイム)――
※書面です
なんだか、わたしほどの適任者はいない気がしてきた(脳が便利にできています)。
「創作大賞2026」に参加中(皆さまの気持ちがわかる)
実は、創作の10年選手(創作のポイントがわかる)
小説家デビューしそうになったのち、小説が書けなくなったことがある(創作を続けることの大変さがわかる)
きっと皆さまに「おもしろい」と思っていただけるインタビューができる。
この想いが、仲介いただいたYeKuさんの人望、稿 累華さんのお優しさによって、なんと、届いた! 本当に実現してしまった。
「稿さんは昨年の創作大賞での受賞経験もさることながら、どなたにでも丁寧で優しいお人柄もすごく魅力的ですし、それが作品にもにじみ出ているところが素敵な方です。今年の創作大賞にも応募されています。
一方、焔ふぁいさんも長年創作にかける熱い気持ちをお持ちで、創作大賞にも真剣に参加されていらっしゃいます。真剣に創作に向き合っておられるお二人が中心のインタビューなら、私へのインタビューよりも、読んだ方にとってためになる、すばらしいインタビューになるのではないでしょうか。」
では、さっそくいってみたいと思いまーす。
(このインタビューは書面で行いました)
1. はじめましてのご挨拶
焔ふぁい(以下、ふぁい ※焔だと稿さんの字と区別しづらいので):はじめまして、焔ふぁいと申します。ふぁいはFIREのふぁいです。理想のFIRE(会社組織に依存しない自分らしい生き方)を目指しています。
稿 累華さん(以下、稿):焔さん、はじめまして! いつもnoteすごいなーと思って見させていただいていました。
ふぁい:とんでもございません。わたくし、FIRE、FIREと言って、創作からは遠いキャラに見えるかもしれませんが、実は創作のほうが先なんです。TALESへの参戦は、ひさびさに山から降りてきたような感じです。
稿:私がTALESを見つけたのは、ほんとうにたまたまでした。 ちょうどその頃、「小説家になろう(小説投稿サイト)」で、テンプレっぽい作品を試しに書いてみようと思って完結まで書き終えたところでした。
ふぁい:へえ、テンプレ。
知ってるふりをしましたが、あとで調べました。「テンプレ」とは人気のある定番の設定やお約束のこと。「異世界転生」みたいな。
稿:「小説家になろう」で書こうと思ったのは、テンプレを書いたら読まれるのか? アクセスが増えるのか? という実験をしたかったからだったんですが、書き終えてみて、「ちょっと、このジャンル、私が書きたいものとちがうぞ?」と思い、自分の書きたいものや作風に合いそうなものを探したら、まもなくオープンするTALESというサイトを知った、という感じでした。
ふぁい:そうだったんですね。小説投稿サイトによって特長があるものなんですね。
稿:そうですね。
ふぁい:わたしは小説を書くのを中断していたので(まったく書けなくなった)、実は小説投稿サイトのことがよくわかっていません(笑)
そういえば、稿さんもお仕事や出産の関係で創作活動を中断されてますよね。その間、創作への想いはどうだったのでしょうか?
稿:創作の火は、ずっと灯っていました。 この人を小説に登場させたらどういう表現になるかなーとか、なんとなくそう思うことがあって、ぽつぽつとスマホのメモ帳に書いていて、それをたまに見つめると、ふっと創作をしていた頃が懐かしくなる。 そんな中断期間でした。
ふぁい:なるほど、実生活と創作がリンクし続けたのですね。
稿:また書きたい! と思ったのは、以下の記事に書いた理由からですが、再開したら書くのが楽しくて楽しくて、今はやっぱり再開してよかったなって思います。
ふぁい:再開してくださってよかったー!
2. TALESってどんなところ?
TALESは、皆さんご存じのとおり、noteさんが運営する小説投稿サイト。クリエイターの皆さまが日々しのぎを削っていらっしゃいます。様々な賞が開催されていますが、目下大きな注目を集めているのがnote創作大賞。日本最大級の公募賞です。
ふぁい:今回、わたしと稿さんと引き合わせてくださったYeKuさんがTALESの傾向について毎月レポートを書いてくださっています。
稿さんはどんな傾向について注目されておりますか? わたしは情報量に圧倒されるばかり。こんなレポートが書けるってすごい。
稿:YeKuさん、すごい方ですよね……! どうやって情報持ってきていらっしゃるんだろう? といつも思っていて、まとめられた内容についても、すごいなーと思って読んでいました。
ふぁい:やっぱりそうなんですね。
稿: 私は統計を学んできた人間なので、こういう数字による根拠とか、すごく大事だと思っているんですが、ただ分析するだけじゃなくて、「なんで分析するのか」という理由や目的のところが大事だなって思います。
ふぁい:心理学は、ほとんど統計学みたいなところがありますからね。
稿: YeKuさんは、TALESというプラットフォームでなにが流行っているのか傾向をつかむため、ということで分析されていますよね。そういう理由を明確に提示してくださって、なおかつ一年以上傾向を追いつづけていらっしゃる姿勢がとても素敵だな、と思いました。 そのなかで、私自身がTALESの傾向として注目していることは特になくて(笑)
ふぁい:トレンド(流行り)はあまり考慮されてないのですね。
稿: TALESは、とにかく使いやすく見やすく、運営さんも問い合わせると親切で、親しくさせていただいている方々も素敵な方で、末永くつづいてほしいなーと思っています。
3. TALESのランキングについて
TALESに投稿してみてわかった。投稿することは簡単でも、皆さまからご評価されるのが激むずい! そもそも読んでいただくことすら困難。 稿さんの総合ランキング1位はとんでもないことなのです。

ふぁい:稿さんは最初から順調だったのでしょうか? 大きく伸びるきっかけなどはありましたか?
稿: 大きく伸びるきっかけは、やっぱり創作大賞入選というのが大きかったと思います。 応募の時は、累計2〜30位にいて、中間発表されて入選で読まれるようになったというのはあります。
ふぁい:なるほどー。ま、真似できない……。
稿: ただ、一番は、ひとつの作品を長く書きつづけて、それをずっと追いかけてくださる読者さんが何人もいらっしゃったことだったと思っています。 他の投稿サイト(なろうやカクヨム)って一回ポイントを入れたら読者の行動って、作品に寄与しないんですよね。どれだけ新規の読者を呼べるかというのが大事になっている。
ふぁい:へー、そうなんですか。他のサイトがポイント制だったとは。新規の読者さんを獲得し続けるとか、わたし、ますますダメそう。
稿:一方で、TALESは、その話ごとの読了率などがランキングに影響を与える(と思われる)ので、 固定の読者さんが長く読んでくださると、長編であればあるほどランキングへの影響は大きいのかな、と思います。
ふぁい:たしかに。長編だと、しっかり読んでくださる読者さんしか残りませんからね。
稿:これは、スキなどをされない読み専さんの動きも影響するので、他の投稿サイトとのちがいで、TALESのとてもいいところだな、と思います(一度、ほぼスキがついてない日に、PVと読了率が高い日に日間ランキングで1位だったことがあるので、おそらくそうかと)。
ふぁい:それは希望の持てる話です。みなさん、わたしの作品もこっそり読んでください。
稿:だから、長く読み続けてくださった方々がいらっしゃったことがとても大きかったなと思いますし、最終話まで読んでくださった読者の皆さんにほんとうに感謝してます。
4. 稿 累華さんの作品の特長は?
ふぁい:新作の「ほどき師はもつれの糸をすくいとる」。楽しく拝見させていただいております。
タイトルがすごい。ひらがなと漢字のこのバランスは、視覚でも読ませることを狙っていますね。 違うかもしれません笑
稿:ひらがなと漢字のバランス、気づいてくださって、ありがとうございます!! 視覚でも読ませること、めちゃめちゃ狙っていたので、気づいてくださってうれしいです。
ふぁい:やっぱり笑。全編を通じて、表現とリズムへの徹底したこだわりが感じられました。わたしは文章のリズムや響きが気になって気になって50回でも100回でも書き直してしまうので、もしかして稿さんもそのタイプなのかなと。
稿:書き直し、しますよね。私も時間があると、いつまででも書き直しします(笑)
ふぁい:よかった。わたしは間違っていなかった。
稿:文章のリズムや響きってよくしようと思えば、延々に考えつづけられるな、と思いました。
ふぁい:ひとつ文章を引用させていただきますね。言葉とリズムが混然一体となっていて、とても心地よく読めました。ほんの一例ではありますが。
今夜は春宵の香るその日で、ソノラは次の丘を目指した。月夜の草は、なんと心地よく香るのだろう。綿毛灯となる蒲公英は、まだ灯花をつけていなかったが、ソノラの胸には灯火がある。
まもなく、月光に花咲く蜜梅が見えた。照らされた杏子色の花が、梅香をくゆらせる。花の下では、被衣姿の貴人が立っている。 https://tales.note.com/ruiqua/wxahpdagoa85h/episodes/ef17uqxtsppwi
稿:ほどき師、読んでいただき、引用もありがとうございます! この部分は、読んだ方が主人公と同じく「うっとりとするような気持ちよさ」を感じてほしいなと思いながら書いた場面だったので、表現力をほめていただけるのはとても嬉しいです!
ふぁい:なぜこういう表現をされているのでしょうかね? そういう情景が見えているからなのでしょうか?
稿:読んでくださった方に、「この世界いいなあ」と思っていただきたかったから、ですかね……実際に見てみたいなあと、思ってもらえるような世界を表現したかったから、という感じです。 これは情景描写でもあるので、主人公の気持ちを示しているというのもあります。
ふぁい:「この世界いいなあ」と思ってもらえるように。なるほど、そういう感覚なのですね。
稿:ちなみに語彙は辞書を引きまくっていて、AIは本文に一切使ってません(笑)
ふぁい:ひゃあ、辞書ですか!
稿:リズムについては、好きな作家さんと、それから浪人時代に、古文漢文を写経しまくっていて経験が役に立っている気がします。体で覚えようとしていたところもあるかもしれません。
ふぁい:古文や漢文の写経までされていたとは……。そこは発想すらありませんでした(笑)
ここでちょっと切り込みます。そもそも、人の脳の構造には、大きくわけて3種類あるようなのです。言葉で考える人、ビジュアルで考える人、構造で考える人。
ふぁい:わたしは最近、能力以前に、個性(その人の脳のつくり)が創作の型をつくるのではないかと思っています。稿さんは何か感じるところがありますか?
稿:個性(その人の脳のつくり)が創作の型をつくる、その可能性はありそう! ってすごく思います。 実際に、仕事でも、目から覚えるタイプか、耳からか、体を動かして覚えるタイプかって考えるので、創作もそうなんじゃないかと思います。
ふぁい:聞いてみてよかった。それを踏まえると、稿さんの作品の特徴はどうなりますか?
稿:私の作品の特徴は、五感のあるファンタジーの世界観(焔さんの記事の言葉をかりるなら、ビジュアル認識)なのだと思います。
ふぁい:アーティストど真ん中ですね!
稿さんにはこちらの記事を読んでいただきました(記事の趣旨:その人のタイプに合った創作の方法があると思う!)
稿:世界観作りについては、心理描写とともに褒めていただいていて、一方で、読者の感情を喚起させるようなエンタメ性は自分のなかで足りないと思っています。
ふぁい:そうなんですか?
稿:ほどき師は、一般文芸によせた大人向けファンタジーとして書いていて、読んでいる方が「考えさせられる」と思ってくださるような作品に仕上がったらいいなと思っています。 まだまだ精進です!
5. ご自身の経験がどう作品に反映されてるのか?
作家さんの経験が作品に反映されるのは言うまでもありません。稿さんは、公認心理師であり、様々なお子さんや保護者様と向き合っていらっしゃいます。
公認心理師と聞いて、わたしはつい独り語りをしてしまいました……(興味のない方は飛ばしてくださいませ)
【ホムラニアンの独り語り】
わたしは産業カウンセラーになるための講習を受けたことがあります。機械工学の出身なのに、心理系の大学院に進もうとしたこともあります。
そのころ、なぜか他人を救いたくて救いたくて仕方なかったのです。他人を救いたくて救いたくて仕方ないのに、1ミリも進めない。
それもそのはず。血だまりの中で瀕死だったのは自分自身だったのだから。
どうやら人は他人に自分の姿を投影する生き物のようです。その時期の経験が初期の作品の原動力になっています。
本作、終盤で涙が出るという感想をいただきます。
それは、そうです!
「他人=自分」を救いたいエネルギーの結晶なのですから。
これは現在、わたしの創作の悩みの種にもなっています。次の質問でぶつけたいと思います。
稿:救いたい、というエネルギー、わかる気がします。それが自分自身の救済になる、ということも。 人と接することを生業とする人は、もしかしたら、大なり小なりそういうものを持ち合わせている人は、いるのではないかと思います。
ふぁい:はい、産業カウンセラーの講習でも似たような人が多かったです。
稿:一方で、自分という器の大きさと、手綱を握る必要性はあると思います。それが専門職かな、と。
ふぁい:たしかに。
稿:私の専門職としての経験は、知識や技としてではなく、目線として落とし込むようにしています。「ほどき師はもつれの糸をすくいとる」に吃音の子を出しましたが、彼のような子はいっぱいいて、彼のような子がどういう気持ちになりやすいか、どういう場面を怖く感じるのか、そういうものを描くようにしました。周りのどう言う対応がありがたいか、など。
ふぁい:あのキャラクターはそうやって描かれたのですね。
稿:私は「エンタメ原作のつくりかた」というイベントがほんとに勉強になって、後編にある公開編集会議で、「学びです!」と押し出すと説教臭くなってしまう、というやり取りがあったんですよね。
ふぁい:こちらのシリーズですかね。
稿:べつに、説教臭くしたいわけではない。 読み手の方に、こういう苦しみを感じたりしている人がいることを知ってほしいし、共感してほしい。 だから、そういう苦しい目線、逆に救われる目線を、小さな子どもの目線に合わせるように書く、というのは、自分の専門性が生きている場面かもしれません。
ふぁい:間違いなく生きていますよね。
稿:私の場合は、心理師としての個を見つめる視点に加えて、精神保健福祉士というソーシャルワークの視点もあることで、社会や環境や文化というものを見つめる力になっていって、ファンタジー世界を構築するのに役立っているなーと思います。
ふぁい:うわー、真似できません! 強みを生かしていらっしゃいますね。
6. 作家として書き続けること
最後の質問です。わたしが一番聞きたかったこと、想いをぶつけます。
ふぁい:稿さんは今、どういうモチベーションで作品を書いていますか? わたしの場合は、どうしても書きたくて仕方がなくて、誰にも読んでもらえなくてもいいと思って書いた作品は、初期の10作くらいです。過去の自分に勝てないかもしれなくて怖いです。
稿:私も、焔さんと一緒で、とにかく書きたくて書きまくっていました(笑)
ふぁい:目に浮かぶようです(笑)
稿:書きたくて書きたくてしょうがなくて、そういう衝動と中毒性のようなものを持ち合わせていたような気がしました。 一方で、読まれなくてもいい、と思ったことは、一度もないです。読んでほしかったです。
ふぁい:そうなんですか!?
稿:面白い? って友だちとか学校の先生に読んでもらって意見をもらってた覚えがあります。けど、今は、書きたいというよりは、伝えたいが強いです。
ふぁい:「伝えたい」ですか。
稿:物語を通して伝えたいことがある。今はそのモチベーションで書いていて、だからやっぱり読まれたいし、面白いと思ってもらえるような作品を書きたいなって思います。
ふぁい:なるほど。
稿:読まれている方の反応を大事にしたいです。 そのための努力ならいくらでもするし、自分に妥協はしたくないので、とにかく毎朝ひーひー言いながら、書いたり推敲したりしてます!
ふぁい:今回はお忙しいなかインタビューを引き受けてくださいまして、誠にありがとうございました。最後にぜひご自身の作品の紹介をお願いします。
稿:ありがとうございます! 記事のなかで焔さんに引用いただいた『ほどき師はもつれの糸をすくいとる』は、創作大賞2026参加作品となります! 東アジアの雰囲気を持つファンタジーです!
昨年度の創作大賞2025で入選しました 『魔法が使えない魔導師と、霧の大陸の教え子たち』は5月に完結しましたが、8月より外伝を連載予定となっています! 受賞したのは、42話までなのですが、78話以降から一気読みをしてくださる方が多いです笑
【インタビューを終えて】
最後の「読んでほしい」「伝えたい」が響きました。
わたしは勝手に、誰にも読んでもらえなくても書き続けるのが作家なのかなと思っていて、そうじゃなくなった自分はもうダメだ……と思い込んでいました。
過去のクローズドな環境で書いた作品も、noteで皆さまの反応を見ながら書いた作品も、きっとどちらも面白いと胸を張れます。
稿 累華さん、本当にありがとうございましたー!
本インタビューが皆さまの創作のヒントになりましたら幸いです。

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▼稿 累華さんはこんなひと▼
▼焔ふぁいはこんなひと▼
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